走れダイエットランナー!

ポンコツ夫とポンコツ嫁はん。ランニングで健康維持しつつ映画やテレビ見ながら言いあらそうブログです。

MENU

心房細動を、ちゃんと治そう。心臓カテーテルアブレーション手術。入院日記・4日目 2016年9月15日木曜日

f:id:dietrunner:20161104154903j:plain

 

前回まで:

 

dietrunner.hatenablog.com

 

 

【入院4日目】


3日目が終わろうとしている頃。僕の体温は上がる一方だった。


実は前日、ICUで一晩を明かし、一般病棟へ戻る直前の体温計測で37.2度あった。


「7度2分?!」何かの間違いでしょう?的な意味合いで、マレーシア美人の吉井さんに聞いたが、確かに体温計は7度2分を示していた。


その後、一般病棟に戻っても体温は上昇するばかり。昼頃は7度5分を超え、夕方には38度台へ突入。


でも、体調的にはまったく問題ないのであった。


発熱時に感じるような、異様なポカポカ感、倦怠感などはいっさい感じず、逆に体調が良いと言っていい状態だった。


さすがに消灯前、38.8度を示した時は、若干の倦怠感はあるような気がしてきたが。


3日目が消灯した。うつら、うつらとしたが、すぐに目を覚ました。時計を見たら、もう日付は変わって4日目の1時近くになっていた。


体温を測った。39度ある。これはいよいよマズい。


ナースコールをしようか、と考えていたら、ナースさんが入ってきた。隣室の斉藤のジーサン(以下、斉爺ィ)が僕より先にナースコールを押していたのだ。


斉爺ィは糖尿病を患っている。そのためこの病院には何度も入院しているようで、看護師さんたちの間ではけっこう有名人のようであった。


この7階西病棟は循環器系の病棟で、ほんらい糖尿病患者は違う場所なのだが、斉爺ィの今回の手術内容が、詰まりかけていた血管の状態を本来の状態に回復させる、というものだったためここにいるわけだ。で、さらに来月、再入院して、今度は本来の糖尿病関連の手術を行うらしい。 


深夜1時。やってきたナースさんは、僕は初めて見るナースさんだった。


斉爺ィ:あした、退院やねんけど、クスリ、足らへんねん!


ナース:ん〜?足らへんの?ちょっとおクスリ、見せて?


斉爺ィ:…。


ナース:…。


斉爺ィ:…。うん。


ナース:…。いや、「うん」と違って。おクスリ、見せて?


斉爺ィ:…。えっ?


ナース:おクスリ!見せて?!


(斉爺ィは耳が遠いのだ)


斉爺ィ:ぁぁ…。これやがな…


ナース:ひーふーみーよー…。斉藤さん、来月、また入院しはるんやんね?


斉爺ィ:…。クスリがな!足らへんねん!


ナース:いや、そうじゃなくて。来月。入院しはるんやんね?


斉爺ィ:…。昼の看護婦にゆーたんや!クスリ、足らへんようになるって!


ナース:ウンウン。次は、いつ入院しはるん?


斉爺ィ:…。insulin!なんか、もう、ほとんどないやろ?(なぜか「インシュリン」の発音は絶品だった)


ナース:足りるんちゃうかなあ。次はいつ入院するの?


斉爺ィ:…。そやろ?!


ナース:…。次は・いつ・入院・しはるの?!


斉爺ィ:…。(負けじと大声)そやぁ!


ナース:口みてぇ。あたしの口、みてぇ。いーつ?次は、いーつ?


斉爺ィ:…。その通りやぁ!


ナース:あかんわ…。耳とおい…。


ナースさんなりに、斉爺ィの役に立とうとしているのはわかるのだが、いかんせん、このやり取りは小一時間くらい続いた。4人部屋だが、この時は僕と斉爺ィしかいなかった。せめて僕の迷惑になる、とは思わなかったのだろうか…。


ただ、僕もクレームを言いにくい状況にあった。熱が39度もあるので、この看護婦さんに、斉爺ィとのやりとりが終わったら、解熱剤を持ってきてもらおうと思っていたからだ。


斉爺ィ問題が落ち着いたところで(すでに深夜2時だ)看護婦さんが僕のカーテンを開けた。


僕は39度あることを伝えた。申し送り事項にも僕の熱の件が記載されていたらしく、39度にさすがにこの看護婦さんも驚いたようだった。


ナースさんが去り、しばし、病室に静寂が訪れた…。本来の、深夜2時の病室の静寂…。


しかしすぐに戻ってくるナースさん。今回は斉爺ィをまったく無視し、まっすぐ僕のカーテンを開けた。


ナース:池田さん、これ飲んどいてください!39度はさすがに高いわ!


僕は失礼ながら、このナースさんへの不信感が芽生えつつあった。夜中の1時に、延々と小一時間、同室の僕がいるのに、耳の遠い斉爺ィと口論に近い状態で話し合い、僕の安眠を妨害し(眠れてはいなかったが)、同時に僕のコールも後回しにしている。初見ということもあり、「大丈夫か?このナース」と思っていた。


そのナースが持ってきた薬なので、飲んで大丈夫かな…との思いがチラリと頭をかすめたのは確かだ。


だが発熱はかなりしんどい状況になっていた。僕は薬を飲んだ。そして眠った…。


2時間後…。深夜4時。


僕はふと目覚めた。


びっしょりと、寝汗をかいている。


ベッドのシーツ、背中に当たる部分はもう水浸しだ。枕もぐしょぐしょ。


パジャマを着替え、シーツは上下逆さにしたあと、バスタオルを敷き、枕もタオルで覆った。


そして、体温計を脇の下へ。


ピピピピ。体温は…


35.5度。


よかった…。


やっぱりあのナース、正しい薬を持ってきてくれたんや。


さっき、あのナースに感じた不信感…。


確かに、他のやり方もあったかもしれない。でもあのナースさんはあの人なりに、斉爺ィに対して誠実に対応していたのだ。斉爺ィ、あした退院し、次の入院までインシュリンが足りなければ、たいへんなことになる。その不安で眠れない斉爺ィのために、糖尿病担当じゃないけど、一生懸命、薬の残りについて調べていた。


そして39度の僕のために、正しい薬を持ってきてくれた。今、熱は下がった。誰のおかげだ?


あのナースさんのおかげだ。


ありがとう、ナースさん。そして不信感とか言うてカンニンな。あなたは一生懸命やってたんや。

 

さて、今日は出勤予定だったお方さまに、僕の発熱を理由に休んでもらった。

 

言うまでもないが、発熱は不安ではあったが、休んでまで付き添ってもらうほどのものではない。

 

ただ、僕の入院〜手術〜ICUでの付き添い。さらに、病院から帰宅し、食事の準備や洗濯物など、この3日間、御方様は気が休まる暇がなかったと思われる。

 

お方さまはフルマラソン完走者だ。そのくらいの体力は持ち合わせているだろう。でも、心臓手術直後の旦那が発熱で苦しんでいると言う状況は、会社に休みをお願いするには絶好の理由ではないか。

 

僕が今日、お方さまに会社を休んでもらうようにお願いしたのは、僕のためではなく、お方さま本人に休んで欲しかったからだ。


心身ともに疲れているだろうお方さまには、1日、のんびりしてもらうべく、こっちに来るのは昼すぎでいいよ、と伝えていた。


お方さまが昼からごろ現れて、少ししてから姉がお見舞いにきてくれた。


姉は、20代のころからさまざまな病気にかかり、ほとんど家から外に出られない生活だった。人生を謳歌できるようになったのは、この10年くらいだ。


奈良の姉が大阪の病院に1人で来るなど、少し前までは考えられなかった。


だから、今、姉は人生を謳歌している。僕と同じ血が流れてるな〜と思うのは、食いしん坊で、かつ大食いになってきたところ。


病弱時代、ほとんどモノを食べられなかったのに、今ではバクバク食う。


お見舞いのため、この病院のそばのあべのハルカスに寄った姉は、僕たちのためにたくさんの果物を買ってきてくれた。そして自分用の昼ごはんに買ってきたのが…


「コッテリ焼肉弁当」。


大笑いしながら、焼肉弁当をほおばる姿は、もう大阪のオバチャンだった(^^;;


姉が4時頃、お方さまが6時ごろ帰った。


7時ごろ、渡部先生が病室にきてくれた。そして17日の退院を許可してくれた。


穏やかに波打つ心臓に心から感謝しながら、僕はこの入院日記を書いていた。

 

【入院日記5日目に続く】

 

dietrunner.hatenablog.com