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さまぁ〜ずという芸人さんを、僕はなぜ好きなんだろう。「毒」ではなく「愛」を武器に爆笑をとる、極めて稀有な存在。

 

 






 

 

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笑いと毒

 

中世の宮廷道化師の例を挙げると大げさすぎるかもしれませんが、圧倒的権力を有するものに対し、笑いをつかさどるものたちは唯一、彼らを批判できる立場にあるものたちでした。

 

しかし、ひとつ言葉を間違えると、権力者の逆鱗に触れ、下手をすれば殺されかねません。

 

まさに命をかけて、権力者への批判を笑いに包んで彼らの前に提示していたのです。

 

その頃から、笑いと批判、毒などは共存する関係にあったのでしょう。

 

現代でも笑いと毒は共存

 

さすがに、この平和な時代にあって、言い過ぎたからといって誰かに殺されてしまうほどの芸人さんはいないでしょうが、それでも、笑いと毒はいい関係にあると思います。

 

ビートたけしなんかはその代表でしょうし、ダウンタウン、爆笑問題、常に時の流行や権力者に対する毒を笑いにして、普遍的な人気を保っています。

 

毒のかけらも見えない芸人

 

しかしながら…

 

その笑いに「毒」のかけらも感じさせない芸人さんもいます。

 

僕の大好きなさまぁ〜ずは、まさにそんな芸人さんの代表格。

 

さまぁ〜ずの笑いの本質に「毒」は全く見当たりません。

 

では彼らの本質は何か、というと…

 

たぶん、「愛」なのではないか、と思います。

 

さまぁ〜ずと家族愛

 

三村家の場合

 

素のさまぁ〜ずが見られる番組として、僕は「さまぁ〜ず×さまぁ〜ず」が大好きなんですが、ある時、三村が冒頭、こんな話をします。

 

三村:いまこの舞台を上がる直前、ちらっとスマホ見たら、すごいことが書いてあって。

 

大竹:どうした?

 

三村:「ゆうわが骨折しました」って。

 

大竹:ええっ?!ウソ?!(同時にスタジオ中から『ええ〜〜っ??!!」と驚愕の声)

 

 

この短いやり取り。何が特別なのか、というと…

 

「ゆうわの骨折」という箇所での大竹の驚愕の表情と、それと全く同時に観覧者全員が大竹と同じように驚愕している、という点です。

 

まず「ゆうわ」って誰?となると思いますが、文脈からも類推できるでしょうが、三村優羽くんという、三村の息子さん。

 

相方である大竹は当然でしょうが、スタジオ中の全員が、「ゆうわ」が誰なのか瞬時にピンと来ています。

 

この「さまぁ〜ず×さまぁ〜ず」では三村は三村家の話をとてもよくするので、視聴者は彼の一家の構成を把握しています。その話は、どこにでもありそうな家庭の話。それを絶妙な笑いに変える三村はさすがのプロの腕前です。

 

なんどもそんな話を聞いているので、視聴者も、観覧者も、もう優羽という名前は自分の家族であるかのように、よく知った存在になっています。

 

その優羽が骨折、という一言で、相方の大竹はおろか、観覧者、スタッフ含めて全員が「ええっ?!」と彼の心配をする声を上げるのでした。

 

家族愛を笑いに

 

「さまぁ〜ず×さまぁ〜ず」では三村も大竹も、家族の話を中心にして笑いを取っていきます。基本的には暖かい、父親としても視線から語られるネタですが、それをプロの話し手のトークとして、ヤワヤワな親馬鹿ネタにならないよう、適度な距離感で話すさまぁ〜ずの話術はさすがです。

 

三村の息子くんは、幼い子供としての話が多かったのに、ときおり見えてくる頼もしい少年のエピソードなどに接し、彼の成長を視聴者も追体験している感覚になっています。

 

大竹家の場合

 

大竹にしても、「恐妻家」というキャラを確立しながら、長男くん、次男くんの成長をときどき面白おかしく報告してくれます。

 

次男に厳しく接した大竹を長男が避けるエピソードなど、小さかった大竹家の長男くんが次男くんを守ろうとしているかのような男気に、ハッとしたりします。

 

相方への愛情

 

また、彼ら2人がよくいう、「知らないおじさんより、知ってるおじさん」

 

さまぁ〜ずの2人は移動の際も、必ず2人いっしょに移動します。売れている芸人さんでは珍しいことのようです。

 

新幹線や飛行機でも、2人並んだ席に座ることが多いらしく。

 

「そんなに売れてるのに、なぜそこまで2人で一緒の行動をするのだ?」

 

と聞かれて、必ず彼らが答えるセリフがこれです。

 

「知らないおじさんより、知ってるおじさん」。

 

つまり、隣にどんな人が座るかわからない。すごい美人かもしれないが、もしかしたらこちらが迷惑を感じてしまうような人かもしれない。

 

そんな困った人が横に来るくらいなら、「知ってるおじさん」=相方が横にいた方が、よほど気が楽、という意味です。

 

この相方への愛情も、僕がさまぁ〜ずが好きな理由。

 

ライブで描かれる、愛に満ちたコント

 

どんなに売れても、2年に1度のライブは欠かさず、お笑い芸人である自分たちの原点は大事にしています。

 

このライブを見ても、彼らの笑いの原点が「愛」である、というのがとてもよくわかるライブです。

 

決して誰かを批判したり、一方的な価値観を押し付けるような内容ではなく…

 

穏やかに、他者を思いやりながら展開される笑い。

 

普通で考えると、そんな生ぬるい設定の中で、大笑いできるような笑いが生まれるとは思えませんが…

 

さまぁ〜ずのライブでは、「愛」が笑いになっています。

 

大笑いして、笑い終えたあと、心の奥から純化できたような気持ちになる、清々しい笑い。

 

さまぁ〜ずは極めて稀有なお笑い芸人さんであると思います。

 

 

 

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