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映画「ドント・ブリーズ」  盲人の家の中。「狩る」はずが「狩られる」側に!狂気の老人と猛犬から逃げる恐怖。

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『ドント・ブリーズ』(原題:Don't Breathe)

上映時間:88分

2016年 アメリカ

 

スタッフ、キャスト

 

【スタッフ】

 監督:フェデ・アルバレス

プロデューサー:サム・ライミ、ロブ・タパート、フェデ・アルバレス

 

【キャスト】

 ロッキー:ジェーン・レヴィ

 マニー:ダニエル・ゾヴァット

 アレックス:ディラン・ミネット

 盲目の老人:ステファン・ラング

 

3人の強盗

 

女主人公のロッキーは、飲んだくれの母親と、母が連れてきた得体の知れない男と暮らさざるを得ない状況にあります。まだ幼い妹を、なんとかこの劣悪な環境から救い出すべく、盗みに手を染めています。

 

マニーはリーダー格の、大柄な青年。イキがっているが、元・軍人の老人に手首をひねりあげられると、手も足も出せず殺される。

 

レックスはロッキーに想いを寄せている青年。父親がセキュリティ会社に勤めているので、父の机から顧客の鍵を盗み出し、警報装置に邪魔されず盗みが働けます。

 

盲目の老人

 

戦争で手榴弾を受け失明。ある理由で大金を手に入れている。今は郊外に、大型の獰猛な犬と暮らしている。

 

物語

 

レックスの手引きで盗みを繰り返す3人。郊外に、30万ドルを持って暮らしている盲目の老人がいるという話を聞きつける。

 

周囲数ブロックには誰も住んでいない。老人はアレックスの父親の顧客、鍵も手に入る。

 

楽勝だ。相手は盲目の老人と聞いて、完全に舐めてかかります。

 

老人は退役軍人、戦地で視力を失ったが、おそらくはかなりのやり手軍人だったと思われ。

 

散布したはずの眠り薬が効かず。

 

物音に気づき、起きてきた盲目の老人に対し、銃を向ける強盗。しかし老人は強盗の手をあっさりと捻じ上げ…

 

「何人だ?」

 

と聞くと、泣いて命乞いするマニーを容赦なく射殺。

 

すべてを至近距離から、息を殺して見ている仲間…

 

老人の手には、マニーの銃が。と、死んだマニーの携帯が鳴る。一瞬で、携帯を撃つ老人!

 

音を立てると殺される!!

 

しかもなぜか老人は警察へ通報せず、出口をことごとく塞いでいく!!

 

逃げないと!こいつは異常だ!

 

必死に逃げ回る中!

 

ついに見てしまう…

 

この老人、「異常」なんてもんじゃない…

 

とんでもない秘密を隠し持っていた!

 

「狩る」はずの強盗たちが、完全に「狩られる」側に!

 

 真っ暗な地下室を逃げまどう!逃げまどう!

 

全速力で追ってくる、盲目の老人!

 

この異常な状況から、果たして生きて脱出することができるのか…?

 

感想

 

予告から面白そうな匂いがビンビン来るのに、大阪でたった2館しか上映していないってどういうこと?!

 

1/14から拡大上映って、ホームページが更新されていたから、予想外に客入りがいいんでしょう!

 

 

 

盲目の主人公に、忍び寄る魔の手…

 

誰もが、名作スリラー「暗くなるまで待って」を思い出すはずです。

 

盲目の主婦、オードリー・ヘップバーンが、凶悪な殺人鬼と対峙するあの作品。目が見えないヘップバーンが弱々しく、凶悪犯を演じたアラン・アーキンが憎々しく、部屋を真っ暗にしたヘップバーンに、思わぬ死角があった時の、あの緊張と落胆!

 

観客は全員、ハンデを持ちながら生き抜こうとするヘップバーンに感情移入していました。

 

その約50年後に作られた本作。『ドント・ブリーズ』。

 

設定は同じ、盲目の主人公の家に忍び込む強盗たち。

 

『暗くなるまで待って』は、ヒッチコック作品か、と思うほどの、名作スリラーとして名高いですが、では本作はスリラーと呼んでいいのでしょうか。

 

スリラーとホラーの違いって、曖昧。

 

一番わかりやすい例えが、

 

ヒッチコック作品はスリラー。でも『サイコ』だけはホラー」

 

この定義に当てはめたら、本作は多分ホラー映画なのでしょう。

 

とにかく緊張感が延々と続き、中盤で明かされる盲目老人の異常さに驚き、後半は逃げて、捕まり、助かった、と思ったらまた…

 

なんども来るどんでん返しに、息つく暇が全くない。

 

スリラーにせよホラーにせよ、実によくできています。

 

また、ホラーと呼ぶなら、血や臓物などはほとんど見られない、ある意味、上品な作品です。今風に、リアルな残酷シーンなどはありません。

 

主人公の盲目の老人。元・軍人で、銃器を始め、各種の武器の扱いに長け、今も筋骨隆々。トレーニングを欠かしていない様子。

 

さび付いてはいない肉体に宿る、狂気。

 

そりゃあ、銃を持った強盗に入られたら、強盗も、撃ち殺されても文句は言えまい。でもその後に明かされるサイコな状況…

 

もはや、老人に感情移入なんかできず、生き残った二人の強盗の気持ちになってしまう!!

 

この老人がまた、完全無欠のスーパーマンではないところがまた怖い。

 

「何人だ?」と聞き、「俺一人だ」とマニーが答えると、直後に射殺したものの…

 

一人だと信じていたため、迂闊にあることをしてしまう。

 

複数犯だ!と気付いた時は遅く…

 

カネが、奪われている…

 

やられた…と、盲目の男はうなだれる。

 

その直後、ある音が聞こえ、盲目の男は犯人がまだ家から脱出できていないことに気づき、猛然と狩りを始めるのだ。

 

また、中盤で明かされる「サイコな状況」も…

 

こちらが想像していたのとは、斜め上をいく状況だったことが後半にわかって来る…

 

狂った男の、悲しさが見え隠れして…

 

プロデューサーにサム・ライミの名前があるので、内臓飛び散るたぐいの恐怖映画かと思ってらっしゃるのなら、ぜんぜん違います。

 

スリラーなのか、ホラーなのか、それは見た人が決めたらいいでしょう。

 

2、3のツッコミどころはあるものの、とにかく久々に、マジで怖い映画でした。

 

 

監督もキャストもほとんど誰も知らない。知ってるのは、主人公の老人、「アバター」で主人公たちを最後まで苦しめた、あの憎々しい将軍役、ステファン・ラングただ一人。

 

出口を塞がれた家の中で繰り広げられる逃走劇と、単にスリラーとは言えない、ホラーの要素も含んだ、老人の秘密。

 

心臓を注意しないといけない身としては、少し怖すぎるくらいの作品でした。

 

スリラー好きは必見です!