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3/22「奇跡体験!アンビリバボー」専業主婦が国を変える!? 壮絶人生!運命の決断とは?映画「ペンタゴンペーパーズ」に関して、その背景などの詳細レポートでした!!

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昨日3/22に放送された「アンビリバボー」は、3/30に公開される映画「ペンタゴン・ペーパーズ」に関する物語でした。

 

映画はまだ公開されておらず未見につき、どこからどこまでを描いているのかわかりませんが。

 

主人公となる、全米初の女性の新聞社社長となったキャサリンが、国家機密を入手し、それを新聞に載せるかどうするかという決断に迫られる物語で。

 

映画ではこの女性社長をメリル・ストリープが。

 

彼女の右腕となる編集局長をトム・ハンクスが。

 

そして監督をスティーヴン・スピルバーグが担当する、注目度の高い作品となっています。

 

youtu.be

 

pentagonpapers-movie.jp

 

 

 

昨夜の番組は、おそらく映画では触れられていないであろう、なぜ、一介の専業主婦だったキャサリンが、ワシントン・ポスト社という巨大新聞社の社長にならなけれないけなかったか、という部分を丁寧な説明と。

 

・ペンタゴン・ペーパーズとは何か、

・国家最高機密のはずのその書類が、なぜ新聞社の手に渡ったのか、

・NYタイムズのスクープだったそのネタを、なぜワシントンポストが引き継ぐ形になったのか、

・社内では掲載に向けてどのような話し合いがなされたか、

 

などを説明していただき。

 

映画に対する興味がものすごく湧いてくる物語でした。

 

1945年12月

 

番組をよく聞いていると、一度もキャサリンのことを「平凡な」専業主婦、とは呼んでいません。

 

それもそのはず。

 

彼女の父親は、株式投資で財を成した実業家で。

 

ワシントンポストを所有していた人物なのでした。

 

1877年に創刊されたポスト紙でしたが、経営難に陥った際、彼女の父親が買収・再建したのでした。

 

彼女は決して平凡な家柄の出ではなく、とてつもないセレブであったと解釈した方がよろしいかと思われます。

 

すでに司法書士のフィルと結婚、4人の子供に恵まれていた彼女。

 

父はワシントンポストの社長の座を、娘婿のフィルに継がせたいと願っていました。

 

女性は家で家庭を守ることが尊重されていたこの時代。

 

有能な司法書士であったフィルは、彼女の父の熱意にほだされ、この申し出を受諾。

 

フィルの活躍

 

経験の無さを補うように、必死で勉強をするフィル。

 

優秀な人材も積極的に起用、元・弁護士のフリッツは特にフィルに有益な助言を与える存在となってきました。

 

1945年6月

 

フィルは正式にポスト紙社長に就任。若干30歳は、最年少の新聞社社長でした。

 

その際、父がフィルに社長の心得として託した言葉。

 

新聞の第一の使命は、確かめうる限りの真実を伝えること。

 

新聞が最も大切にしなければならないのは読者・大衆の利益であり、オーナーの個人的な利益ではない。

 

この言葉が、やがてキャサリンの決断に大きな影響を与えることとなります。

 

1957年

 

10年が経った頃。ポスト紙は順調に売り上げを伸ばしていきましたが…。

 

1961年

 

キャサリンには悩みが。

 

ワシントンポスト社長の妻という立場は、ケネディ大統領夫妻など、社交界のトップと会う機会も多く。

 

フィルは辣腕を振るい、ラジオ局、テレビ局を買収、交友関係がどんどん拡大。

 

そんな中、キャサリン本人はうまく立ち振る舞えず、自己嫌悪に陥ることが多かったようです。

 

社交界場で孤独を感じ、

 

本当の私は何の取り柄もない、退屈な人間なんだ。

 

と自信を喪失していく日々が続きました。

 

1962年

 

夫婦間での、誤った取り決め

 

フィルは幼い頃、両親の激しい夫婦喧嘩の中で育ち、それに対する強いトラウマがあり。

 

「夫婦喧嘩はしない」

 

というルールをキャサリンと結んでいました。

 

しかし、このルールがあったせいで、逆に「本音が言えない」という状況を生んでしまい。

 

事業が拡大していく中、フィルは次第に大きな重圧にさらされるようになり。

 

浮気へと走ってしまいます。

 

当時のセレブ家庭の電話

 

よく映画なんかでも見ますが。

 

携帯電話がないこの時代、大きなアメリカの家では、電話が何台もあり、それぞれが繋がっていて。

 

受話器をあげれば会話に参加できる仕組みになっていて。

 

キャサリンは偶然、夫と浮気相手との会話を聞いてしまったのでした。

 

フィルはキャサリンに謝罪、キャサリンはフィルを許したのですが…。

 

「夫婦喧嘩はしない」というルールが目に見えない力で彼らを縛り。

 

こんな時でさえ、本音でぶつかり合うことはなかったのでした。

 

1963年8月3日

 

フィルの自殺

 

浮気が発覚してから8ヶ月後のこの日、フィルは拳銃で頭を打ち抜き、自殺してしまいます。

 

自分の能力に対する絶望、妻を裏切った罪悪感、あらゆる負の感情が彼を自殺へと掻き立ててしまったのでした。

 

葬儀後

 

フィルの右腕・フリッツは、キャサリンにワシントンポストの社長に就任するよう説得します。

 

父・ユージーンにより窮地から回復し、夫・フィルにより拡大していった会社の社員たちが納得できる最善の人事だと思ったのでしょう。

 

1963年9月20日

 

キャサリン・グラハム、ワシントンポスト社長に就任。

 

46歳にして、全く未経験の主婦が巨大新聞社の社長に。しかも、全米初の女性新聞社社長となった瞬間でした。

 

社内の不協和音

 

いくら努力しても、所詮は未経験で、しかも当時は社会進出があまりなかった女性という立場。

 

キャサリンをよく思っていない従業員が多かったことも事実。

 

そんな中、フリッツが彼女を支えていました。

 

1965年

 

ベン・ブラッドリーの登場

 

新しい編集局長として、キャサリン自らが登用した人物。

 

映画ではトム・ハンクスが演じるので、物語のキーマンであることがわかります。

 

激しい言葉で従業員を鼓舞する人物でしたが、自分が登用した人物ということで、キャサリンはベンとなら対等に話すことができました。

 

1971年6月13日

 

ニューヨークタイムズの特ダネ

 

最大のライバル紙・ニューヨークタイムズの一面を飾った大スクープ、それがのちに「ペンタゴン・ペーパーズ」と呼ばれるもので。

 

ベトナム戦争にアメリカが突入していった詳細な経緯ついて書き記されたものでした。

 

この全47巻・7,000ページに及ぶ国家機密を独自に入手したニューヨークタイムズは、それを連載の形で公表していくと宣言。

 

連載の第一回は、

 

北ベトナムにアメリカ軍が爆撃を開始したきっかけについての記事でした。

 

ベトナム戦争とは

 

共産主義国家の北ベトナムと、アメリカが支援する南ベトナムに分断されていた。

 

南ベトナムに介入しようとする北ベトナムに対し、共産主義国家の拡大を防ぐため、アメリカは南ベトナムを支援、軍隊を送り込む。

 

状況は好転せず、北ベトナムへの爆撃を開始。

 

完全な戦争状態になった。

 

この年1971年も戦時下にあり、多くの若者が戦地へと派遣されていた。

 

トンキン湾事件(1964年)

 

アメリカの軍艦が北ベトナムの警備艇から魚雷攻撃を受けたとされる事件。

 

この事件を受けてアメリカは報復のため爆撃を開始した、とするのが当時一般的に信じられていた経緯でした。

 

ペンタゴン・ペーパーズによれば…

 

トンキン湾事件以前から、アメリカ軍による小規模な破壊活動がすでにあったことが暴露されました。

 

つまり、この戦争はアメリカが仕掛けたことが暴露されたわけです。

 

1971年6月16日

 

誰がNYタイムズにリークしたのか。

 

ベンの部下の1人がその人物に心当たりがあり。

 

その人物を訪れます。

 

ランド研究所所員

 

アメリカ軍の軍事計画を立案・研究するランド研究所には、重要機密文書が保管されており。

 

リークした人物は、重要書類にアクセスできるエリート研究員。

 

ポスト紙の記者も、かつては研究所で働いていて、この研究員が反戦運動に傾倒していることを知り、リーク元は彼しかいない、とあたりをつけたのでした。

 

7,000ページの完全なコピーを持つ彼。

 

ポスト紙の記者は、それを持ち帰ります。

 

NYタイムズ、公表差し止め

 

アメリカ政府は戦時下であることを理由に、裁判所にタイムズ紙の公表差し止めを求め、裁判所はタイムズ紙へこれを命じます。

 

ペンタゴン・ペーパーズを入手したベンたちは、秘密裏に編集作業をするためベンの自宅で作業を行います。

 

1971年6月17日

 

ついに到着したペンタゴン・ペーパーズ。ベンの自宅で極秘裏に、腕利きの記者たちがその内容を読み取り、記事化していきます。

 

7000ページもの内容を。

 

フリッツからの電話

 

ベンの自宅からフリッツが、キャサリンの自宅へと電話をかけてきました。

 

掲載するのか/しないのか

 

ベンは強固な姿勢で、この特ダネを明日の朝刊に載せる意思を示していましたが。

 

会社の顧問弁護士や役員たちはほぼ全員が強く反対。

 

その理由は…。

 

これは、報道の自由と、国家機密暴露の違法性とのせめぎ合いであり。

 

また機密文書を盗み出した男との共謀罪すら視野に入れなければならず。

 

タイムズの差し止めを知りつつ掲載する=裁判所への反逆と取られかねず。

 

タイムズ紙以上に問題が深刻化する恐れがあり。

 

政府に睨まれれば、ワシントンポスト社は消滅する

 

真実を国民に隠すなら、ポストは消滅したも同然だ

 

議論は平行線をたどり。

 

最後の決断は社長に託すしかなく。

 

キャサリンの元へ、電話がかけられたというわけです。

 

電話会議

 

ベンの自宅にあるたくさんの電話から、各々が思ったことを口にする、キャサリンとの電話会議が始まり。

 

反対意見

 

ベン以外のほとんどの役員は、

 

会社の存続

 

逮捕の可能性

 

重罪

 

お父さんとフィルが築いた会社を失う

 

などのキーワードで掲載中止を主張し、

 

賛成意見

 

ベンを中心とした記者たちは

 

政府の嘘を信じてベトナムで戦っている若者たちのためにも真実を

 

と主張。

 

フリッツの意見

 

キャサリンは、唯一、沈黙しているフリッツの意見を求めます。

 

フリッツの口から出た言葉、それは…。

 

私だったら…。公表しないと思います。

 

フリッツは電話でそう告げます。

 

キャサリンの洞察

 

しかし、キャサリンは…。

 

そのフリッツの言葉に、大きな「迷い」を感じ取ります。

 

ずっと支え続けてくれたフリッツだからこそ、彼女はその口調の微妙な変化を感じ取り。

 

彼の迷いを察知します。

 

彼女は、父がフィルに託した言葉

 

新聞の第一の使命は、確かめうる限りの真実を伝えること。

 

新聞が最も大切にしなければならないのは読者・大衆の利益であり、オーナーの個人的な利益ではない

 

を思い出します。

 

決断

 

そして彼女の下した決断は、

 

「載せてちょうだい」

 

ゴーサインを出しました。

 

1971年6月18日

 

『アメリカ政府は1954年のベトナム(統一)選挙を妨害していたことが文書から判明』

 

ワシントンポスト 6月18日

 

 

ベトナムでは、戦争が拡大する前、一度だけ南北を統一しようとする動きがあったのですが、アメリカ政府がこの選挙を妨害していたのでした。

 

選挙により、共産主義国家が生まれることを恐れたためです。

 

すぐに政府は反応し、裁判所からこれ以上の掲載の差し止めの仮処分が降りました。

 

1971年6月22日〜24日

 

他紙からの援護射撃

 

ボストングローブ紙

 

フィラデルフィアインクワイラー紙

 

デトロイトフリープレス紙

 

アクロンビーコンジャーナル(オハイオ州)

 

を始め、全国17紙がペンタゴン・ペーパーズを掲載。

 

実はペンタゴンペーパーズを盗み出していた研究員は、他の新聞社にも情報を提供していたのですが、全紙が掲載を見送っていたのでした。

 

しかし、ポスト紙が掲載したことで、全紙が独自の切り口からペンタゴン・ペーパーズを掲載するに至り。

 

このことにより、反戦の機運が大きく高まることとなります。

 

1971年6月30日

 

ヒーローか、犯罪者か

 

最高裁の判決

 

わずか2週間での判決ですが、緊急性の高い案件だと、この種の事態は珍しくないとのことでした。

 

判決は

 

掲載許可。

 

判事たちは以下の言葉を残しました。

 

自由で拘束されない新聞のみが、政府の欺瞞を効果的に暴くことができる。

 

NYタイムズ、ワシントンポスト、その他の新聞は、その勇気ある報道に対して非難されるどころか、建国の父たちがかくも明確に定めた目的に奉仕する者として賞賛されるべきである。

 

共謀罪も不起訴

 

すべての新聞がペンタゴンペーパーズを掲載したことで、共謀罪に関しても不起訴に。

 

報道の自由が勝利を収めた瞬間でした。

 

文書を盗み出した男も、罪に問われることはありませんでした。

 

2年後…。

 

アメリカ軍は、ベトナムから完全撤退することになります。

 

今を生きるなら、ぜひ見ておきたい

 

キャサリンを演じるメリル・ストリープと、現大統領であるトランプ大統領は…。

 

 

  

 

メリル・ストリープがトランプ大統領を非難するスピーチを、ゴールデングローブ賞の席上で行い、すぐに大統領本人が、「ハリウッド最大の過大評価を受けている女優の1人」と 言い返すなど、話題になっていますが。

 

今、この時代に、メリル・ストリープにトム・ハンクスを加えた、スティーヴン・スピルバーグ作品。

 

3月30日が待ち遠しい!!