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映画「クワイエット・プレイス」ネタバレあり!! 音=即死!! 会話、ほぼゼロ!!全シーンが緊張感!! アラもあるけどそれを補ってあまりある、極限の緊張感の90分全力ダッシュ!!コワい!!コワい!!

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大好きだけど、嫌いな人の理由も分かる

 

「クワイエット・プレイス」観てきました。

 

まず最初に誤解がないように申し上げておきますが、僕はこの作品は大好きです!!色んなホラー映画を見てきましたが、本作ほど息をのみ、次にくる恐怖にハラハラしてみた映画はない!と断言できます。

 

が、冷静に観ると、アラが目立つことも事実で。

 

そのアラを受け入れてでも面白い、と思うか、どうしてもそのアラが自分は気に入らない、と思うかにより評価が分かれると思います。

 

2つの映画

 

まず本作は大雑把に言うと、

 

「ドント・ブリーズ」「サイン」÷2

 

と言った感じの作品です。

 

ちょっとでも音を立てるとあの盲目のじいさんが飛んで来て殺される恐怖を描いた「ドント・ブリーズ」。

=音が立てられない究極の緊張感の中で繰り広げられる恐怖と

 

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地球に宇宙人が侵略、宇宙人と家の中で家族が戦う「サイン」

=孤立無援の家の中で、正体不明の化け物と対峙しなければならない恐怖。

 

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この究極状況が90分間、延々と続きます!

 

アラ、とは

 

無計画すぎる妊娠

 

まず誰もが思う部分は、

 

「この非常時に、妊娠するなよ!!」

 

でしょう。

 

末っ子のボーが化け物に殺されたのが「89日目」で、

 

出産したのが確か「479日目」だったと思うので。

 

お母さんが妊娠したのはボーが殺されたあと。

 

音を立てればあの化け物に殺されるって分かっていながら妊娠した訳で。

 

音を立てずに出産など出来る訳ないのに妊娠したって…。

 

無計画にもほどがある!!

 

分かりますよ、分かるけど…。

 

あの極限のストレスの中、ついついそういうことになってしまった、って事でしょうが…。

 

それならそれで避妊しないと!お父さん!

 

まあ、物資が不足してるから、避妊グッズもなかったのかもしれませんが。

 

とにかくあのお母さん、

 

「子供も守れなくて何が親よ」

 

とか言いますが、

 

「この期に及んで妊娠してるオメーにいわれたくねー!」

 

って観客はツッコミたかったと思います!

 

他の人々はどこに?

 

作品の中では、広大なトウモロコシ畑を持つ田舎の一軒家だけで物語が展開しますが。(この辺りも「サイン」を想起させます)

 

他の地球人はどこに行ったのか?

 

お父さんがSOSを打電しているシーンがありましたが。

 

都会は壊滅してしまったという事なんでしょうか?

 

人類を絶滅させられるチカラはないはず

 

あの化け物は、とてつもない聴覚で音の発生源に襲いかかる、という習性のようですが…。

 

都会には完全な防音設備もあるでしょうし…。

 

あの化け物の弱点を、物語の最後で長女が気づいていましたが、あのくらいの弱点ならすぐに誰かが気づくはずで。

 

世界を壊滅に追い込むほどのパワーは、あの化け物にはないはず。

 

だとすればどこに行ったんだー!他の人々は!!

 

アイデアの勝利

 

というアラはあるものの…。

 

本作はやはり面白い!!

 

アイデアの勝利、設定の妙!!

 

音を立てたら化け物に一瞬で殺される!!

 

全編、セリフがほぼ手話だけ、一歩一歩をつま先立ちで歩く俳優たちの演技にあふれる緊張はそのまま観客に伝染、観るものも緊張に包まれます!!

 

また、そのせいで、ほんの少しだけあるセリフのシーン、たとえば滝の裏側で父と息子が初めて大声を出すシーンでは…。

 

緊張が一気に緩和し、心の底から

 

「ホッ」

 

と一息つきます!!

 

それがあるせいで、このあとの恐怖がさらに増幅するのですが!!

 

常に現在進行形

 

どんなホラー作品でも、事態の説明シーンには化け物や殺人鬼はやってこないし、人間が通常のトーンで喋るシーンも必ずあるものですが、

 

本作にはそれがない!!

 

化け物が地球にやって来て89日目からスタートするので、すなわち音=即死という事態が常である状況からスタートするので、

 

最初から最後までずっと、音=即死!!

 

つまり最初から最後まで、ずっと同じテンションで恐怖の緊張感を持続させなければいけないという、これまでになかった究極の設定なのです!!

 

そのため観客は息がつけない!!

 

ずっと緊張しておかなければならない!!

 

説明シーン、過去の回想シーンなども皆無!!

 

常に現在進行形、音=即死の緊張感を維持!!

 

ここまで極限の設定はこれまでなかったと思います、まさに設定の妙!アイデアの勝利!!

 

そのため、前述した本作のアラの部分を補ってあまりある面白さとなっています!!

 

俳優陣

 

主役の母役・エミリー・ブラントは素晴らしいですね!

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どんな役でもこなす、まさに名女優。

 

「ガール・オン・ザ・トレイン」における、誰からも嫌われているアル中女役の情けなかったこと。

 

 

そのため殺人事件の真相に近づくのに、誰からも信用されないという役に、見事に命を吹き込んでいました。

 

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とおもえば「ボーダーライン」でマッチョマン顔負けの捜査官を演じたり、

 

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「オール・ユー・ニード・イズ・キル」でトムクルーズと一緒に無限に生き返りながら宇宙人と戦う女戦士役をやったり。

 

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硬軟おりまぜどんな役でもこなす彼女。もう大ファンです!!本作も彼女が主演だから観に行った部分が大きい。

 

本作のエミリーの役どころ 

 

本作での彼女は、どこにでもいる母親役。

 

最後こそ銃をとりますが、前述の通りこの非常時に妊娠してしまったり、父に反抗する長女をうまくコントロールできなかったり、

 

破水しながら声も出せず、必死に階段を下りていたら、裸足で五寸釘を踏みつけたり(このシーン!!怖かったこと!!思わずこっちが声を出しそうになりました!!)

 

彼女が画面に出ているとやはり華がありカリスマ性を感じながら、緊張感あふれる演技で釘付けになります!!

 

長女役の少女

 

また、父と折り合いが悪い長女を演じたミリセント・シモンズが憎たらしくていい。

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なぜ長女?思春期で父と折り合いが悪いって、たいてい男の子のはずなのに、なぜ長女という設定?と思ったのですが。

 

長女は聴覚障害がある設定。

 

これが化け物の弱点を知る伏線でもある訳ですが。

 

おそらくはあの一家が生き残った理由でもあったはずです。手話で意思疎通をすることが日常だった、という点で。

 

で、彼女は実際に聴覚に障害がある、とのこと。

 

ですのでそのあたりの演技は迫真のものがあり、子役ながら作品に大きな影響を及ぼしていました!

 

監督&主演

 

父親役のジョン・クラシンスキー、この人は監督と脚本も兼ねているらしいのですが、この人が役者としてはいちばん印象が薄かった(-∀-`; )

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というか、エミリー・ブラントの印象が強過ぎますね。

 

設定の妙により生み出された、最初から最後まで緊張が切れないという状況はまさに初めての経験でした。

 

頭の先からしっぽの先まで、「恐怖」というアンコが入った鯛焼きみたいなものです。

 

ホラー好きにはぜひおすすめです!!