「陸海空 地球征服するなんて」では、いろんな企画が同時並行的に世界各国で撮影されているハズなんですが。
「これは面白い!!」って企画ばかりというわけにはいかず。
正直にいうと、
「う〜ん、この企画が流れるんだったら今週は見ないかな」
っていう程度の企画もあって。
番組側ももちろん、数字につながらない企画は、撮ったはいいけどほとんど流さないってのもあるようで。
それに携わった出演者やディレクターさんは可哀想だなあ…。と思ってしまいます。
いちばん面白い企画はやはりナスDが携わったヤツでしょう。具体的には「部族アース」と、年末に行われた無人島企画。
次に面白いのはやはり「西村アース」ですね。
ナスD関連を出し惜しみしている現在、流れているのはほぼ西村アースだけという現状を見ても分かる通り、西村アースがいちばん数字を取ってくれているハズ。
「西村アース」とは
「激安!いいね!アース」が正式なタイトルなのかもしれませんが、今や「西村アース」として通っているように思います。
バイきんぐ・小峠の相方の西村瑞樹が、有名な観光地のディープな部分に潜入し、インスタグラムをアップし、それについた「いいね!」の数がその日の旅の資金として供給される、という企画。
何が面白いか
インスタグラム=オシャレ女子に大人気!!と言っていいと思います。カラフルな食べ物や洋服や旅行地など、美しい写真をアップして、その美的センスを誇らしげに世界にアピールできるインスタグラム。
もちろん、いろんな人がやっているSNSだとは思いますが、やはりオシャレ女子がいちばんやってるってイメージが強いです。
オシャレ女子と、正反対の場所に生きているのがバイきんぐ西村。
「じゃない方芸人」だけど面白い西村
バイきんぐの「じゃない方芸人」的立場にいる彼。
相方・小峠は芸人として売れに売れまくっていますが、小峠「じゃない方」という程度の存在です。
しかし、この企画もそうですが、そのほかの番組でも、彼の潜在的な面白さって地味ぃ〜に知られるようになって来ています…。
この企画を面白くしているもう一つの要因
西村があげたインスタ写真についたいいね!の数はそのまま旅の資金になるわけですが…。
ここで見落としてはいけないことが。
その資金は、彼自身だけでなく、彼と同行しているディレクターとの二人ぶんの資金である、という点です。
電波少年ヒッチハイクとの違い
かつて、電波少年の猿岩石やドロンズの旅の時も、同行しているディレクターが彼らの旅の様子をカメラに納めていましたが。
電波少年のディレクターは、完全に、タレントとは隔絶された存在でした。
それゆえ、アルバイトができずお金がない猿岩石たちが、死にそうな顔で消耗している絵を撮りながら…。
ディレクターは自分の金で水を飲み、食事を十分にとり、夜になればホテルに泊まっていました。
「猿岩石日記」だったと思いますが、いよいよ死にそうになった彼らを撮影しているディレクターが、撮影を終えてホテルに戻るときに、自分が飲んでた水や食料をその場において立ち去った、ということが書いていました。
もちろん、それは彼らに「この水を飲んでいいよ」というディレクターなりの無言のほどこしなワケです。
そんなエピソードもありましたが、電波少年のヒッチハイク企画において、ディレクターは立場的優位性がある絶対的な存在だったワケです。
WWB
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運命共同体
それに対し、この西村アースのディレクターは…。
西村のインスタ写真で稼いだお金でしか行動できない縛りがある、いわば西村の運命共同体。
それゆえ、西村とディレクターとのやりとりがとても面白く、この企画をより一層面白くしている要因です。
「いいね!」のレート
第一弾の「タイ編」では、もちろんテレビ放送前にタイにロケに行っているので、西村がそんなことをしているとは誰も知りません。
それゆえ、いいね!もなかなかつきづらい状況。
それゆえ1いいね!が1円に換算されていました。
12日間でタイを縦断した際の平均いいね!数はわずか800でした。
第二弾の台湾編では、すでにタイ編が放送されたあとでフォロワー数も急増したので、1いいね!が0.1円と換算されることになってしまいました。
極限状態で、それでも旅を楽しむ西村
タイ編での平均いいね数は800とのことでしたので、一日800円で大人二人で過ごしていたワケです。
安い食べ物、安い水を足で探し、電車で移動し、目的地まで旅をします。
西村の人間性
ここで特筆すべきが彼の人間性。
水曜日のダウンタウンでは「奇人・西村」と評されるほど変わった人物ですが…。
とにかく、他人との垣根をなくすことに秀でている様子です。
見ず知らずの、小汚いナリをした彼に対し、旅先の外国人はなぜか心を開き、親切にしてくれます。
これって、一種の才能なんじゃないかと思うんですよね〜。
バッドナイス常田と比較
この西村アースの成功を受けて、ちょっと前まで「ドローンアース」をやっていたバッドナイス常田が同様ないいね!アースをマレーシアで展開しています。一週間でマレーシアを縦断、1いいねにつき1円のレートで。
その常田と西村を比較して見ると…。
常田はかき氷などカラフルな食べ物を食事がわりにして購入、インスタ写真を撮りアップし、残ったお金で移動。
つまりかき氷以外口にしないと言う日もあって。
彼の真面目で一生懸命な様子が、そこかしこにあふれたVTRになっています。
それに対し西村は。
タイ編の時も、水や食べ物などに最優先でお金を使い、移動は二の次。
食料も、インスタばえしそうなものではなく、とにかく安くでお腹を満たしそうなものを基準で選んでいます。
常田と西村、どちらが正しい?
もしも、このいいね!アースがスポーツか何かだったら…。
明らかに、常田の行動の方が正しい。
彼はルールにのっとって、インスタ写真のいいね!で稼いだ金で移動し、より良いいいね!がもらえそうな写真が撮れそうな食料だけを購入し、ギリギリの状態で移動しています。
しかし…。
テレビ番組としては、見てる方はぜんぜん面白くない…。
彼は「真面目に」ルールにのっとっているように見えますが、裏を返せば、「そのようにしかできない」と言うふうに見えます。
現地の人と触れ合って、いろんな情報を入手したり、助けあったりすると言う行動はできないように思います。
対して西村は…。
欲望のまま、水、食料、さらには排泄さえお金がかかるのでそれに対するアレヤコレヤなどで、なかなか前に進みません(^_^;)
しかし彼は、つたない言葉と身振り手振りなどで積極的に現地の人とコミュニケーションをとり。
彼の不思議な人間性も相まって、やたらと現地の人から親切にされます。
タイを縦断、台湾を一周、共に西村は達成できませんでしたが…。
番組としては、西村アースの方が何倍も面白い出来になっていました!!
常田は間違っていたのか?
では常田は間違っていたのでしょうか?
僕はそうは思いません。
と言うか、たいていの日本人は、常田のようにしか行動できないのでは、と思います。
根が真面目で、ルールにのっとり、正しく行動する。
やや人見知りなところがあり、他人の助けを借りることを潔しとしない。
日本人って、多かれ少なかれ、そう言う部分を持っていると思います。
だから…。
西村のように、一見、不真面目で、自己中心的で、でも、甘え上手と言うか、他人を巻き込んじゃう力に優れた人間を見ると…。
「なんだアイツ。自分で何もしないで。人にばっかり負んぶに抱っこか」
と、苦々しい目で見ながら…。
どこか、その能力に対して憧れを抱いています。
甘え上手。その能力を持っている人って、実はそう多くはなく。
特に外国において、あんな汚い格好で近づきながら…。
相手の警戒心を一瞬でとき、相手の懐に入り込み、仲良くなっちゃう。
これって、絶対に、才能と言っていいと思います。
イッテQ!!の哲ちゃんに通じる
イッテQ!!で出川の哲っちゃんが外国で出川イングリッシュを駆使し、外国人に道を聞いたりする企画で。
難しい問題を、英語ができる出川ガールズと、哲っちゃんと、どちらが先に外国人から答えを導けるか、と言う企画で。
出川ガールズたちは
"Excuse me…"
から道ゆく外国人に話しかけても、ほとんどスルーされるけど、
哲ちゃんがあの豪快な出川イングリッシュでグイグイ押していくと、あっという間に答えを導き出した、って企画がありました。
①英語ができて
②若くて美人
でも
③堅苦しい接近の仕方
しかできない出川ガールズより、一瞬で他人の警戒心を解く才能を持つ哲っちゃんの方が、外国人とのコミュニケーション能力に優れていた、と言う驚くべき実験結果でした。
西村は、あの哲っちゃんと通じるものがあるように思います。