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ポンコツ夫とポンコツ嫁はん。ランニングで健康維持しつつ映画やテレビ見ながら言いあらそうブログです。

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dele(ディーリー) #6 「汚れた世界と、穢れなき死体」"ツイン・ピークス"へのオマージュ。少女の自殺はいじめではなく。美しい死体に目を奪われながら、想像以上の深い闇にとらわれる一編。

冒頭、アップになる少女の死体は、明らかにデヴィッド・リンチ監督の伝説的テレビ番組「ツイン・ピークス」の、ローラ・パーマーの死体にそっくり。

 

 

美しき死体 

 

雪深い山奥で、冷凍保存されるかのごとく、腐敗もせず美しいままで死んでいた少女の死体。

 

半年後、少女の両親は、どうしても少女の自殺の理由を知りたく、坂上法律事務所に相談します。

 

この法律事務所は、山田孝之演じる圭司の姉・舞が経営する法律事務所。

 

舞はdele.LIFEの仕事がヒマな圭司と、菅田将暉演じる真柴佑太郎をこの件に巻き込み、死んだ少女のパソコンの中身から、学校でいじめがあった証拠をつかもうとします。

 

両親が舞に依頼してきた理由も、いじめがあったと確信しているからでした。

 

圭司は難色を示しますが、結局は引き受け。

 

彼女のパソコンのパスワードを解明する役目を引き受けます。

 

友人たちの、邪悪な影

 

真柴佑太郎は、死んだ少女のスマホに入っていた写真を頼りに、学校へ行き彼女の友人が出てくるのを待ちます。

 

佑太郎は、その友人たちに、邪悪な影を見ます。スマホ写真で純子と屈託のない笑顔を見せていたとは別人のような、邪悪な四人組。

 

彼は巧みに、その中の1人の女子中学生のスマホを持ち帰ります。

 

その少女のスマホからは…。

 

純子ではない別の少女をいじめている動画が。ブス、と罵り、学校の屋上から飛んで死ぬように促す動画。

 

圭司は学校のシステムに入り込み調べると、いじめられている少女は学校を休んでいることが判明。彼女の自宅へ急ぎます。

 

すると、マンションの屋上から身を乗り出し、自殺しようとする少女の姿が。

 

圭司と佑太郎の説得に応じ、彼女は自殺を取りやめましたが、佑太郎の腕で「ブスでごめんなさい」と何度も泣きながら謝る姿に、いじめの根深さを感じるのでした。

 

「私たちも知りたい」

 

佑太郎がスマホを盗んだ少女をdele.LIFEの事務所に呼び出します。

 

これって犯罪じゃないの?警察に言うわよ

 

じゃあこの動画を世界中に公開してやる

 

彼女は友達だった純子に何があったかを話します。

 

純子が付き合っていた恋人と別れたあと、自分が彼と付き合った。それから徐々に隙間ができた

 

恋人を取られてショックを受けた?

 

それは絶対にない。2人が別れた後に付き合った、奪ったわけではない。それに、純子は男を取られたぐらいで自殺するような子じゃない。

 

じゃあ純子さんが自殺した理由は?

 

わからない。私たちにも全くわからない。純子は姿も心も美しい子だった。彼女がいなくなり、私たちはバランスを失い、いじめを行うようになった。絶対に純子にいじめなんかしていない。

 

でも彼女が自殺する数日前、仲直りしようと思って話しかけると、「あなたたちが影で言ってること、全部知ってる」って言われた。氷のような目で。

 

もし純子が自殺した理由がわかったら、私たちにも教えて欲しい

 

 

少女のパソコンの中

 

佑太郎は、圭司の腕なら、14歳の少女のパソコンなどすぐ突破できることを見抜いていました。

 

俺たちが中を見て、バランスを取り戻そう

 

…。何がバランスだ、大げさなこと言いやがって

 

と言いつつ、圭司はやすやすと純子のパソコンを開けます。

 

そして、そこで目にしたものとは…。

 

少女の怒り

 

恋人が取られた腹立ちを、SNSにぶつける純子。

 

悪意ある書き込みをSNSに吐き出します。

 

巧みに操る人物

 

するとそこに、同調してくる人が。

 

「君の気持ち、よくわかるよ」

 

と彼女の心の中に入り込み。

 

2人はダイレクトメッセージをやりあう仲に。

 

tapir、「獏(バク)」を名乗るその男は、言葉巧みに純子の心の隙間に入り込み。

 

彼女の良き理解者、相談相手、と言うスタンスを保ちながら…。

 

純子の友人のメルアドを教えるよう切り出します。

 

「この世界の本当の汚さを見せてあげる」

 

と言って。

 

純子が両親や親友のメルアドを教えると…。

 

獏はそのメルアドにウイルス入りのメールを送信。

 

そこに入っていた情報を抜き出し、純子へと送りました。

 

汚い世界

 

そこには…。

 

親友たちがラインでやりとりしている会話。純子への悪口、などを始め…。

 

父親の浮気、母親と自分の担任との浮気写真、など…。

 

あらゆる「汚いもの」でいっぱいの情報が。

 

そしてついに彼女はクラス全員のメルアドを獏に提供。

 

クラス全員の汚いものを目にしてしまいます…。

 

汚いんじゃない、弱いだけなんだ、だから時々、間違ってしまう…

 

お前みたいなやつがいたら結末は違っていただろう。でも現実は…。

 

獏は、

 

君も大人になればこんな風に汚れてしまう

 

と14歳の少女に言い含め

 

彼女は

 

美しく綺麗なまま死にたい、

 

と決意。

 

凍死すれば綺麗なまま死ねる、と獏から教わった彼女は…。

 

幼い頃の思い出ある避暑地で、凍死することを選んだのでした。

 

獏との対決

 

このあと、圭司たちは獏の正体を突き止め。

 

獏のパソコンに犯罪の証拠を入れ込み逮捕させ、出所しても永久にお前を監視し続ける、と宣言する圭司。

 

佑太郎は、純子と同じようにマインドコントロール下にあった少年を助け出すことに成功するのでした。

 

趣向を変えた回

 

今回はやや趣向が変わっている回でした。

 

dele.LIFEの仕事は、自分が死んだあと、他人に見られたくないデータを消去する、という仕事。

 

本来は中など見ることなく、粛々と消去するのですが…。

 

死因や残されたものたちの思いなど、様々な理由からデータを開けざるを得ない状況になる、というのが本作の多いパターン。

 

しかしその場合、データは主に死者の過去の物語なので。

 

ストーリーがほとんど、死者の過去を探し、ノスタルジックな色を帯びる物語になりがちです。

 

今回はdele.LIFEの仕事ではなく、姉の舞から与えられた仕事なので、ノスタルジックな色合いは皆無。

 

デヴィッド・リンチの「ツイン・ピークス」そっくりな死体と、

 

人間の汚れた面を知ってしまった少女の自殺、という同じ理由での自殺など、ツイン・ピークスへのオマージュにあふれた作品でした。

 

オープニングの死体の美しさに目を奪われる本作は、9/7までTverで視聴可能です!!

 

tver.jp