▼平成13年購入しました、愛車エクストレイル。
お方さまはいつも、悪いニュースとともにやってくる。
4年前のあの日もそうだった。
「アンタ。クルマのドア、開かへんで」
「えっ?!」
「後ろの、右のドア。中から開かへんようになってしもたで」
「えっ…?」
「外からは開くけど。中からは開けられへんわ」
お方さまは、動物に対する愛情はとても深い一家で育ったため、犬や猫への愛は深い。
が。
機械の扱いはマッタク逆。
極めて荒い。
荒々しい。
猛々しいほどに。
独身時代、テレビ大好きっ子な僕でも、リモコンがバカになった経験など全くないが。
お方さまの荒々しく猛々しいリモコン操作で、幾つものリモコンがバカになって使えない。
主婦の味方・洗濯機でさえ、許容量をはるかに超えた洗濯物をブチ込み、フタの部分を破壊するのは、僕ではなくてお方さまなのだ。
そんなお方さまからの突然の…
【クルマのドア、開かない報告】
「…あなた、もしかして、変なとこ触ったり、必要以上の力でどつき回したり、蹴りを入れたりしなかった?」
と質問したいところをグッとこらえて…
「ちょっと、一緒に観に行こう」
と言って、二人で駐車場まで降りて行った。
確かに、後部ドアの右側は、中からは開かなくなっていた。
左のドアは無事なので、それ以降、後ろに乗ってもらった人には、こちらが降りて外から開けるか、左から出るか、してもらっていた。
そして2年前のある夜。
「アンタ。あのクルマ、左もアカンようなったわ」
「キ…キサマ…」
こうして、僕のクルマは、僕の知らないところで、後部座席のドアの両方ともが、ドアが開かなくなってしまった。(なんども言うが、外からは開く)
いつも後部座席に誰かを乗せると、
「すみません、このクルマ、後ろのドアが中から開けられないんで、僕らが外から開けますね〜」
と断りを入れなければならなくなっていた。
さて、本日。
車検のため、整備士さんに来てもらった。
「気になるところありますか?」
の質問に、
「ああ、もう何年も、後部座席のドアが開かなくなってしまって。修理に何万円もかかりそうなら、このままでいいですけど…」
整備士のおやっさんはドアを開け、
▼人差し指1本で、
▼左右のスイッチを上げ、
「ハイ。これで開きますよ」
…。
そんなアホなことあるかいな。たった指1本、わずか2秒で、我が家の4年間にわたる悩みが解決って…
がちゃ。
!!ホンマや!!
開くがな!!中から!!
「チャイルドロック言いますねん。小さいお子さんが、間違って、走行中にドアを開けないように、このスイッチで、中から開かなくなりますねん」
チャイルド・ロック。
そんなプロレス技みたいなヤツ…
知りませんでした!子ども、いませんゆえ!!
一瞬で、4年の悩みが吹っ飛んだ瞬間でした!!