1週間遅れのネタで申し訳ないんですが。
先週の「チコちゃんに叱られる!」、レギュラー放送化の第一回目の放送はどのネタも面白かったんですが。
その中でもいちばん面白かったのが、
今こそすべての日本国民に問います。
春になると桜前線の北上に伴い、
その場所その場所で
桜が同じタイミングで咲き出し、
満開になるのはなぜ?
岡村くんの答え
チコちゃんに迫られた岡村くんは絶句した挙句、
岡村:そら、もう…。あったかなったからや!
チコちゃん:ふんふん。
岡村:南から北へ、暖かなったら、一斉に咲くねん。そう言う遺伝子が組み込まれてるねん!
チコちゃん:遺伝子?!
岡村:うん!遺伝子!!
チコちゃん:ボーっと生きてんじゃねーよ!
とチコちゃんに叱られてしまいました。
驚愕の正解
確かに、そんなこと、考えたことありませんでした。チコちゃんが教えてくれた驚愕の正解は…。
桜が同じタイミングで咲くのは…。
一本の木から分身していった、
全部同じ木だから
と言う驚くべき答え。
ゲストの田中美佐子も思わず、
それはないんじゃないの?
といってしまうほど意外な話。
専門家の解説
森林総合研究所 多摩森林科学園
勝木俊雄さんによれば
日本で最も代表的な桜であるソメイヨシノは、
最初の一本からどんどんその分身をコピーのように増やしていって、
現在のように日本全国に広がった。
つまり日本全国のソメイヨシノは、
すべて同じ遺伝子を持つクローンなので
同じタイミングで咲いていく
と、チコちゃんの話を裏付けました。
ソメイヨシノ クローン化の理由
絶世の美女
ソメイヨシノの最初の一本は、たまたま雑種として生まれたのですが、それがあまりに美しかったため、なんとか増やしていきたい、と人々は願いました。
絶世の美女・ソメイヨシノの特徴
葉っぱより先に花だけが咲き、
他の桜よりも花が大きく
固まって咲く
こんな美しさを持った桜は他にありません。
偶然が生んだ奇跡
日本には10種類の野生の桜
ヤマザクラ、オオシマザクラ、エドヒガン、オオヤマザクラ、カスミザクラ、タカネザクラ、チョウジザクラ、マメザクラ、ミヤマザクラ、クマノザクラ
があって、これらの野生の桜が交配し、雑種の桜が生まれるのですが。
父・オオシマザクラと母・エドヒガンの間に生まれた子供たちの中に…。
奇跡的に一本だけ、絶世の美女といっていいソメイヨシノが誕生したのでした。
悲しい現実・「ソメイヨシノの子供はソメイヨシノにはならない」
桜の仲間には、
同じ遺伝子では交配できない
と言う特徴があります。そのため、
同じ木ではタネを作ることができないそうです。
そのため、
たまたま生まれた一本のソメイヨシノだけでは種を作れず、
ソメイヨシノと他の桜を交配させると、花びらの色、形、枚数さえ違う、全く別の桜ができてしまう
のだそうです。
クローンの作製
方法
①一年ほど育った別の桜の木の根元に切り込みを入れ
②その切り込みにソメイヨシノの小さな枝先(10cm程度)を差し込み、
③テープなどで固定(=接ぎ木)
つまり、根元だけは違う桜、接ぎ木部分から上はソメイヨシノ。こうすると下の遺伝子は入らず、接ぎ木部分から上はソメイヨシノとして育ちます。
こうしてちょっとずつ接ぎ木されていったソメイヨシノは全国に広まり、同じ遺伝子を持つことで満開になるタイミングも全く同じになる、と言うわけだそうです。
最初に生まれたソメイヨシノは?
勝木先生によれば、
ソメイヨシノは良い環境と管理があれば、死ぬことはありません
とのこと。
最古のソメイヨシノ
中井猛之進氏(元・小石川植物園園長)の論文には、
小石川植物園のソメイヨシノの老木は明治以前から植えられていた桜である
との記述があります
この記述にある老木は、小石川植物園の入り口付近にあるのだそうで。
樹齢200年を超える、と言う研究者もいるとのこと。
奇跡のファースト・ソメイヨシノは限りなくこの木なのでは?
と思わせるのですが、記述はなく確証はない、とのことです。
もしかしたら今も最初のソメイヨシノが、どこかで咲いているのではないかと思うと、ロマンを感じずに入られませんね。