お笑いコンビ・さまぁ〜ずが大好きです!
さまぁ〜ずコントライブのDVDは全部見てます。もちろん直接みにいければこんな嬉しいことはないけど、プラチナチケットなので手に入るはずもなく。
さまぁ〜ずのコントの特徴は、ゆるーい雰囲気の中で、ツッコミの三村の攻撃的なツッコミで、ツッコミでも笑いが取れ、それに負けない大竹の波状攻撃的なボケ。
でも、どこかに漂う優しさ。
コントライブは、すべてのコントがどこかで繋がっていて、ラストのコントでは、笑いながら、ちょっと切なくなってしまう…
そんなさまぁ〜ずが2010年に主演した映画「かずら」。
お笑いグループが映画に出るって、昔からありました。ドリフも、クレイジーキャッツも。
でも、最近の、お笑い芸人の映画へのアプローチって、なんか少し変わってきていて。
北野武が黒澤明に認められ、フランスから勲章もらったりして、他のお笑い芸人さんも、芸術家的な方向性で映画にアプローチしています。
武さんの才能に影響され、追随し、さも自分も武さんと同じような才能があると、世間にアピールしたがっているお笑い芸人の多さに、すこし辟易としてしまうことがあります…
しかし、この「かずら」は、そんな類の映画ではありません。さまぁ〜ずの世界観が見事に映画になった、笑いとペーソスにあふれた、コメディ映画です。
この映画のテーマはズバリ、
「薄毛」。
僕自身も、もう高校のころからやばくなってきた薄毛人間なので、よく分かる悩みです。
ただ、僕の場合は、幸か不幸か、薄毛に対して、なぜかそれほどコンプレックス的な気持ちが生まれませんでした。
鏡をみるたび、
「あ〜あ(T . T)」
な気持ちにはなりましたが、だからと言って、その悩みで、夜も眠れず、いてもたってもいられない、ってほどの悩みにはなりませんでした。
でも、世の中には、それで悩んで悩んで、悩み抜いてる人もいます。
「そんなことで悩んでもしょうがない!」
とか、
「薄毛の方がセクシー!」
とか、いくら言っても無意味でしょう。コンプレックスなんて、理屈じゃないんだから。
映画の中で、「かつらあるある」がたくさん紹介されていて、愛人と海外旅行へ行く際、ゲートでかつらの金具に金属探知機が反応し、愛人やほかの乗客の目の前で、
「外してもらえますか」
と忠告されるシーンは、ゾッとしました…
ただ、このかつらってやつ、洋の東西を問わず、笑いのネタになってしまうこともまた真実で…
ただ、それを気にしている人には残酷な笑いになってしまうわけで。
本作のクライマックス、愛する女性に、かつらであることを告白し、女性に去られた三村が、涙を流しながら、
「なんで、薄毛ってだけで、こんなに苦しまなけゃならないんだよ…なんで、ハゲなんかに産んだんだよ!」
と両親に訴えるシーンはグッときました。
大竹演じる、個人経営のかつら屋さんが、乾物屋さんや、靴の修理屋さんも兼ねていて、大竹に恋の相談をしている三村のところに、美女が続々と、だし昆布を買いにきたり、靴のヒールの修理依頼にくるシーンなんか、笑い転げました。
決して、かつらの人を馬鹿にしている映画ではなく、そのコンプレックスに寄り添いながら、さまぁ〜ずらしい笑いに包まれ、最後は笑いながら泣いちゃう映画です。