#3「ツイカセンシ」
主人公・仲村叶とその仲間・吉田さんが今いちばんハマっている特撮もの「ジュウショウワン」
1年間も続くシリーズの中で、中だるみを防ぐため、シリーズの途中から参戦してくるNEWメンバー、「追加戦士」。
ジュウショウワンにもその追加戦士「セロトル」がついに今週、初登場!!
そのことでテンションが上がった仲村さんと吉田さんは、ファミレスで意見交換。
登場したばかりのセロトルが早くも次のヒーローショーに登場するので見に行くことに。
イケメン俳優好きを引き込め!!
さらに吉田さんから、自分たち以外の特オタの「追加戦士」を作る提案をされます。
ターゲットは…。
イケメン俳優が好きな同僚のユキちゃん。
イケメン俳優・泰風(たいふう)クンのデビュー作は、実はストレンジャーV(ファイブ、と読む)の青色の戦士。
吉田さん:好きな俳優の話から、デビュー作の話に移行すれば自然な流れでストレンジャーVに持っていけますよね…。
それで、「友達の子供が好きで」と言って…。渡せばいいんです…。
まるで麻薬の取引時のような悪い口調で、そっとストレンジャーVのDVDを1枚差し出す吉田さん。
ユキちゃん包囲網
仲村さんの妄想の中で、悪の女リーダーになった吉田さんが、真っ赤な髪をロングにして、ネコのような耳を生やし、黒の革のロングコートを着ているシーンは笑いました。
特撮シリーズは1年50話が普通。その50話分のDVDを一度に貸しても長すぎて見てもらえない可能性が高い。少しずつ貸すのがミソ
こうしてユキちゃんを陥落させるため徐々に包囲網を狭めて行くも…。
肝心のユキちゃんは特撮パートには全く関心を示さず。
会社の飲み会で、ユキちゃんが仲村さんにDVDを借りた、という話になって、彼女の隠れオタがバレそうになった時…。
恐怖の北代さん
仲村さんはとっさに、その場にいた北代(きたしろ)さんに話を振ります。
仲村さん:北代さんの趣味ってなんですか?
北代さんは、お局オーラを放ち、他人と距離を取り、常に何かに怒っているような風貌の古参社員。
北代さん:趣味は、特にないです。
いるじゃないですか。50も過ぎたようなサラリーマンが電車の中でゲームしたり、漫画雑誌広げてたり。
女の子もいますよね。いい歳してお姫様みたいな部屋とかぬいぐるみだらけとか。
あと、ごちゃごちゃしたおもちゃみたいなのを集めてるとか。
ああいう痛々しいのを見てると趣味なんてなくてもいいかな、と思います
そもそも、興味もないのにその場のつなぎで他人の趣味を聞くのってどうなんですかね?
北代さんのこの言葉で、楽しかった飲み会の空気が凍りつきます。
ヒーローショー
このショックを引きずりながらも、吉田さんとセロトルの登場するヒーローショーを見に行く仲村さん。
ここでも、妙にリアルな描写が笑わせます。
ショーに登場したセロトルに、どうも違和感を感じる仲村さん。
それに対する吉田さんの答え。
吉田さん:ショーのスタッフが、本編がまだどうなるか決まってない段階で準備しなくちゃいけないから。
テレビの登場のタイミングと合わせると、だいたいこんな感じなんですよ
テレビでは先週登場したばかりのセロトル。
そのショー用スーツを作り始めなければならないのは、もうずっと前のはず。
セロトルのデザインが最終決定されていない段階から作り始めないと、セロトル初登場の翌週のショーには間に合わない。
だから、実際に放送されたセロトルと、ショーに出てきたセロトルは、似て非なる状態。
そんな細かい描写で番組は笑わせます。
吉田さんはそんな状態に慣れているのか、ニヤニヤ笑いながらも望遠カメラのシャッターをバシャバシャ切り。
仲村さんはショックが隠しきれません。
握手会の悲劇
ショーが終わり。
そんなテレビと明らかに違うセロトルショーに、子供達もドン引き気味。
ショー終わりのセロトルとの握手会にも、あまり人が行きません。
仲村さんも、あのセロトルとなら写真は撮らなくてもいいかな、と思っていると…。
吉田さん:今のヒーローには、今しか会えないんですよ。
今はテレビでもやってるし、毎週どこかでショーもやってますけど。
来年の2月で最終回を迎えたら、いつでも会えたことが、本当に夢のような時間だったんだなあ、って思うんです。
仲村さんは吉田さんのこの言葉に翻意し。
セロトルと握手し、吉田さんに写真を撮ってもらうことに。
ところが…。その現場を…。
よりによって、通りがかった北代さんに見られてしまいます!!
北代さんに殺される
追いかけて北代さんに声をかけ、お茶に誘うも…。
誤解は解けず。
北代さん:ああいうのにいい歳してはしゃいでて、見苦しいとか考えたことないの?
仲村さん:は…。はい…。
北代さん:だよね。見苦しいよね。
仲村さん:でも…。好きなものに歳とか性別とか関係ないと思います!
北代さん:それはあなたがそう考えてるだけで。周りはそう思ってないよ。
仲村さん:(そんなのわかってる。北代さんに言われる前から、お母ちゃんにずっと言われてきた…)
そうだとして、それが北代さんにどう迷惑がかかるのかがわかりません。
北代さん:こうして話しかけられること。そばに来られること自体が迷惑で目障りなのよ!!
という強烈な一言を残し、北代さんは去ってしまいます。
回想シーンでのお母ちゃんが敵キャラのゲンカ将軍になり、目の前の北代さんもゲンカ将軍になり。
彼女を完膚なきまでに叩き潰します。
北代さんの秘密
その後、北代さんが座ってた席に着いた吉田さんが、北代さんが忘れていった定期入れを見つけ。
そこに貼ってあった、蜂の絵柄のシールに反応します。
数字の「8」の字を左右の羽に模して描かれているそのシール。
実は「Bee Boys」という若手タレントたちのユニット。
ジャニーズ風の若い男の子たちが歌い、女性ファンが光る棒を持って応援する系のやつ。
つまりこれは…。
仲村さん:ドルオタ(アイドルオタクの略称)のイクトゥス(ファン同士だけが気づくことができる隠れシンボル)!!
ってか北代さん、むしろこちら側の人じゃないですか?!
北代さんの誤解
なぜその北代さんが、自分をあれほどまでに忌み嫌うのか?!
この問いに、吉田さんが意外な説を唱えます。
吉田さん:仲村さんのこと…。オープンオタ(オタクであることを周囲に公表しているオタク。またはその状態。対義語:隠れオタ)と勘違いしてるんじゃ…?
第1話、カラオケ店にて歌う歌がない彼女が、「子供時代に共有した特撮ヒーローの歌を歌ってしのぐ」という隠れオタのノウハウ。
そのことがチャラ男の口から北代さんに伝わっていたことを知るに及び、
北代さんは仲村さんのことをオープンオタだと勘違いしていると確信するに至りました!
オープンオタから、
北代さんの趣味って何ですか?
北代さん、今日は何を買いに来たんですか?
などとズケズケ聞かれたら、隠れオタならその人間を忌み嫌って当然!!
真の追加戦士
苦手な北代さんに定期入れを返す。再度、北代さんと合間見えなければならない。
苦手なものに立ち向かう姿を、少年ダミアンが嫌いな塾に行く姿に勇気づけられ。
仲村さんは、北代さんの元へと。
仲村さん:(北代さんは、敵じゃない!北代さんこそが、追加戦士なんだ!)
普通、この展開なら、2人の間の誤解は解け。
わかり合うハッピーエンドとなる予定調和。
解けない誤解
しかし…。
仲村さん:違うんです!
北代さん:違うって何がっ?!
仲村さん:私も同じなんです、同じって言うか、仲間っていうか…
北代さん:ハァッ?!あなたが仲間?…。放っておいてよ!!
分かり合える、と思ったはずの仲間からの、まさかの拒絶!!
物語はこの部分を、セロトルと握手ができると思って近づいたシシレオーが、逆にセロトルから攻撃を受け、立ち去られてしまうシーンと被せ。
ただのオタク喜劇に終わらない
いつもいつもハッピーエンドで終わるわけではない「現実の厳しさ」を視聴者に提示し、
その現実を、
追加戦士がすぐに主人公たちに迎合するわけじゃない、子供向け特撮番組の描写と被せ。
子供向け特撮番組の奥の深さも合わせてアピールしています。
物語はここで終わって。
来週へとつながります。
子供時代の高揚感の真意を知る
現実と妄想を巧みにつなぎ合わせつつ、
人間関係をはじめ、現実の厳しさや、誤解、相互理解の難しさなどを表現しながら、
同時に子供向け特撮番組の世界観の広がりを見るものに提示して、
かつて子供の頃見たあの番組で感じた高揚感の本当の意味が、
大人になった今、やっとわかってきたように思い知らされます。
わかり合うことができず、北代さんが歩き去るラストシーン。
素晴らしいラストシーンでした。
「ガガガガガガガ」by金爆
金爆のテーマ曲「ガガガガガガガ」が、ストーリーの世界観にぴったりとマッチして、嫌が応にも物語を盛り上げてくれます!!
どうなる#4?!
明日1〜3話、再放送!!
くどいようですが、明日日曜日15時57分から、1〜3話の再放送があります!!