去年、2016年10月14日金曜日。
僕とお方さまは旅に出ました。
その一ヶ月半前に、長らく勤めた会社を退職し、
そのちょうど一ヶ月前に心臓の手術を受け、
遅まきながら、人生のやり直しを図りました。
もし、仕事を続けていたら、(深くは言いませんが、けっこう「シンドイ」会社でしたので…(^_^;)ぜったいに叶わなかったろう、4泊の旅行です。
その旅行には、実はお手本がありました。それは…
1998年、北野武監督作品
「HANA-BI」。
第54回ヴェネツィア国際映画祭グランプリ(金獅子賞)受賞作品。
「黒澤明が選んだ百本の映画」選出。
名画中の名画です。
この映画には、人間の感情のすべてが、絶妙のバランスで混ざり合っています。
怒りや暴力だけではなく、夫婦の愛、友情や別離と遺された者への哀しみや憐憫。さらに、その中に絶妙にブレンドされた、芸人たけしとしての笑い。
物語の中盤から後半。たけし演じる主人公・西は、刑事を辞め、銀行を襲い大金をせしめます。そしてそのカネを、殉職した同僚の家族と、半身不随になった同僚へ贈り、残ったカネで、クルマを手に入れ、不治の病に侵された最愛の妻と2人で、最後の旅にでます。
あの旅に、僕はずっと憧れていました。
セリフはほとんどないものの、夫婦の互いへの愛に溢れた、悲しくも可笑しく、美しい旅。
僕は仕事のストレスが原因で心臓に異常をきたし、管を入れ、心臓の一部を焼きました。
寿命を縮めかねない仕事に見切りをつけました。
今の僕は西と似た境遇です。違うのは、僕の妻は元気だという点です。
西とその妻は、いわば死ぬためにあの旅に出ました。
だから、僕と妻は、再び生きるために、あの旅に出ようと思います。
ただ、銀行強盗はしていないので、西みたいに、温泉旅館とかは泊まれないけど(^^;;お方さまゴメンね(^^;;
フェイスブックにアップしていた日記を、加筆・修正して、ブログにも載せていこうと思います。
(旅日記・1日目に続く)