陸王第7話は、若干ですが、今までと比べて、話の流れるスピードが遅いように感じました。
こはぜ屋に買収話を持ちかけてくる会社の社長を松岡修造が演じるようなので、彼を見たい、というのが今回のメインだったのに…。
結局、先週の予告動画と同程度しか松岡修造は出てきませんでした。
しかし、視聴後、この記事を見て納得しました。
当初、11話のはずだった陸王は、選挙の影響で10話に短縮されたはずが、あまりに好評のため14話の尺に延長された、とあります。
これは多分、全14話、というわけではなく、今後、2時間枠とかで放送されて、全部で14話分の長さの物語になる、ということだと思います。
それで納得できました。第1話から、物語全体が全力疾走で進んでいる感がありましたが、第7話が若干、スローペースになった理由が。
というか、逆に残りあと3話なんですが、原作本でいうともう82%以上を消化してしまいました!!
(全588ページのうち、フェリックスの登場は489ページから)
前半進ませすぎてあと18%しか残っていないところを、30%以上埋めなければならないので、スローペースになってしまうのも仕方ありません。
さて、では第7話!!キムラ緑子がめちゃくちゃ良かったです!!
大地、茂木、若手の頑張り!!
メインのおじさん連中はすっかり意気消沈、ダメダメ状態に陥ってしまい、逆に、経験の浅さなどを馬鹿にされていた若手たちが奮起する、という、いつもとは逆の展開になります。
繊維会社のリストアップと商談
タチバナラッセルとの取引がおじゃんになってしまって、困り果てる宮沢ですが、息子の大地が孤軍奮闘いたします!!
次の日には日本中の繊維会社をリストアップして、自らが商談に向かう、という前向きな姿勢を見せます。
陸王のために、イヤな雑誌の取材も受ける茂木
一方、茂木のニューイヤー駅伝の快走は、ライバルである毛塚の体調不良、という面が強調され、あまりクローズアップされず、陸王の宣伝効果は皆無。
なんとか役に立ちたい茂木は、あの憎っくき「週刊アスリート」の取材に応じ、区間賞を取れたのは陸王のおかげ、とアピールするも、実際に紙面になった時は、やはり毛塚がメインの紙面作り。
あまりにあの「月間アスリート」の女性記者ってひどすぎると思いませんか??(^_^;)
前回は、向こうから毛塚との対談をセッティングしておいて、「毛塚サイドからNGが出たからなかったことに」って、素人みたいな対談キャンセル。
今回は、
「前回は失礼しました。ニューイヤー駅伝、感動しました。怪我から復帰された茂木さんは、同じく怪我に悩む多くのアスリートへの大きな希望となると思います。ぜひインタビューを取らせてください」
って依頼しておきながら、出てきた記事は、
「毛塚くんは僕の目標で、ニューイヤー駅伝では後で体調が悪かったと聞き、それでか、と納得しました」
などと、毛塚の太鼓持ちのような、言ってもいないコメントを載せる…。
実は、アトランティス並みに極悪非道ですよね、あの雑誌記者!!
大惨事!!シルクレイ製造機、大爆発!!
飯山が持ち込んだ、シルクレイ製造機が突然、煙を上げて出火!!たいへんだーー!!
この時も、飯山を煙の中から救い出すのは大地。今回は特に、若手の活躍が目立ちます。
(結局、出火の原因は明かされず…。試作段階だった機械を酷使させた結果、ということでしょう)
ダメなオヤジども!!
そして宮沢を中心としたオヤジ層はウジウジと苦悩し、仲違いや裏切りへの誘惑などと戦う回となっています。
本作は、基本的にはおじさん賛歌のドラマですが、おじさんが常に直面している現実の壁、に登場人物たちも直面する回になっています。
大地は、燃え盛るシルクレイ製造機から飯山を救出し、さらに繊維会社を何社も何社もあたり、タチバナラッセルに変わるアッパー素材を探すものの、全てが空振りに終わってしまいます。
でも宮沢はそんな大地の努力には気付かず、大地は就職の面接に行っている、と思っている始末。
心折れる宮沢社長
タチバナラッセルの裏切りとシルクレイ製造機が再起不能になってしまったことが、宮沢社長の心をすっかり折ってしまいました。
銀行に1億円の融資を依頼するも、家長支店長に断られてしまいます。
故・桂枝雀師匠の弟子の桂雀々(かつら・じゃくじゃく)。かつては枝雀一門で、いたずらっ子みたいな存在でいらっしゃいましたが、嫌味な悪役も似合う面構えになってきました。
また、すっかり「いいヤツ」化した大橋課長にも、また、チーム陸王のはずの坂本からも、こんな融資は銀行員が100人いたら100人が反対する、と言われ、すっかり自信喪失。
飯山へのアプローチ、キムラ緑子の名演
第4の会社・フェリックス
日本発・世界的アウトドアブランドの「フェリックス」なる会社が、飯山のシルクレイに触手を伸ばします。
なんと、年間60,000千円(6千万円)の特許使用料で独占契約をしたい、と持ちかけてきます。
あんな夜中の道を歩いている時に、突然、クルマを横付けして商談に入る、なんて絶対にありえないですけど…(^_^;)
揺れる飯山、支える妻
「おめえは何も心配することはねえんだよ」
フェリックスから依頼があり、少しは心に余裕ができた飯山ですが、その心中は複雑で…。
奥さんはそれを見抜いています。
今回は、飯山の奥さんを演じるキムラ緑子さんの演技が実に素晴らしかったと思います。
キムラ緑子さんは、同志社大学時代からの知人であるマキノノゾミさんという劇作家であり演出家である方と結婚され、離婚され、また結婚されています。
飯山の妻の役と、彼女自身の人生と、どこか重なり合った部分があるかのような…。
糟糠の妻、という役を見事に演じられていて、少ない登場シーンながら、素晴らしい存在感を見せつけられています。
物語の後半、宮沢が再度、奮起して出資先を探す決心をした時、飯山は運命を共にしようと決意します。そしてフェリックスに、独占契約を断る電話を入れます。
この時の、キムラ緑子の泣き笑いの表情…。
今週、いちばんグッときたのはこの表情でした!!
村野の覚悟
すっかり弱気になってしまった宮沢に対し、村野が彼に覚悟を問います。
「選手たちは命をかけて走っている。その彼らと付き合うためには、我々にも命をかける覚悟が必要だ。私が聞きたいのは、宮沢さんにその覚悟があるのか、ということだ」
という村野の言葉に、弱々しい自己弁護しかできない宮沢。村野は、
「私の見込み違いだったようだ」
と宮沢との決別を宣言します。
宮沢の決意と、驚くべき提案
チーム陸王の一員だった銀行員の坂本が、銀行員の限界を感じて退職を決意、外資系の投資ファンドに再就職をします。
彼から、陸王の今後についてウジウジしている宮沢には、社長がどうしたいかという意思が感じられない、と指摘される宮沢。
帰宅すると、疲れて寝ている大地は、孤軍奮闘してアッパー素材を探し回っていることを知らされ、みずからの後ろ向きの姿勢を恥じます…。
「うぉー!!」はいいけど、飲酒後の激しいランニングは危険ですよ(^_^;)
宮沢は再度、1億円の融資先を探す決心をし、坂本の融資会社へと出向きます。
そこでの答えもやはり、不可。
しかし、坂本は驚くべき提案を…。
会社を、フェリックスに売りませんか??
さあ!!いよいよ、風雲急を告げる展開に!!
アッパー素材もなく、ソールのシルクレイも作ることができなくなったいま、降って湧いたこの買収話。
再びやる気を取り戻したはずの宮沢は、果たしてどんな舵取りをするんでしょうか??!!