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「猿の惑星 聖戦記(グレート・ウォー)」 感想 ネタバレあり!! ノバは天使なのか?神がかった力で猿を救った、言葉なき少女。

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リブート版「猿の惑星」がこの3作目「聖戦記」で完結いたしました。

 

オリジナル版に現代的解釈を加えながら、オリジナル版へのリスペクトを忘れずに作られたこのリブート版。

 

旧作へのリスペクトが感じられなかったテイム・バートンのリメイク「猿の惑星」とはまったく違い、誰もが知っている旧「猿の惑星」の前日譚として丁寧に描くことで、旧シリーズも含め、シリーズに大きな深みを与えてくれました。

 

人類が傲慢にも自然を支配し、地球の支配者であるかのように振舞っている社会を痛烈に風刺した「猿の惑星」シリーズ。

 

リブート版第1作はシーザーの誕生、第2作はシーザーが猿のリーダーになり、人間との戦争が始まる部分を描いていました。

 

本作の最大のテーマは憎悪。

 

あのシーザーでさえ、最愛の妻子を殺した男を許すことができず、単独行動をして、最後の最後まで追い詰めようとします。

 

そして神話。

 

言葉を失った少女が、神のみわざのごとき行為で、シーザーを助けます。

 

天使のような少女・ノバ

 

桜の花を見て笑顔を見せ、ゴリラのルカに花を挿してもらうと天使のような笑顔を見せるノバ。

 

そのルカの死を前に泣き崩れ、花をルカの耳元に手向ける姿は、悲しい中で美しく、神々しくさえ感じました。

 

彼女の同行を拒んでいたシーザーでしたが、敵にとらわれ、瀕死の状態でいた時、ただ1人、助けに来てくれたのはノバでした。

 

ノバに危険という概念があったのかどうか定かではありませんが、敵陣にただ1人で侵入し、瀕死のシーザーに水と食料を与えます。

 

防寒着のフードを被ったその姿はまるでマリア様のよう。

 

人間が猿を救う。リブート版でも何度かあった場面ですが、このノバがシーザーを助ける場面は、神話のように神がかっていました。

 

なぜノバが侵入しても誰も気づかないのか。

 

なぜノバがシーザーと他の猿の牢を往復しても誰も気づかないのか。

 

なぜノバは水をすぐに見つけることができたのか。

 

ノバの手から水を飲み、ノバからもらった雑穀を食べたシーザーは命を取り戻します。

 

あの時、確かに、ノバには神がかった力がありました。

 

進化する猿、退化する人間

 

前作「猿の惑星 新世紀(ライジング)」で、猿インフルエンザのせいで人類は90%が死滅していますが、残った人類にも猿インフルの脅威は続いていて、ある日突然喋れなくなり、徐々に理性を失っていく、という症状が発生して来ます。

 

旧「猿の惑星」で人間たちは言葉を喋れずにいましたが、この症状がこの退化した人間につながっていくのでしょう。

 

旧作では、チャールトン・ヘストン扮する宇宙飛行士テイラーが猿の惑星に不時着し、チンパンジーのコーネリアスなどと出会い、話せない美女・ノバと出会い愛し合います。

 

本作のノバは12歳。旧作のノバは、おそらく25〜28歳程度。

 

つまりこの20〜25年後にテイラーはやってくるのでしょうか。

 

しかし旧作でコーネリアスたちが発見した出土品は1,000年以上前のものでした。

 

この辺りの整合性は取れませんが、そんな指摘は野暮というものでしょう。

 

旧シリーズでは、シーザーこそ猿の独立を成し遂げた英雄として描かれていました。

 

旧シリーズをリスペクトしながら描かれた本作の時間軸では、おそらく、伝説の英雄はシーザーとノバとして描かれていくことでしょう。

 

人間世界の終焉。

 

全能と思えたシーザーの消せない憎悪。

 

そして、神話にまで昇華した少女・ノバ。

 

この物語はおそらく、何世紀にも渡って、猿たちの間で神話として語り継がれることになるのでしょう。

 

STORY

 

コバが始めてしまった人類との戦争。シーザー率いる猿の群れは森の奥深くで争いを避け、静かに暮らしていた。

 

が、そこに人類の魔の手が迫る。重火器で武装した兵隊たちが猿たちの森に突入するが、圧倒的な数で反撃された人類は手も足も出ない。

 

4人の人間の捕虜、1匹の裏切り者のゴリラ、の前にシーザーが現れる。

 

シーザーは捕虜を殺さずに釈放し、彼らのリーダー「大佐」へのメッセージとする。「和平の道を探そう」と言うメッセージの。

 

裏切り者のゴリラ「レッド」は、白いゴリラ「ウインター」の隙をついて逃亡した。

 

シーザーの息子・ブルーアイズが長い旅から帰って来た。猿たちが居住するに適した土地をついに見つけて来たのだ。

 

ウインターは今夜にでも移動しよう、と提案するが、シーザーに却下される。人間に見つからないような安全なルートを見つけてから移動しなければならない、と。

 

シーザーの家族の殺害

 

その夜…。

 

白いゴリラ、ウインターが消えた。

 

シーザーは、隠れ家である洞窟に敵の兵士が侵入して来たことを知る。シーザーは敵を排除するが、ブルーアイズと妻を大佐に殺されてしまう。

 

ブルーアイズの弟・コーネリアスは九死に一生を得ていた。

 

シーザーの憎悪

 

大佐への激しい憎悪を消すことができないシーザー。自分以外の全ての猿を、ブルーアイズが見つけて来た新天地へと向かわせ、たった1人で大佐を殺すことを決意する。

 

しかし彼の身を案じたオラウータンのモーリス、ゴリラのルカ、シーザーの片腕・ロケットの3匹は、シーザーと行動を共にすることを志願する。

 

シーザーは断る。「生きて帰れないかもしれないからだ」と。するとモーリスは手話でこう伝える。

 

『だから行くんだ。生きて帰るために』

 

少女との出会い

 

ロケットの案内で、常に火が灯っている人間の住居にたどり着く。薪を持った人間の男が銃を取ろうとしたのでシーザーは射殺する。

 

その住居の奥には、人間の少女がいた。

 

少女は口がきけなかった。

 

シーザーは少女の放置を主張したが、モーリスは少女を置いて行くと死んでしまうことを憐れみ、同行させる。

 

「猿は猿を殺さない」

 

やがて軍の野営地にたどり着くシーザーたち。やはり白いゴリラ・ウインターは彼らを裏切り、人間の仕事を手伝っていた。

 

「大佐はどこだ」

 

ウインターに聞くシーザー。

 

大佐は今朝、出発した。北の施設で、南下してくる軍隊と合流するらしい。

 

その時、テントに人間の影が映る。ウインターがとっさに、外にいる人間に助けを求めようとする!!シーザーは満身の力でウインターの口を塞ぎ、それを阻止する。

 

気づくと、ウインターは死んでいた。

 

「猿は猿を殺さない」

 

猿の掟を破ったシーザーは自責の念にかられる。

 

謎の遺体

 

軍隊が移動した。あとをつければ大佐にたどり着けるはずだ。

 

徐々に雪深い地帯へと移動する軍隊。

 

小休止のため停止した軍隊から、突然、数発の銃声が聞こえる!!

 

やがて再び移動する軍隊。銃声がした場所にシーザーたちが近づくと…

 

数体の、人間の遺体があった。

 

いや、彼らはまだ生きていた!!

 

シーザーが語りかける。「何があった?」

 

が、銃撃された人間は、驚愕の視線をシーザーたちに向けるだけで何も喋らない。

 

モーリスが気づく。

 

この少女と同じだ。喋れないのだ。

 

バッドエイプ

 

この一件で軍隊を見失ってしまったシーザーたち。塔に登って状況を把握していると、突然、小柄な人影に馬を盗まれる。

 

残った馬にまたがり、犯人を追い詰めると…。

 

それはチンパンジー、しかも、喋れるチンパンジーだった。

 

自分のことを「バッドエイプ」と名乗る彼。動物園で生まれ、喋れるようになったが、人類の90%が死滅した猿インフルエンザの蔓延時に他の猿たちは全員殺され、彼1人がここに住んでいる、という。

 

バッドエイプはかつて病人が収容されていた軍の施設を知っているという。

 

そこが大佐の合流場所に間違いない。シーザーたちはバッドエイプに案内を頼むが、臆病なバッドエイプは首を縦に振らない。モーリスが連れている少女に自分の持ち物をあげて、皆でここで住もう、と提案する。

 

バッドエイプが少女にあげたものは、何かの金属であった。"NOVA"と書かれた金属。

 

その夜、バッドエイプは少女を見つめるシーザーの姿に心を打たれる。自分の息子も、もしかしたらあの施設にいるかもしれない。バッドエイプは施設への案内を引き受ける。

 

ルカの最期

 

白い雪の世界の中で咲く美しい桜に心を奪われる少女。ゴリラのルカは彼女のために枝を折り、花を彼女の髪に挿す。

 

シーザーたちは軍の施設に到着、偵察に行ったシーザーとルカは敵に見つかり銃撃を受けるがロケットが助けに入り、ことなきを得たかに思ったが…。

 

シーザーをかばったルカが被弾していた。

 

仲間に見守られながら息をひきとるルカ。少女は泣きながら、ルカが挿してくれた花をルカの耳元に手向けるのであった。

 

仲間割れ

 

仲間の元に戻ろう、と提案するモーリス。このまま帰れない、というロケット。一行の間で意見が割れる。

 

どうしても大佐への憎しみが消えないシーザー。

 

そんなシーザーをモーリスは、かつて、人間への憎しみが捨てられず、反乱を起こしたコバと同じだ、と非難する。

 

これに怒ったシーザーは、個人で行動すると告げ、仲間に別れを告げる。

 

捕虜となったシーザー

 

施設に接近したシーザーは、驚くべき事実を知る。

 

なんと新天地へ向かったはずの彼の仲間たちが、大佐に捕まっていたのだ!!

 

そしてシーザーも、大佐の手に落ちる。

 

大佐は猿たちを奴隷にして、巨大な壁を作っていた。水も食料も与えず、猿たちは疲弊し、中には死にかけている猿もいた。

 

痩せこけたオラウータンが壁から転落する。人間に寝返ったゴリラ「レッド」がオラウータンを捕まえ、激しく鞭打ちする。

 

その姿を見て激怒したシーザーが叫ぶ、

 

「もうやめろ!!」

 

リーダーの声に他の猿たちも大いに興奮するが、大佐はオラウータンを射殺し、

 

「猿たちを仕事に戻るように言え。でなければお前を殺す」

 

と脅す。

 

シーザーは脅しに屈しないが、他の猿たちが自主的に仕事に戻る様子を見て、大佐はシーザーのカリスマ性に危機感を覚える。

 

大佐の狂気

 

その夜、シーザーは大佐の部屋に呼ばれる。

 

シーザーは猿たちに水と食料を要求するが、大佐は一顧だにしない。

 

シーザーは大佐という人間をぴたりと言い当てる。

 

「北から来る兵士たちとお前は合流するのではない。彼らはお前と敵対し、攻めて来るのだ。彼らはお前を恐れている。お前は自分の兵すら殺す狂人だからだ。お前が殺した兵士を見た。彼らは何か…。病気のようだった」

 

「驚いた、お前の洞察力はすごいな」

 

「お前には『情け』というものがない」

 

シーザーのこの言葉に大佐は怒りを示す。

 

「10か月前、俺の息子はお前たちを探す部隊にいたが、突然、しゃべることができなくなった。そして日に日に、人間としての姿を失い、獣のような動きしかできなくなった。その部隊には同様なものが多く発生した。

 

猿インフルのウイルスはまだわれわれの体の中にあり、姿を変えて発症してきたのだ。感染すれば今度こそ、人類は絶滅だ。俺は息子をこの手で殺し、同じ症状の人間全員の粛清を命じた。

 

北の軍の連中は、この症状は医学の力でなんとかなる、と主張したが、そんなことは間違いだ。発症した人間は殺すしか、人類を救う手はない」

 

瀕死のシーザー

 

しかしながら、シーザーの言葉を受け、初めて牢に閉じ込められている猿たちに雑穀が撒かれた。久しぶりの食べ物を食べる猿たち。

 

シーザーが猿たちを救ったのだ。

 

しかしシーザーは極寒の中、はりつけにされ、瀕死の状態であった。

 

ロケット、モーリス、バッドエイプはシーザーの窮地を助けなければ、と思うが手出しができない。

 

もはや虫の息のシーザーは独房に入れられる。

 

その時、口のきけないあの少女が、敵の施設に侵入し、シーザーに水を与える。

 

他の猿たちは少女を自分たちの牢に呼び、昼の雑穀の一部を与える。それを持って再びシーザーの独房へ。

 

そこに敵兵がやってくる。少女が危ない!!

 

ロケットは自らが敵陣に乗り込み、陽動作戦をとる。ロケットに敵の注意が集中しているうちに少女を逃す。

 

脱獄作戦

 

モーリスとバッドエイプは、かつてこの施設に収容されていた病人たちが、施設を抜け出すために掘ったトンネルを見つける。

 

それを使い、牢の下までトンネルを掘り、皆を脱出させる作戦を立てる。

 

モーリスが少女に手話で伝える。「お前は勇敢だ」

 

少女も手話で答える。「私は猿の仲間?」

 

モーリスは少女のポケットにある、バッドエイプがくれた金属片を取り出し、口に出してこう言う。

 

「ノバ。お前はノバだ」

 

地下水の問題が発生し、子猿たちの牢までトンネルが掘れない。

 

そこで大人の猿たちは、牢の外の見張りに糞を投げつけて激昂させ、牢の中におびき寄せる。そしてトンネルの落とし穴に落とし、鍵を手に入れる。

 

そのまま子猿の牢を開け、脱出を開始する。

 

まず大人の猿の牢まで電線をたどってたどり着き、そこからトンネルで脱出する。

 

ほぼ全ての猿たちの脱出が完了したが…

 

大佐の運命

 

どうしても憎しみが消せないシーザーはただ1人、大佐の部屋へと向かう。

 

その時…。

 

北の軍隊が突如、攻め入ってきた!!

 

ヘリコプターでロケット弾を打ち込み、大佐の施設に総攻撃をかけてきた!!

 

大佐の軍も総力で反撃する!!

 

しかしなぜか、大佐の姿がない。

 

シーザーが大佐の部屋にたどり着くと…

 

大佐は口から血を流しながら…

 

あう、あう、としか喋れなくなっていた…。

 

感染したのだ…。

 

シーザーは積年の恨みを込めて、銃の引き金を引こうとするが…。

 

ケダモノに退化した大佐に、引き金を引くことはできなかった。

 

最後の理性が残っていた大佐は自分で引き金を引き、自殺する。

 

逃げる猿たち

 

一方、外では大佐の軍が、北の軍隊と戦いながらも、逃げた猿たちにも銃弾を浴びせていた。

 

ゴリラのレッドはかつての仲間たちが続々と銃弾に倒れる様子を呆然と見やる。

 

ロケットランチャーを取れ!という人間の命令に、振り返ると…

 

大佐の部屋から脱出したシーザーが、猿たちを助けるために、燃料タンクに火を放とうとしているのが見えた。

 

ところが、人間が放ったボウガンがシーザーの脇腹に命中する。

 

それはかつて捕虜となり、シーザーが命を助けたあの人間だった。

 

その恩も忘れ、とどめを放とうとする人間に、レッドはランチャーを発射しシーザーを救う。

 

シーザーが放った火で大爆発が誘発され、大佐の軍は壊滅的ダメージを受ける。

 

やがて北の軍隊が壁を超えて大佐軍の施設に侵攻、制圧を終える。

 

勝利の雄叫びに酔う、北の軍隊。

 

が、彼らはトンネルから脱出したシーザーを見つけると、銃口を向ける。

 

結局、大佐軍が北の軍隊に変わっただけなのだ…

 

自然の怒り

 

その時…。

 

大佐軍を守っていた要塞がわりの山から、巨大な雪崩が起こる。

 

北の軍隊はあっという間に雪崩に完全に飲み込まれ壊滅する。

 

猿たちはとっさに大きな木々に登り、事なきを得る。

 

全ては終わった…。

 

やがて、猿たちはシーザーの息子ブルーアイズが見つけてきた、あの新天地にたどり着く。

 

が…。

 

シーザーは脇腹に受けた傷から大量に出血していた。

 

モーリスは、声に出してシーザーに語る。

 

「コーネリアスはやがて知るだろう。自分の父がどれだけ偉大であったか」

 

新天地を照らす美しい太陽の下、シーザーは息絶えた。