走れダイエットランナー!

ポンコツ夫とポンコツ嫁はん。ランニングで健康維持しつつ映画やテレビ見ながら言いあらそうブログです。

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篠山ABCマラソン。タイムオーバーの先で、僕が見た風景。

「関門閉鎖まであと1分でーす!!」

 

の声に思わず

 

「マジかっ??!!」

 

と叫びました。24.1kmの関門、ここを越えないと応援してくれているみんなに会えない。

 

さっき(18.2km)の関門も1分前に通過しました。そこからややピッチを上げて、サブ5を上回るペースで走って来たつもりなのに…。

 

関門がまだ見えてないのにあと1分って!!

 

たぶん、途中で寄ったエイド、最小限の時間で出たつもりでしたが、ボトルに水を入れるのに手間取ったのがいけなかったか…。

 

とにかく、あと1分と聞いて、猛ダッシュをかけました!!

 

そこの関門は閉鎖20秒前に通過しました。

 

「泉」と書かれた交差点の看板が見えました。あそこを曲がると、去年、友人夫婦と共に応援した場所に出ます。

 

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角を曲がると…。

 

いたぁ!!

 

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遠く神戸や大阪からわざわざ来てくれた応援団たち!!

 

関西には2本しかないはずのRUN友の幟が、なぜか3本も立っている…(^_^;)

 

数年前、アンディが1人で始めたこの場所での応援、去年はアンディのご主人と、僕とお方さまが加わり。

 

今年はおかべさん、有美さん、さらに奥野さんまで加わって、めっちゃ目立つ応援団になりました!!

 

600メートル手前の関門を20秒前に通過した僕は、おそらくほとんど最後尾のランナーだったはず。その僕を見つけた応援団は、

 

「麗子のヒロシ〜〜!!麗子のヒロシ〜〜!!」

 

と叫んでました!!

 

麗子というのはもちろん僕の妻で、今日は応援団にくるはずも、前日、突然の発熱で来れなくなっていました。

 

この掛け声に思わず僕は笑ってしまいました(^_^;)

 

そこで僕を待っていてくれた「爺ぃ」こと木上さんと合流。奈良マラソンで痛めた足首がまだ完治されていないようで。

 

爺ぃは心肺や足の筋肉などはぜんぜん問題ないようなのに、足首に力が入らない、ということで、2kmくらい併走の後、「ちょっと歩きますわ」ということで別れました。

 

次の関門はこの先の折り返し。ずっと、微妙な、いやぁな感じの登り。

 

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サブ5の目安のキロ6:40がなかなか出なくなって来ました…。

 

エイドは飛ばしました。あそこに寄るとまたなんやかんやで時間を食ってしまいます。

 

関門超えて折り返して…。

 

36キロにいる、さっきの応援団とまた合わないと。

 

でも…。

 

24キロでは猛ダッシュができた足が、なんか…。

 

グニャグニャになって来ました…。痛くて、力が入らない…。

 

30.6kmの関門は折り返し地点。ゆるやか坂の頂上です。

 

「関門閉鎖まであと5分!!」

 

遠くに、折り返している人の流れが見えます。

 

折り返して来たランナーが、

 

「まだ間に合う!!まだ間に合うよ!!」

 

とわれわれに声をかけてくれる。

 

チキショー、キッツイなあ…(^_^;)

 

登りはけっこう練習したのに…。

 

そしてついに、折り返しにたどり着き…。

 

その関門は2分前に通過しました。

 

そして…。

 

折れた心

 

そこで緊張の糸が切れてしまい…。

 

僕は、止まってしまいました。すると…。

 

自分の足がどれだけ痛いかが、はっきりとわかりました。

 

大腿部が腫れあがるような痛みでガクガクしている…。

 

その関門を越えたばかりのランナーはみんな、同様でした。

 

全員がそこで止まり…。

 

表情には、諦めの色が宿っていました。

 

その「諦めウイルス」は、あっという間に僕にも伝染しました。

 

もうダメだ…。

 

次の関門まであと6km。そこに友人たちがいます。

 

でも…。

 

この足で、あと6kmを、サブ5でなんか、走れるわけがない。

 

ヨチヨチと歩きながら、僕は前進しました。

 

少し走ってはみるものの…。

 

痛い、痛い。

 

さっきまでは走れていたのに…。

 

「ダメだ」と思ったら、急に走れなくなった。

 

これが30kmの壁か。

 

いろんな、自分に都合のいい理屈が頭をよぎります。

 

走っては歩き。走っては歩き…。

 

たぶん、キロ10分程度の進み。6キロ先にたどり着くには1時間かかります。

 

アンディの叱咤

 

友人たちを待たせるわけにはいかない。

 

僕はアンディにメッセージを送りました。

 

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するとすぐに彼女から返信がありました。

 

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1kmは進んだけど、あと5kmあるんだよ…。

 

この痛む足でキロ6で走れるわけがない。もう間に合わないんだよ…。

 

諦めないランナー

 

そう返信しようとした時…。

 

1人の女性ランナーが、脇に寄って、屈伸運動を始めました。

 

「痛てて!!痛てて!!」

 

と言いながら。そして彼女は走り出しました。

 

僕はなんとなく、彼女について行きました。

 

彼女の5メートルほど後方を。

 

その進みは遅く。

 

キロ8分も出ていません。

 

間に合うはずがない…。

 

しかし彼女は止まることなく、走り続けました。

 

間に合うと、本気で思ってるんだろうか…。

 

32.8km、しし汁エイドが見えて来ました。

 

篠山マラソン名物しし汁のエイド。24kmにもあったけど、関門がギリだったのですっ飛ばしたしし汁エイド。

 

次の関門はもう間に合わない。しし汁、ここでいただこうかな…。

 

でも…。

 

彼女は、そんなものには目もくれず走り続けています。

 

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次の関門まであと3.2km、時間はあと21分。

 

キロ8分30秒じゃ間に合わないんだよ。それでも行くのか?

 

 

僕は心の中で彼女に語りかけました。

 

もちろん答えなど返っては来ませんが…。

 

ほとんどのランナーが諦念と共に歩いている中、ひたむきに走り続けるその姿に…。

 

僕は、大きく心を動かされました。

 

みんなのもとへ

 

そうだ、みんなが待っている。

 

関門は間に合わないかもしれないが…。

 

待ってるみんなに、無様な姿を見せるわけにはいかない。

 

36kmまで頑張ろう!!

 

再び、心に火がつくのを感じました。

 

全員が歩く中、僕と彼女だけが走り続けています。

 

彼女との距離が近づいて来ました。

 

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「次の関門まで1.5km」の看板が見えた時、残り時間はあと3分でした。

 

チキショー!!チキショー!!

 

あの時、諦めなかったら…。

 

歯を食いしばって走り続けてたら…。

 

もしかしたら、間に合ってたかもしれない。

 

涙が溢れて来ました。

 

ずっと、これに向けて練習して来たのに…。

 

いつの間にか、僕は彼女を抜き去っていました。

 

全員が歩く中、僕は走り続けました。

 

友だちが待ってるんだよ、あそこまでたどり着かないと。

 

僕に駆け寄る人たち

 

沿道の応援者たちは、ただ1人、走っている僕に駆け寄って来て、

 

「そうや!!そうや!!走りに来てるんや、頑張って走れ!!」

 

と言って、飴ちゃんを僕の手に握らせました。

 

また別の応援者も僕に併走しながら、

 

「頑張って!!チョコレート食べて!!」

 

僕の口にチョコレートを放り込みました。

 

それにしても遠い…。

 

たった1.5kmが、こんなにも遠いのか…。

 

しばらくして時計を見ると…。

 

時間は、もう過ぎていました。

 

それでも、止まるわけには行きません。みんなのもとにたどり着くまで。

 

「関門は閉鎖されました。ランナーは歩道を通行してください」

 

警察車両がそう言いながら走って行きました。

 

僕もいったんは歩道に上がりましたが…。

 

全員が歩いています。人口密度が高い歩道を、走って進むことができません。

 

僕は再度、歩道をおりて走りました。

 

もう少しだけ、ここを走らせてよ。

 

友だちが、待ってるから。

 

僕はそう念じながら走りました。

 

関門が閉鎖され、正式にはマラソンロードではなくなってしまったその道を、走っている人はいなかったけど。

 

友だちに会おう、せっかく、来てくれた友だちと。

 

そこを、今年の僕のゴールにしよう。

 

だから道よ。

 

僕の足を痛めつける道よ。

 

もう少しだけ、ここを走らせておくれ。

 

友だちが、待ってるから。

 

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