サンチャゴ巡礼道
もう10年以上も前になりますが、お方さまと万博記念公園内にある国立民族学博物館に行った時…。
お方さまはこの種のアカデミックな催し会場は大好きなのですが、僕はそれほど好きではなく。
その日も付き合いで行ったのですが。
その日の展示物は、スペインのサンチャゴ巡礼道。
あるヨーロッパの人が、サンチャゴ巡礼道を延々と歩き続けられた記録を、写真と共に振り返るという展示物でした。
サンチャゴ巡礼道とは…。
サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路(サンティアゴ・デ・コンポステーラのじゅんれいろ)は、キリスト教の聖地であるスペイン、ガリシア州のサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路。おもにフランス各地からピレネー山脈を経由しスペイン北部を通る道を指す。
(ウィキペディアより)
熊野古道と同じく、この巡礼道も一つではなく、
サンティアゴ巡礼路 (出展:http://whc.unesco.org/en/list)
By Oula Lehtinen - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Linkサント・ドミンゴ・デ・ラ・カルサーダへ向かう道
興味津々
僕はこの、道をずっと歩いて、途中でスタンプを押して、宿に泊まって、また歩いて、という巡礼の旅の記録を…。
食い入るように見ていた、とお方さまは言います。
僕自身、まったく興味がなく入ったこの展示場で、ものすごく興奮したことを覚えています。
多分、まだランニングを始めていなかった頃だと思うのですが。
僕はずっと前から、延々と続く道を歩いたり走ったりすることへの憧れというか、興味があったのではないか、と思います。
熊野古道でサンチャゴ巡礼道との再会
さて、今回の和歌山旅行で我々は再び熊野古道を歩きました。
歩いた道は、発心門王子から熊野本宮大社までの約7kmの道。
発心門王子までは、本宮大社からバスに乗るというパターンです。
荘厳な趣のある熊野本宮大社のバス乗り場
いつもは5時間ほどかけて往復するこの道を、今回は片道だけにして見ました。
そのぶん、ゆっくり歩いて、本宮大社にたどり着いた後も、周囲をゆっくり見学しました。
熊野本宮館
熊野本宮館、という資料館にも入ったことがなかったので、今回、お邪魔しました。
そこはとても立派な資料館で、北棟と南棟に分かれています。
そこで僕たちは、あのサンチャゴ巡礼路と意外な形で再会します。
道の世界遺産
実はサンチャゴ巡礼道と熊野古道は、世界で2つしかない「道の世界遺産」だそうです。
そのため、熊野古道のある田辺市とサンチャゴ巡礼道のあるスペイン・ガリシア州のサンティアゴ・デ・コンポステーラ市は観光交流協定を締結していて。
共通巡礼手帳、というものを作成しているそうです。
熊野本宮館で入手した共通巡礼手帳(無料)
二つの道の巡礼者
両方の道を歩くと、「二つの道の巡礼者」として、熊野古道のシンボルである八咫烏(ヤタガラス)とサンチャゴ巡礼道のシンボルであるホタテ貝のスタンプを押してもらい、
また、その2つをかたどったピンバッチももらえるとのこと。
熊野本宮館で見せていただいたピンバッチ。
条件
何を持って歩いたか、というと
熊野古道
下記のうち、いずれか1つをクリアすること
●徒歩で滝尻王子から熊野本宮大社(38km)まで巡礼する
●徒歩で熊野那智大社から熊野本宮大社(30km)間を巡礼する
●徒歩で高野山から熊野本宮大社(70km)まで巡礼する
●徒歩で発心門王子から熊野本宮大社(7km)まで巡礼するとともに、熊野速玉大社と熊野那智大社に参詣する
サンチャゴ巡礼道
下記のうち、いずれか1つをクリアすること
●徒歩または馬で少なくとも最後の100km以上を巡礼する
●自転車で少なくとも最後の200km以上を巡礼する
不可能ではない
熊野古道ルートは、1日では無理ですが、2日に分ければ可能なルート。
もし、しっかりとしたトレイルランナーなら1日あれば十分です。
サンチャゴ巡礼道は見当もつきませんが、徒歩で100kmの道なら、ウルトラマラソンでは「中距離」と言われる距離。ウルトラランナーなら、14時間あれば走破できる距離。
もちろん、途中でスタンプを押したり、食事したりするので、14時間では無理でしょうが。
なんか、ものすごくロマンを感じます。
これって、ちょっとやってみたい気がするな…。