みなさんこんにちは。お方さまの足まわり講座です。
靴はなぜ必要なのか?
今日はまず、そもそも論の話をしてみましょう。
「そもそも、人はなぜ靴を履くのか?」
靴には様々な機能があります。かかとを固定しブレないようにして歩行を安定させる「カウンター」や、土踏まずのアーチを支える「シャンク」。それらがあるため、人の足は長時間歩行しても、疲労がしづらくなっています。
しかし、人間が靴を履く最大の理由、それは
「足の保護」
この一点に尽きます。
現代社会の道路は、もはや土の道などは皆無で、アスファルトやコンクリートで舗装されています。それは、人間のむき出しの足にとっては熱すぎて、硬すぎて、危険すぎる道なのです。
その危険から足を守るために、人間はやむなく靴を履いているわけです。
先に述べた、シャンクやカウンターなどは「やむなく履いた靴を、なんとか快適に保つための部品」でしかありません。
靴による制約
靴を履いてしまったことで、人間の足は極めて制約のある動きしかできなくなりました。足指は固定され、足裏はソールと言う硬い板を踏むような動作しかできなくなりました。
そのため足首の動きも制約を受け、かかとがブレないようにと、カウンターと言う硬い壁で覆われてしまいました。
本来、バネの役割を果たすはずの土踏まずは動くことができず、退化の一途を辿りつつあります。扁平足、と言う、靴を履く前の人間にはなかった症状が現れました。地面が舗装され、平らになり、靴を履くようになって、増加の一途をたどっている症状です。それを少しでも改善するため、今度はシャンクという鋼鉄の背骨を靴の中に投入しました。
ハイヒールなどの、足への強度の強すぎる靴を履くようになり、外反母趾という症状で悩む女性が増えてきました。
靴、とは、足を守るために人間が編み出した、考え抜かれた道具です。
しかし、足から見れば、身動きを禁じられた牢獄であることも確かです。
プライベートでは足を解放しよう
それでも、今では、社会生活を営む上ではなくてはならない道具です。
どんなに清潔感あふれる身だしなみをしていて、言葉遣いが丁寧でも、その人が裸足なら、あなたはその人を奇異な人間だと思ってしまうはず。今や、社会生活を送る上で靴はなくてはならないものです。
ではせめて、プライベートな時間になれば、なるべく足を解放させてあげたい。
ワラーチやルナサンダルは、「走るためのサンダル」ということでフォーカスされがちですが、まさに足を解放するための履物、と捉えていただいていいと思います。
お方さまは一般社団法人「足と靴と健康協議会協議会」で「バチェラー・オブ・シューフィッテイング(上級シューフィッター)」の資格を有し、また初級シューフィッターに実技を指導する実技指導員でもあります。
上級シューフィッターで実技指導員のお方さまの持論は、「ワラーチこそ、足の健康にとって最も有効な履物である」が持論です。
ワラーチとは
中央に溝の入った古タイヤを足型に切り抜き、革紐で足にくくりつけただけのサンダルのことで、メキシコに住むララムリという部族はそれを履いて毎日何十キロ、何百キロと山岳地帯を走って暮らしているのでした。
今では、ゴム底に様々な紐で足にくくりつけた手作りのサンダル全般を指してそう呼んでいます。
100均のビーチサンダルにかかとを抑える紐かゴムを取り付けただけで、立派なワラーチの出来上がりです。
ワラーチの良さとは
ソールがついているので最低限の足の保護をしてくれます。ソールは薄いので足裏の運動を阻害しません。足裏は自分の動きたいように動いてくれます。こうしてバネの動きが活発化することで、土踏まずが育っていきます。
足指はむき出しの状態なので、自由自在に動きます。
足は自在に動けるので、足全体の筋肉、腱を使うことになり、靴の中で縮こまっていた筋肉が発達し、血行も良くなります。
「ワラーチ」でググれば、ほとんどがランニング関連のアイテムとして紹介されていますが、ワラーチを履いたからといって、何も走る必要はありません。日常生活を、ただ歩くだけで、足は靴という牢獄から解放されて喜びの声をあげるでしょう。
これからの季節、ワラーチやルナサンダルで外出することを、上級シューフィッターがお勧めします!!
▼100均ビーサンのかかとにゴムを回しただけで、立派なワラーチの出来上がり(๑•̀ㅂ•́)و✧