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「ザ!世界仰天ニュース "走る民族・ララムリ"」:ララムリ=タラウマラ族関連のテレビ番組がなぜか目白押し

 

 






 

 

 ここのところ、"ララムリ"="タラウマラ族"に関するレポート的なテレビ番組が多くみられるのはなぜでしょうか(^◇^;)

 

こちらの記事はNHKの製作で、列車に乗ってタラウマラ族の居留区へ行き、彼らと触れ合うという趣旨の番組でした。

www.rundietrunner.com

 

 

 

またこのナショナル・ジオグラフィックTVは8/11に放送予定ですが、おそらくは彼らの居留区であるコッパーキャニオンを、走りながら水や食料を探しながら、サバイバルインストラクターが4日間かけて走る、という番組です。

www.rundietrunner.com

 

そして、これはもう放送が済んでしまったのですが、8月8日の「ザ!世界仰天ニュース」という番組でも同じく「走る民族・ララムリ」というタイトルで、ララムリのことが紹介されていました。

www.ntv.co.jp

 

見逃された方のために、番組HPよりももう少し詳しく、番組についてお伝えしたいと思います。

 

今年4月のウルトラマラソン

 

今年4月の行われた「ウルトラトレイル・セロロホマラソン」という大会の、50kmの部で女子1位になった選手が、派手なスカートにサンダルばき、という突飛なスタイルであったことが世界中で話題となった、というところからスタートします。

 

派手なスカートにサンダルを履く長距離選手、と聞くと、ランニングをしてる人たちはすぐにララムリ=タラウマラ族のことだとピンとくるので、大して気にも留めていなかったと思うのですが、世界的には注目を集めたニュースだったようです。

 

BORN TO RUN 走るために生まれた ウルトラランナーVS人類最強の“走る民族

BORN TO RUN 走るために生まれた ウルトラランナーVS人類最強の“走る民族"

 

 

 

セロロホマラソン?

 

ちなみにこの「セロロホマラソン」なるものを調べたのですが、これがなかなか出てきません。

 

ググっても、このニュースを後追いした程度の記事しか出てきませんでした。

 

番組で紹介されていた写真の隅に、その写真を撮影した男性の名前があり、彼の名前をググって、そこから出てきたリンクに飛んで、やっとこの大会について報じたスペイン語のニュースサイトにたどり着き、「セロロホ」が「cerro rojo」と綴ることがわかりました。

 

で、「ultratrail cerro rojo」でググったところ、フェイスブックのページは出てきましたが、普通のホームページがなかなか分からず…。

 

気になる方はフェイスブックで「ultratrail cerro rojo」で検索してみてください。(なぜか僕の環境では激重でした)

 

ちなみに、写真がたくさんあるサイトはここです。たぶんメキシコのオールスポーツ?(^◇^;)

myfotografix.com

 

標高2100mの高地で行われたこの大会を、女性で制したのがロレーナ・ラミレスさん22歳。2位と3位の選手はトレランシューズにタイツやランスカなど、見慣れたウエアで表彰台に上がっていますが、1位のロレーナさんはいかにもタラウマラ族といったいでたち。もちろん足にはワラーチ。

 

彼女が何者なのか、ということで彼女の家まで取材に行っていました。

 

おなじみのチワワ州

 

東京から18時間かけてチワワ州の空港まで行き、そこからクルマで舗装された道路を5時間、さらに道なき道を3時間かけて、やっと彼女の家にたどり着きます。

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途中、道路脇で休憩していた現地の人を車に乗せて街まで乗せて行ってあげようとするのですが、取材陣がインタビューを行うや、「降ろしてくれ」と頼まれて、何もない道端に降ろす、というくだりがあります。

 

ララムリの人たちは人見知りが多いので、あまり質問をするのは良くない、とガイドの人から指摘を受けます。

 

このあたりのくだりは「BORN TO RUN」にも細かく描かれていました。

 

「あんなふうに近づいたのがまずかったんだ」サルバドールは悔やんでいた。興奮のあまり、タラウマラ族の作法の大原則を破ってしまったんだ。タラウマラ族の洞窟に接近する場合は、その前に数十メートル離れた地面に座って待たなければならない。そしてしばらくあらぬ方向を見て、他にすることもないからぶらぶらしていると行った風を装う。誰かが現れて洞窟に招いてもらえたら、おめでとう。そうでなければ、さっさと立ち去ることだ。

「BORN TO RUN 走るために生まれた」 より

 

家族構成

 

ロレーナさんは7人きょうだいの次女に当たられます。番組は彼らの国民性を「人見知り」と表現していましたが、「BORN TO RUN」を読んでいると、その言葉でまとめられるのはやや抵抗がありました。

 

が、わかりやすく、ここでも「人見知り」と表現しましょう。

 

で、この7人きょうだいのうち、1人だけ人見知りではない人間が長男。彼は、他の兄弟全員が民族衣装をきているところ、Tシャツにジーンズ、スニーカーを履いていました。また、後から現れたお父さんも、長男と同じように陽気に、アメリカナイズされた服装に身を包んでいました。

 

ただ、お父さんはワラーチを履いていて、その作りはベアフット・テッドがマヌエル・ルナに教わったものを踏襲していました。

 

タイヤのゴムはどれも同じというわけではない。必要なのは真ん中に溝がある切れ端だ、とマヌエルは手振りで説明した。それなら、つま先止めの結び目を穴に通しても、地面で擦り切れることはない 

 

このロレーナのお父さんのサンダルは、確かにタイヤの溝部分につま先の結び目が来るように作られていました。

 

NHKの番組で、旅人くんが雑貨屋で購入したワラーチは、溝に結び目が来るタイプではありませんでした。旅人くんはしきりに、つま先の結び目が気になる、と文句を言っていたことを思い出しました。

 

女性版ワラーチは形が違う

 

 また、女性版ワラーチとして紹介されていたのは、我々が知っているものとはかなり違うものでした。タイヤを足型に切り、革紐を通す、というものではなく、明らかに、金型にゴムを流し込んで作ったものです。

 

表現があまりよくありませんが、例えるならトイレのサンダルに似た形。

 

実はNHKの番組「行くぞ!最果て秘境鉄道」を見ても、女性の足元はこの金型ゴムサンダルでした。

 

「BORN TO RUN」ではタラウマラ族の女性の足元についての言及はありません。どうやら女性はこのタイプのサンダルを使用されるようです。

 

家屋

 

レンガで壁を作り、トタン屋根だけの作り。電気が通っていないので、12畳のキッチン兼ダイニング兼夫婦の寝室では、照明がわりの暖炉に火が入っています。調理も行うためですが、日中の気温が30度を越す中で、クーラーもなく、レンガの家の中で暖炉とは、ちょっと考えられない暑さでしょうね。

 

8畳の部屋に5人の子供が暮らしています。派手な民族衣装がたくさん吊るしてあり、「走る時専用」の民族衣装もある、というのが興味深かったです。

 

また、たくさんのマラソンのメダルがありました。それはただの完走メダルではなく、1や2という文字が確認できたので、優勝、準優勝などをした時のメダルだと思われます。ロレーナさんだけでなく、きょうだいや父親全員が、強いランナーであることがわかります。

 

食事風景

 

トウモロコシの粉からできた薄焼きのパン「トルティーヤ」に、ジャガイモ、玉ねぎ、ハラペーニョを炒めたものを巻いて食べていました。

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お父さんが、このトルティーヤと一緒に、大きなハラペーニョを生のままがぶりとやっているのを見て、撮影スタッフが真似をしたら、辛くて悶絶、という場面がありました。本当に普段からあんな食べ方をしてるのか、あるいは「お調子者」がカメラの前だけで、いつもはやらないのに、さもいつもやってるかのように振る舞うといったあの行為なのか、ちょっと判断がつきかねました。なんとなく、後者のような感じがしました。

 

日々の生活が練習

 

水汲み

 

1日1回、水を汲みに行くため片道1kmのけわしい山に登ります。標高2000m超のトレイル、道幅30cmもないような道を、姉妹たちはスイスイと登り、日本人スタッフはガクガクになった足で、道を踏み外しそうになったりしていました。

 

20リットル=20kgになったポリタンクを背負い、登ってきたトレイルを降ります。

 

薪集め

 

日本では「ネコ」と呼ばれる、ただでさえ扱いづらい一輪車に薪を山盛り乗せ、往復2kmのトレイルを登って下ります。

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ヤギの放牧

 

家畜のヤギの放牧は約8km、これも急坂をヤギに登らせます。その後をヤギと同じ速さで登って、降りていきます。

 

1日合計12kmの険しい山歩き。この生活を6歳から22歳の今日まで続けてきて、彼女は強いマラソン選手となってきました。

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ララムリの少女が見せた、人間らしい表情

 

レースで優勝しても笑顔ひとつ見せないララムリの少女が、番組の中で唯一、見せる、恥じらいの表情がとても印象的でした。

 

ロレーナさんは常に能面のような表情で終始するのですが、学校にも通わず、友達もいない、という生活の中で、「結婚はしたいですか?」という質問に対して、「近くに男性がいないので、想像がつかない」と彼女は答えます。

 

で、たぶん、通訳さんのアドリブだと思うのですが、日本側の独身の男性ディレクターを指差し、「彼なんかどうだ?」と聞いて見ます。

 

この時、彼女が初めて、はにかんだような笑顔になり、とても照れたような表情になります。

 

ずっと能面みたいな顔しか見せない彼女が見せた、唯一、人間らしい顔。年頃の女性に、若い男性への興味について聞くと、万国共通の表情をするんだな、と再認識できました。

 

VS松野明美

 

ここで突然、松野明美さんがメキシコの山奥に登場します。ロレーナさんと松野さんを対決させ、どちらが早いかを競わせる企画なのでした。

 

2000mの高地で、ロレーナさんの家をスタート/ゴールに設定したコース。いったい何キロのコースで、累積標高差が何メートルなのか、いっさい番組では触れられていなかったものの…

 

スタートは松野さんがぶっちぎりましたが、山岳コースになるや否やスピードが落ちます。それに対してロレーナは山岳も平地も全く同じ速度で進み続けるので、あっと今に松野を抜き去り、ゴールしてしまいます。

 

なんで松野明美なんだ…という声が聞こえてきそうです。僕もそう思いました。本気でロレーナさんの実力が知りたいなら、日本の名のあるトレイルランナーを連れてこないと勝負になるわけはないのに…

 

急斜面を苦もなく走るロレーナさんに全く追いつけない松野明美さんが、ゴールした時、「こんな険しい場所で練習している人に勝てるわけがない」と号泣されていた姿はちょっと印象的でした。

 

これは「私個人が」ではなく、「日本マラソン界が」といっているように思いました。

 

Ultramaraton de los Canones

 

この取材の一週間後、彼女を含む一家は山岳ウルトラマラソン グアチョチ大会なる大会に出場します。

 

下のリンクの大会だと思います。

XXI ULTRA MARATÓN DE LOS CAÑONES 2017

 

ロレーナさんは100kmの部を走りました。タラウマラ族でも、さすがに100kmになると、いつもの民族衣装の上からトレイル用のリュックを背負っていました。

 

標高2500mのスタート地点から、一気に1500mも下って、また一気に1500m登る、というコース。

 

40km地点、たぶん下りの途中だと思われる地点での彼女の足取りは、スタート直後のようにしっかりとしていました。

 

上りも平地と変わらない足取りで進んでいく彼女。

 

そして12時間44分22秒で女子部門1位で優勝されていました。

 

ちなみに、その10分後、2位でゴールしたのは彼女の

 

さらに彼女のお姉さんは、女子63km部門で3位に入賞、お父さんは100km部門の男性5位、という驚異の一家…(^◇^;)

 

このロレーナさん、もしかしたら今後、名のある世界大会に出場されることもあるかもしれませんね。

 

松野さんはダメでしたが、日本の強い女性トレイルランナーと一緒に大会にでてらっしゃる姿などを想像すると、それだけでワクワクします!!

 

ロレーナ・ラミレスという名前がもっと大きな大会のホームページで踊る日も、近いかもしれませんね!!

 

 

 

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