クリストファー・マクドゥーガル著「ナチュラル・ボーン・ヒーローズ」に書かれている、マフェトンメソッド2週間テストの内容です。
ステップ1:2週間テスト
ダイエットというのは、減量は意志の力の犠牲の問題という、羞恥心をベースとしたばかばかしい考えの上に成り立っている。つまり、あなたが太っているのは痩せるまで食事を我慢することもできない怠け者だから、というわけだ。(中略)人間は狩猟採集民だ。生まれつき、毎日、一日中、食料を探し、見つけ次第平らげるようにできている。空腹になることは、我々が進化してきた方向とはあらゆる意味で正反対なのだ。
でも、われわれの祖先は、常に空腹であったから、常に獲物を探し求めていたんだと思うなあ…今のように、「小腹が減ったから何か食べよう」とか、「腹は減ってないけど、ジャーキーの歯ごたえがたまらない」とか、そんな贅沢なことは言ってられなかったあろうなあ…太ってる人って、そういうのが多いんだよなあ…(オレを筆頭株主として)
だから、好きなだけ食べるといい、とマフェトンは勧める。ひとたび腹を再起動(リブート)すれば、われわれが依存するようになった偽物ではなく、ずっと狩猟し採集してきた食料を欲しがるようになる。デンプンのサイクルから脱出(デトックス)し、身体が自然な代謝に戻ったら、我慢できない空腹や真夜中の間食から解放されるのだ。たった一つの大雑把なルールを守りさえすれば、14日しかかからない—高血糖の食べ物は口にしないということだ。つまり、血糖を高くし、インスリンが脂肪を貯蔵し始めるようなものは一切食べてはいけない。
以前、やってみたことあるんだけど、全く効果なかったんだよ。糖質制限…ただ、結構アバウトだったことは確かだけど。ハンバーグステーキとか食べてたけど、ハンバーグには玉ねぎもパン粉も入ってるし、あまり適した食材ではなかったのかも。付け合わせのトウモロコシとかも食べてたし。
2週間後には、血糖値の点からいってまっさらな状態になっていて、砂糖による急上昇からさらなる急上昇へと続く悪循環は絶たれているはずだ。そしてテストが終わったら、精製炭水化物を少しずつ食事に戻していって、どうなるか様子を見る。パンを一切れ食べてみて、もし変化がなかったら、大丈夫。でも膨満感があったり、気だるくなったり、眠くなったりしたら、身体が効果的に代謝するにはでんぷんが多すぎたということだ。それこそがこの2週間テストの意味だ。
退職した今は、外食などしないので、今なら厳密にこの種の食事ができるのではないだろうか。と思い立ち、2週間テストをスタートさせた。
ステップ2:180の公式
マフェトンは、私にランナー用心拍計を装着させた。胸に巻くベルトと腕時計型コンソールのベーシックなモデルだ。アラームは、私が脂肪燃焼の閾値に達する直前で鳴るようにセットされていた。その閾値はマフェトンの手早く簡単な方程式を使って算出されたものだ。脂肪燃焼ゾーンを計算するには、180から自分の年齢をひき、次の基準を使って微調整すればいい。
(a)けがや病気でしばらく運動から遠ざかっていた場合、さらに5を引く。
(b)長期間(心臓発作からの回復などで)運動から遠ざかっていた場合、10引く。
(c)最低週4回のトレーニングを2年間続けている場合、何も足さない。
(d)2年間ハードなトレーニングを続け、協議で結果を出し続けている場合、5を足す。
食べていいもの/いけないもの
カートに詰め込むのは、ステーキ、魚、ブロッコリー、アボカド、イカの缶詰、ツナ、トマトジュース、ロメインレタス、サワークリーム、カシューナッツ。カシューナッツは誘惑に負けないための主戦力となるから山ほどだ。"食べていいもの"のリストには、卵、チーズ、生クリーム、辛口の白ワイン、スコッチ、サルサも載っている。
でも、果物、パン、米、ジャガイモ、パスタ、はちみつはなしだ。豆、つまり豆腐やいかなる種類の大豆もだめ。チップス、ビール、牛乳、ヨーグルトもダメだ。調理済みのハムやローストビーフも、砂糖で保存処理されていることが多いためだめ。
Dr.フィル・マフェトンがクリストファー・マクドゥーガルに渡した「食べていいもの/いけないものリスト」は果たしてこれで全部だったのか?その辺がわからないが、とにかく、この記述を元に、この2週間の献立を組み立てることにした。
お方さまはハンバーグ作りが得意なので、玉ねぎやパン粉と言ったつなぎをいっさい入れない、「肉だけハンバーグ」の作成に取り掛かった。一度に6個ほどできて、冷凍保存で日持ちもするし、解凍も楽なので、これはありがたかった。
イカの缶詰ってなんだ?日本でイカの缶詰って言えば、甘辛い醤油ダレに漬け込んだイカの缶詰をイメージするけど、あれってゼッタイ糖質まみれのはず…アメリカとの食文化の違いだろう。生鮮食品でイカが安い時に買ってきて、お方さまがそれをバターで炒めてくれた時はとても美味しかった。
ロメインレタス…すみません、知りません(^_^;)ググってみたら、わかりましたけど…少なくとも、八尾近辺のスーパーには見当たりませんでした…
そのほか、食べていいか判断に迷う食材があったら、「糖質制限」で食べていいとされているか否かで判断した。
2週間の体重の推移
体重の減り具合を表にまとめてみました。
体重(kg) | 摂取カロリー(Kcal) | 主に食べたもの | 心拍数(bpm) | ラン内容 | |
---|---|---|---|---|---|
1/12 | 80.8 | 1691 | 鶏ステーキ、牡蠣炒め | 47 | 40分ジョグ |
1/13 | 79.9 | 1478 | 豚ステーキ | 49 | 40分ジョグ |
1/14 | 78.7 | 1881 | 肉だけバーグ、牛ステーキ | 53 | 40分ジョグ |
1/15 | 78.6 | 1711 | 牛肉炒め、豚ステーキ | 56 | 休足 |
1/16 | 78.5 | 1915 | 肉だけバーグ、鶏ステーキ | 55 | 90分ペース走 |
1/17 | 78.3 | 2007 | 牛ステーキ、豚ステーキ | 50 | 40分ジョグ |
1/18 | 78.1 | 1509 | 肉だけバーグ、豚ステーキ | 49 | 休足 |
1/19 | 77.9 | 2118 | 肉だけバーグ、いか炒め | (未計測) | 60分足剥がし |
1/20 | 77.9 | 2195 | 肉だけバーグ、牛ステーキ | 60 | 40分ジョグ |
1/21 | 77.8 | 2186 | 肉だけバーグ、鶏ステーキ | 52 | 40分ジョグ |
1/22 | 77.7 | 1583 | 肉野菜炒め、牡蠣クリーム煮 | 57 | 60分足剥がし |
1/23 | 78.2 | 1685 | 肉だけバーグ、炒り卵 | 58 | 休足 |
1/24 | 78.2 | 1611 | 鶏ステーキ、豚ステーキ | 59 | 40分ジョグ |
1/25 | 78 | 1453 | 鶏ステーキ、牛肉炒め | 59 | 90分ペース走 |
1/26 | 77.6 | 68 |
僕は毎日、朝一番に体重を測る。1/12からマフェトン食をスタートさせたが、1/12の80.8kgは、マフェトン食にする前の体重だと思ってください。そして1/26の77.6kgは、マフェトン食最終日の1/25が終わった際の体重、ということ。
80.8-77.6=3.2
ということで、2週間で3.2kg減、という結果でした。
本の中でクリストファー・マクドゥーガルは
私はその2週間で5キロ減量し、
と書いているので、5kg減を目標としてみた。なぜならマクドゥーガル氏はウルトラランナーでもいらっしゃるので、余計な脂肪がそもそもそれほど付いていないはず。それでも5kgも減らせたのなら、余計な脂肪だらけの僕はもっと減量できるはずだ。
でも、以前、アバウト糖質制限ながら、やってみて全く効果がなかったことを踏まえ、記述通りの5kgを目標値と定めた。
【どう推移したか】
まず初日と二日目。
初日で0.9kg、二日目で1.2kg、トータル二日で2.1kg減した時は驚いた。何せ、10/24で82.1kgで、約3ヶ月かかってやっと1.3kgしか減らせなかったにもかかわらず、この脂肪分たっぷりの食事に変えたら二日で2.1kgも減ったのだから。
ただその後は、毎日0.1kg〜0.2kg減に落ち着くものの、着実に減量していった。
この計算でいけば、14日で5kg減は可能な流れであった。
しかし、悪夢の12日目…
突然の、0.5kg増…
で、終わってみれば、3.2kg減、という結果に落ち着きました。
2週間の体調の変化
【最悪の気分?】
「もし気分が少しばかり…その、最悪でも、驚かないように」。糖の供給を絶たれた身体は、虫の居所が悪くなることがある。
マクドゥーガル氏は、マフェトン食の最初のランで、
ふらふらになりながら数分歩けば治るが、走り出せばまたすぐどっと押し寄せる。全く不気味な感覚だった。
と書いているが、僕自身はそんな感覚は経験しなかった。元々が、繊細ではない性格のせいだろう(笑)
お方さまにも、「万一、おれがいつも以上にイライラして八つ当たりするようなことがあれば指摘してください」と申し伝えておりましたが、特にそのようなご指摘もいただきませんでした。(^_^;)
【心拍数の上昇】
ただし、最も気になった体調の変化は、心拍数の上昇。
表にもつけたが、この2週間の心拍数の平均値は55。それに対し、マフェトン食スタート前の1ヶ月の平均心拍数は50。
7日経過したあたりから、心拍数の上昇が気になり、14日に到達する前に中止しようかな、と逡巡した時もあった。
心拍数については本には何も書かれていないが、心臓にトラブルを抱えているものとしては最も注意すべき問題だ。
糖質制限をストイックに行なっていたランナーが、心臓発作で亡くなった、という新聞記事も見たことがある。
僕は常に心拍計とともに走っているので、そんなことはならないだろうとは思っていたが、不整脈が再発したりすることも本意ではない。
毎日、心拍数にだけは注意をしていた。
ランニングでも、特に問題なかった。それどころか、平常時の心拍数は少し上昇していたが、ランニング時の心拍数は逆に下がってきていた。
この辺りを鑑みて、最終日までやり通せるな、と判断した。
この心拍数の上昇について、ドクはこのようにコメントしてくれた。
平常時心拍数問題は、練習時間の延長と脂肪燃焼の結果とみなしていいでしょう。また、季節感による変動もあります。ポイントを入れる分、疲れを感じたら日頃のルーチンはサボることもいい選択です。
【嗅覚、味覚が鋭敏に】
もう一つ、驚いたことは、嗅覚と味覚がどんどん鋭敏になってきたことだ。
特に炭水化物系の食べ物に対しては、これまでとは比較にならないくらい、鋭く感知する。
お方さまが朝食に食パンなどを食べたら、その匂いは、毎朝感じていた匂いの5倍にも10倍にも感じ取っていた。
また、お方さまが食べていた豚汁を、一口だけもらった際、隠し味の生姜を敏感に察知した。生姜が効いてるね、とお方さまに言っても、僕より味覚に鋭敏なはずのお方さまは気づいていないくらいの量しか入っていなかったのに。
2週間テストを終えて
長いようで短かった2週間であるが、もともと、肉食が嫌いではないので、それほど苦にはならなかった。
が、やはり炭水化物系が食べたい、と思った時もなんどもある。
特に何が食べたかったかというと…
日本人なので、ご飯かうどんか、とおもいきや…
食パンだった。一番食べたいと思ったのは食パンだった。食パンなど、通常はほとんど食べないのに。
おそらく、毎朝、お方さまが食べるので、その香りにさらされ続けていたせいかもしれない。
ということで、今朝は食パンを食べた。
心拍数問題は少し不安だったが、ランニング時の心拍数は向上していたので、気にすることをやめた。
これから、どれくらいの炭水化物を戻していくのか、の実験になるのだ。