走れダイエットランナー!

ポンコツ夫とポンコツ嫁はん。ランニングで健康維持しつつ映画やテレビ見ながら言いあらそうブログです。

MENU

7/28「限界団地」最終話 狂気の伝染と継承!!予想と真逆のラストシーン!!大満足の最終回でした!!

f:id:maddiehayes9915544:20180729150756j:plain

 

混迷する絆

 

自治会役員

 

江理子の元夫・高志による復讐作戦は未遂に終わりましたが、

 

逃げながら高志が叫んだ

 

「寺内は人殺しだ!!」

 

という言葉が自治会役員たちの心に波紋を起こし。

 

江理子

 

同時に、江理子への罰として、

 

団地マンの仮面をつけて、「私は団地を守る!!」と叫ぶ

 

という洗脳を課します。

 

真面目な江理子は言われた通り、夜な夜な、団地マンの仮面をつけて

 

「私は団地を守る、私は団地を守る…」

 

と、念仏のように唱えますが…。

 

やがて呪文は、穂乃花の純粋で優しい性格に触れるにつけ…。

 

「私は穂乃花を守る、私は穂乃花を守る…」

 

へと変わっていきます。

 

それはいわば、

 

団地マン

 

 

穂乃花マン

 

へと変わった瞬間であり。

 

江理子は団地マンのマスクをハサミでズタズタに切り裂きます。

 

もはや、完全に崩壊していく江理子の精神状態…。

 

「寺内さんを殺す」

 

そして、寝静まった寺内さんの寝室へと侵入した江理子は、

 

彼の体をベッドにロープでぐるぐる巻きにして

 

彼の殺害を決意します。

 

団地の屋上から飛び降りて死んでください。皆がその死を悲しむでしょう。

 

それが嫌なら、この場で私が刺し殺し、あなたの悪行を暴きます。

 

それが穂乃花ちゃんを狂った家族から解放する唯一の道なんです」

 

 

「穂乃花には私が必要なんです」

 

「違う!寺内さんが、自分の幸せのため、穂乃花ちゃんを必要としているだけ!」

 

身をよじり逃げようとする寺内さんの上にマウントを取った江理子は

 

「私は寺内さんを殺す!私は寺内さんを殺す!」

 

と狂ったように叫びながら…。

 

彼の腹に、少しずつ包丁を突き立てます!

 

怖い!刺し方!!

 

通常なら、絵的にも派手な動きがいいので、

 

ザクッ!ザクっ!

 

と包丁を振り下ろす演出をするでしょうが…。

 

江理子は、まず切っ先を腹に突き立て、

 

それを徐々に押し込む、

 

という刺し方で寺内を刺します。

 

リアルな刺し方ってきっとこうなんだろうな…。

 

と思ってしまうような刺し方。

 

妙な現実感があって、怖かった〜〜!!

 

「おじいちゃん、死んじゃえ!」

 

包丁の傷は致命傷には至らず、ベッドから抜け出した寺内さんは

 

「これは事故です」

 

と江理子を責めない姿勢を見せますが…。

 

偶然、その現場を目撃してしまう穂乃花。

 

おじいちゃんは人殺しであることを知っている穂乃花は…。

 

「ママに何をしたの?この人殺し、大っ嫌い!!死んじゃえ!!」

 

修羅場

 

脇腹から大量に出血しながら、団地内で穂乃花を探し回る寺内さんの姿は尋常なものではなく。

 

心配した住民たちは寺内さんの部屋で、返り血を浴びながら呆然としている江理子を見つけます。

 

そして江理子の口から決定的な一言が。

 

「寺内さんは…。人殺しでした」

 

息も絶え絶えになりながら穂乃花を探す寺内さんに忍び寄る、邪悪な影。

 

高志がトドメを刺すべく、無防備な寺内さんに襲いかかる…!!

 

団地の構内放送で

 

「もうおじいちゃんとは暮らせないけど、私があなたのママになるから。穂乃花、戻ってきて!!」

 

呼びかけに応じ、穂乃花は江理子の元に戻り。

 

寺内さんは頭部から血を流し、昏倒…。

 

時は流れて…。

 

喪服を着て集まる、自治会役員たち。

 

寺内さん、死亡か?!

 

と思わせておいて…。

 

実は、自治会役員最年長のおじいさんが孤独死していた、という。

 

あれから10ヶ月。

 

寺内さんは植物人間のように眠り続け。

 

凶悪な事件があった団地は離散。

 

死んだ役員と、自治会長だけが残っていたのでした。

 

しかし誰一人、寺内さんが人殺しであることを警察には漏らさなかったようでした。

 

邪悪な高志

 

シングルマザーとして、穂乃花と颯斗を別の団地で育てる江理子につきまとう、高志。

 

復縁を迫るも拒絶した江理子の顔には、殴られたあとが…。

 

それを見た穂乃花は小さく呟きます、

 

「おじいちゃん、助けて…」

 

漫画喫茶で寝泊まりしている高志。包丁を見つめ、江理子との心中さえ決意したかのような彼の元に

 

蘇った寺内さんが現れ…。

 

最後の名コンビ

 

まるで何事もなかったかのように自治会長の部屋を訪れる寺内さん。

 

高志の情報は、自治会長から得ていたのでした。

 

「寺内さんは、許されないことをした。団地の神様が怒って、寺内さんから団地を取り上げたのかもしれませんね…。

 

以上、自治会長から、最後のお言葉でした」

 

 

「自治会長…。穂乃花は、どこにいますか?」

 

この質問には無言を貫く自治会長。

 

迫り来る、寺内さん…。

 

唯一、息抜きできたシーン

 

生き延びた自治会長、なぜか「団地探偵」の看板だけを大事そうに抱えて。

 

しかも、第2話のカラオケで憎み合っていた、メガネの中年女性ヤソジマさんといい仲になっている、という意外性のおまけ付き。

 

最後の最後まで、自治会長を演じた山崎樹範はいい味を出していました!!

 

おじいちゃんに会いたい

 

誕生日を前にした穂乃花の願いは

 

「おじいちゃんに会える?」

 

でした。

 

「ひどいことを言ったから、『ごめんなさい』がしたい」

 

我が子の夢を叶えるため、あの団地へと向かう江理子。

 

穂乃花の7歳の誕生会を行うはずだった、あの幽霊部屋に、寺内さんはいました。

 

赤い、大きなスーツケースを見つける江理子。

 

穂乃花の描いた絵は、笑顔でいっぱいの家族が団地で遊んでる絵。

 

「今の団地は給水塔がないから。この絵はあやめ町団地です」

 

寺内さんは泣きながら、

 

「穂乃花に会いたい」

 

と願い。

 

「穂乃花も、おじいちゃんに会いたいって」

 

笑顔で、許し合う、江理子と寺内さん。

 

「8歳の誕生日、ここで待っています」

 

約束を交わし、別れる2人。

 

予想と真逆の、ラストシーン

 

エンディング曲が流れ、クレジットが流れ…。

 

視聴者は、ラストシーンを想像します。

 

8歳の誕生日会で再会し、抱き合う穂乃花と寺内さんの姿を。

 

しかし…。

 

江理子は団地の外に出るや、

 

「警察ですか?夫が殺されました。犯人は寺内誠司、あやめ町団地にいます」

 

 激しく抵抗しながらも、逮捕される寺内さん。

 

あの絵は逮捕のどさくさでズタズタに踏みにじられ…。

 

2度と、寺内さんは穂乃花と会えないことを暗示します。

 

狂気の継承

 

8歳の誕生日は、団地の中で、家族だけで行われます。

 

ローソクに火をつけようとする颯斗を叱りつける江理子。

 

「マサルくん家が火事になったんだよ。この団地が貧乏で狭いって、意地悪言ってたマサルくん家が」

 

「そうなんだ。意地悪なんだね」

 

第一話のラストで、意地悪をしたいじめっ子の家は寺内さんに放火されました。

 

最終話で、別のいじめっ子の家は、誰に火をつけられたのでしょう…。

 

狂気は、江理子に引き継がれ…。

 

江理子は、団地マンの歌を歌いながら、団地マンの絵本を描き続けるのでした…。

 

総括

 

佐野史郎

 

主演の佐野さんの、落ち着いた狂気ぶりが強烈で。

 

ホラーというジャンルですが、佐野さんはこけおどし的に声を張り上げる、と言った演技はほとんどなく。

 

静かに、淡々と話しながら、

 

奥に宿した狂気で見るものを怖がらせる、という芝居がとても印象的でした。

 

出演者全てがうまい

 

低予算のドラマなので、有名アイドルなどを加える余裕などがなかったのだと思われますが。

 

脇役の演者の皆さんはたぶん、どこかの劇団に所属されている俳優さんたちと思われ。

 

自治会役員のみなさんや住民の皆さん、全てがうまいなあ、と思わせます。

 

見る側とすれば、下手な芝居で意識が途切れることなく、ずっと感情移入したまま見続けることができるので。

 

1時間があっという間でした。

 

足立梨花

 

 

佐野さんの圧倒的存在感の中、最もプレッシャーがかかったのが足立梨花さん演じる江理子でしょうが。

 

彼女が、必死に食らいついて言ってる感じもまた、見ていて好感が持てました。

 

徐々に壊れていく江理子を演じるのはかなり難しかったと思われますし、

 

それでも、必死に役になりきろう!と食らいついている彼女の気概を感じることができ。

 

その気概から滲み出るような江理子の狂気、特に最終話で寺内を刺す場面などは、画面にクギ付けになる程怖かった!!

 

山崎樹範

 

そして、たびたび指摘させていただいた、山崎樹範さんとの、やや演技過剰気味にして笑わそうとする演出。

 

1話につき1箇所くらいあって、絶妙な息抜きになり。

 

壊れたようなオルガンの演奏、舞台のような極端な照明…。

 

ホラー要素の中にクスッと笑わせる演出。

 

演者たちの乱れぬ演技。

 

実に素晴らしい、ホラーでした!!