あの、自称
『ポケットに手ぇ入れたまま、倒れて、パッとポケットから手ぇ出す選手権』
優勝者・大ウソつき佐藤くん。
彼とは小学生の頃、帰宅方向が同じだったので、毎日のように一緒に帰っていました。
小学4年生の頃。ある帰り道、彼がボソッと言いました。
「オレ、『ペントハウス』の今月号持ってるねん」
「!!えええっ??!!」
僕は心底、驚き、絶叫しました!!
『ペントハウス』といえば!アメリカの、エッチな雑誌で、美人の女の人が、おまたをガッパーーン広げて、かつ、なんのモザイクもかかってないことで有名な、夢のような雑誌ではないですかっ!!
しかも、その世界では有名な『プレイボーイ』よりも、より過激なガッパーーン具合だと言う噂ではないですか!!
今から40年以上も前のニッポンでは、未来都市・アメリカでそのような雑誌が出版されている、と言う話は聞いてはいましたが!実際にそれを所持している、などと言う人物に出会ったことなどありませんでしたっ!!
「見せて!見せて!!」
と僕は佐藤くんの袖にすがりました!!
「え、ええで!」
佐藤くんは言いました。
「やったぜえ!!」
僕は飛び上がって喜びました!!佐藤くんの家に着くまでの約30分間、僕は興奮のあまり過呼吸ぎみになりながら、佐藤くんに、その雑誌がどんな具合なのか、を質問しまくっていました。
佐藤くんの返答が、いつもより歯切れが悪いことになど、幼い小4には気付くはずもありません。
ついに!!佐藤くんの家の前にたどり着きました。
「あっ!!オレ、きのう掃除して本ぜんぶ捨てたんやった!!」
佐藤くんが叫びました!!
…。
…。
コイツ…( *`ω´)
ウソやったんや!!
忘れてたーーー!!
コイツ、ウソつきやった!!忘れてたーーー!!!
小4にして、他人を信じすぎてはいけない、と心に刻んだのであの日でした…