NHKのドラマ10(金曜日夜10時)という枠の「トクサツガガガ」というドラマがムチャクチャおもしろいです!!
見るつもりはなかった第1話
実は第1話、特に見る予定にはしていなかったんですが、たまたまチャンネルが合っていて…。
見るとはなく見ていたら、グイグイ引き込まれて!!
慌てて、再放送予定を調べて、
本放送翌週の水曜日午前1:30(火曜深夜)
の情報を得て、ちゃんと録画して見直したほど、この世界観に魅了されました!
元々は原作漫画があるみたいです!読んでみたい!!
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物語の大枠
主人公・仲村叶(なかむら・かの)は商社勤めの真面目で優秀な女子社員と思われていますが、
実は特撮オタク。
ここでいう特撮とは、小学生向けのヒーローもの。仮面ライダーやゴレンジャーのイメージです。
家に帰ると彼女は会社での優等生ぶりをかなぐり捨て、ジャージ姿で特撮ヒーロー物を何度も何度も見返し徹夜する、といったオタクぶり。
この設定を背景に、この番組の最大のオモシロ部分は…。
現実世界に、彼女の好きな特撮シーンが入り込んでくること。
あくまで特オタな彼女の妄想の世界ではあるのですが…。
第1話
空想と現実は同じ
例えば第1話「トクサツジョシ」の巻において。
彼女が今、いちばん好きな番組「ジュウショウワン」のヒーロー「シシレオー」が、
自分が苦しいからといって、弱い人を見捨てていい理由にはならない!
と叫ぶシーンに痺れた翌朝…。
徹夜で疲れた彼女が、やっと座れた電車の席の前を、老夫婦がやってきた時…。
寝たふりをしてやり過ごそう、とした彼女の前に
シシレオーが現れます!電車の中に!!
もちろんそれは彼女の妄想なのですが、彼女以外には見えない妄想のシシレオーを、現実世界の電車の中に出現させ、ヒーローポーズで
自分が苦しいからといって、弱い人を見捨てていい理由にはならない!
と彼女に叫ぶシーンで、まずこの物語の世界観にしてやられました!!
正体を隠す
そして、彼女は特オタであることを隠して暮らさなければなりません。そんなことがバレたら、一瞬で「イタい人」のレッテルを貼られ、自分の愛する特撮をバカにされ、傷つき悲しい思いをするからです。
この、「正体を隠して暮らす」という部分も、正義のヒーローが正体を隠して暮らす、という設定と重なっています。
彼女が迎えた最大のピンチ。カラオケ大会。
彼女は特撮番組のテーマしか知りません。
サカナクション、と言われて
サカナクション?何かの怪人?
と心の中で問い、「怪人サカナクション」のイメージが出たのには笑いました。
さっきまでカラオケ店内でおいつ得られていた彼女は、気づけば特撮ものの対決シーンでおなじみの採掘場のようなところで、数名の全身タイツの戦闘員に追い詰められ。
カラオケ怪人に追い詰められます。
自分の趣味ばかりで一般的なものをたしなまなかったツケだ!どうしようもないクソオタなのを隠してきた罰だ!!
と彼女を追い詰めるカラオケ怪人。
たくさんの同僚たちが、彼女が何を歌うか、全員の視線が彼女に向けられる中…。
絶対絶命の彼女の前に現れたのは…。
彼女が子供の頃に見ていたヒーロー「エマージェイソン」。
おのれの生活を守るため正体を隠すのは、悪ではない。
エマージェイソンのこの言葉に勇気を得た彼女は、ある特殊な方法でこの絶体絶命のピンチを見事に回避します!!
第2話
昨日放送された第2話「トライガーノキミ」
第1話で彼女は、通勤電車の中で彼女の好きな「ジュウオウワン」の中の、青色のヒーロー「トライガー」のスイングトイ(カプセルトイの一種で、カバンにつけたりする小さなおもちゃ)をつけている女性を発見。
彼女のことを勝手に「トライガーのキミ」と名付けていたのでした。
彼女に自分も仲間であることを知らせるため、同じカプセルトイでシシレオーをゲットしようと奔走し、強面の駄菓子屋の親父「任侠さん」や謎の小学生「ダミアン」と出会っていきます。
この辺りも、出会った人々がやがて力強い仲間になっていく伏線と思われ。
まるでロールプレイングゲームをリアルに行なっているような演出です。
こうして第1話のラストで彼女は無事、トライガーのキミにシシレオーのスイングトイを見せて、自分も仲間であることをアピールすることに成功。
言葉を交わさず、ただお互いがうなずくだけ、というラストで終わります。
ヒーローショーでの再会
それを受けての第2話。よく大型商業施設で行われているヒーローショーに、初めて主人公が行きます。
この時も、「子供づれの親しかいない状況で、成人女性がいかにしてヒーローショーを見るためのテクニック」として、
仕事の休憩中、何をやっているか暇つぶしにのぞいているだけの人
を演出するためのコーデを紹介する女性誌のような画面構成が笑わせてくれました!!
スマホいじりで興味のなさ演出 今どき女子のここぞのスマホ術
といった女性誌風カットを何ページ分も作って雰囲気を盛り上げて笑わせます!!
2人のギクシャク
そこで彼女はトライガーのキミと運命の再会。
2人でヒーローショーを見ることになります。
再会を喜び、同じ趣味の大人を見つけられたことを素直に喜ぶ仲村叶と。
実は
「これを最後のヒーローショーにしよう」
と心に決めてここにやってきた、トライガーのキミこと吉田さん。
2人の心の声のギクシャク具合が気になります。
「さようなら、特撮」
と決心するトライガーのキミと、
「はじめまして、ヒーローショー」
と心を新たにする叶と。
敵に襲われ、敗色濃厚のヒーロー、エマージェイソンとシシレオー。司会のお姉さんの、
「みんなで応援して!」
の声に、ためらいながらも子供達と一緒に
「頑張れー」
と声に出す叶。
その声が届き、形勢を逆転させると、子供のように目を輝かせる叶。
吉田さんの爆発
それを吉田さんは大人の目で見守っていますが。
叶がスマホで写真を撮ろうとすると…。
吉田さんはカバンから巨大な望遠レンズのついたカメラで本格的に写真を取り出し。
ヒーローショーマニアの年季の入り方の違いを見せつけます!!
僕のクレーム
ただこのヒーローショーの演出で、僕はちょっと文句がありました。
ヒーローたちを追い詰める敵のボスキャラ、ピンクの全身タイツに金髪のような獣の皮をかぶったボスキャラの、正面の顔が一度も映らなかった点です。
あのボスキャラ、どんな顔をしてたのか見てみたかった〜。
トライガーの複雑なキャラ設定
ヒーローショー観劇の後、喫茶店でお茶をする仲村叶と吉田さん。
吉田さんが熱く語る、トライガーの魅力。
トライガーの旧友が敵に寝返って、味方を売る話。現在の相棒であるシシレオーと、敵となったかつての相棒との間で揺れ動くトライガーが、任侠映画のように不器用で!!
なかなか奥が深そうな、シシレオーとトライガーの関係性が垣間見えます。
そこに現れる、仲村の同僚のチャラ男。
そこでチャラ男は、吉田さんのヒーローショーの写真を発見してしまいます。
下手に口を出すと、チャラ男に自分の特オタまでバレかねない、と口をつぐむ叶…。
しかし、そこでトライガーが現れます!もちろん、叶の妄想の中で、ですが。
仲間だろうが友人だろうが、オレは裏切りは許さん!!
吉田さんを見捨てようとした自分の行為を反省し、
叶はこの危機を回避すべく、チャラをに向かって決然と放った言葉とは?!
人生で必要なことは特撮が教えてくれる
今回も、彼女は人生で必要なことを、妄想に現れた特撮キャラに教わり、人としての成長を見せます。
主役の仲村叶を演じる小芝風花は、この妄想と現実をめまぐるしく行き来するヒロインを、とても楽しそうに演じていて、みていてとても爽やかです。
トライガーのキミを演じる倉科カナ、叶より10歳も年上で特オタであることに引け目を感じ、彼女ほどの天真爛漫さは見せられないけど、叶によって自分の好きなものを追いかけるのに性別も年齢も関係ない、ということを教えられる役に、静かに、しかし熱く演じていて面白い。
演出も、驚愕するシーンではとつぜん劇画漫画っぽい画面になったり。前述のように女性誌のような画面いなったり。
特撮オタクの現実と妄想が入り混じっての成長物語、という極めて喜劇色の濃い物語に、見事にマッチした演出が見事です!!
とにかく笑える45分!!
トクサツガガガの第2話は、2/30の午前1時半からあります!
また、有料ですがNHKオンデマンドで視聴可能です!!