2013年8月25日 日曜日。北海道マラソン28.2km地点。
午後12時28分01秒。
僕のマラソンの時計は止まってしまった。
左足の不調で、目の前で関門が閉まった。
必死に練習して臨んだ道マラだったが、足の痛みにどうしても勝てなかった。
屈辱とか汚点とか、そんなネガティブな言葉でそれを思い返したことはない。
逆だ、むしろ、感謝している。
齢50になり、一心不乱に努力する目標ができるなんて、思ってもみなかった。
真夏、頭から水をかぶりながら、何十キロも走り続けて練習するなんて思ってもみなかった。
焼けた鉄みたいな足を、銭湯の水風呂につけて、身悶えするなんて思ってもみなかった。
そして、大人になって、なんの利害関係もない友人たちがこんなにたくさんできるなんて。
悲しい別れがあるなんて。
嬉しい再会、素晴らしい出会いがあるなんて。
そして、そして…。
必死の努力が実を結ぶ幸せを、齢50になって味わうことができるなんて!
それを我が事のように喜んでくれる友達が、北は北海道、南は沖縄までいてくれるなんて!
2014年8月31日 日曜日。北海道マラソンフィニッシュ地点。
13時52分56秒。
僕のマラソンの時計は再び、動き始めた。