水都翌日、飛行機へ飛び乗れ!!
4月22日、つまり水都大阪ウルトラで大いに盛り上がった次の日。
僕たち夫婦はクタクタなカラダにムチ打ち、8時25分に関西国際空港を出る飛行機に飛び乗りました。
行き先は、新千歳。
ジェットスターの男性CAは、乳首ドリルでおなじみ新喜劇の吉田裕がちょっと長身になった感じで親しみやすい。
新千歳空港内で受け渡しができる段取りで申し込んだレンタルのWi-Fiを受け取り。
エコカー最安値はバジェットレンタカー。申し込んだ車種はフィット。
新千歳から高速に乗る前にお昼を食べようと、やっと見つけたお蕎麦屋さん。
つけとろろそば。香り、のどごし、やはり大阪のそばとは力強さがまるで違う美味しさでした。
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高速に乗り、一路…。
湧別町へ。
目指すは、サロマ湖100kmウルトラマラソンスタート地点。
のすぐそばにある「宿泊施設しらかば」さん。
2015年のサロマ湖100kmに参加したとき、スタート地点の目の前にあるこのお宿に、いちど泊まってみたいと思っていたのでした。
2食付きでも8,000円もしないお宿。
オフシーズンとあって、宿泊客は僕たちの他は、あとおじさんが1人と、若い男性客が2名。
若い2人は、ホタテ漁師見習いだそうで、連泊されているとのこと。
部屋は豪華ホテル並みとは言わないけれど。
お食事は、とても豪華!!
旅の理由
2016年9月13日に、僕は初めて心臓の手術を行いました。
心房細動と激しい運動の間に因果関係はない。だから、治ればまたマラソンができる。
先生からそう言われ、生まれて初めて心臓に管を入れ、内部から悪い部分を焼き切る手術を行いました。
そして2年半。ひたすら復活を信じていましたが…。
昨年12月、大阪マラソンの道の上で、突然の再発。
主治医の先生も、
術後1年以内に再発がなければ、普通はもう再発はないのに…。
と不思議がられました。
現代医学で心房細動とマラソンの間の因果関係はない。けど…。
池田さんの場合は、合わないのかもしれないなあ。池田さんの生きがいを奪うようなことは言いたくないけど、もう長い距離を走るのはおすすめできないなあ。
先生のこの言葉は正直、ショックでした。
ずっと、一生懸命に練習してきたけど、もう長い距離を走ることはできないんだ…。
何人かのランナー友達が、僕にいろいろなアドバイスをくれました。
その中には、不整脈がありながらも走っているランナーさんもいらっしゃいました。
やりたいことをやらなくて、何の人生だろう。
そんな考えも頭をよぎりましたが…。
それでも、僕は結婚したとき、これからの人生を妻と一緒に生きていこうと決め。
その妻から
もう長い距離のランニングはやめてほしい
と言われたら、続けるという選択肢はありません。妻の意思は僕の意思です。僕たちはそういう風に生きていこうと決めたんです。
もちろん、健康のため5km程度のゆっくりランは、しばらくしたら再開するでしょう。
でももうフルマラソンや、ウルトラマラソンは走れない。
サロマへの思い
2015年、2016年と連続してDNFだったサロマ。
2015年、この少し先の関門に届きませんでした
2016年は冷たい雨のサロマでした。
次は必ず完走する、と何度も自分に誓ったサロマ湖100kmウルトラマラソンを完走することは叶わなくなりました。
キムアネップ岬も、
“魔女の森”も、
斉藤商店さんの私設エイドも、
そして何より行きたかったワッカも、
もう行くことはできなくなりました。
あの日の悔恨
2016年のDNF。まだ自分の心臓が悪いことを知らなかったとき。
レンタカーで僕を拾ってくれたお方さまが言いました。
せめて、ワッカでも見にいこうか?
でも僕は強がって言いました。
いいや。ワッカは、この足でたどり着いたときに見る!!
あの時、本当は「見に行きたい!!」と喉元まで出かかっていました。せっかく高いお金と時間を使ってサロマまで来て、ワッカも見ないで帰るなんて。
でも絶対に、来年は完走する!!その思いを強くするため、あえて見には行きませんでした。
でももう、この足でたどり着くことはないのか…。
2度目の手術を無事に終えた最初の夜。病院のベッドでそう思うと、僕はとても悲しくなりました。
サロマへ行こう
次の日、お見舞いに来てくれたお方さまに僕は言いました。
退院したらサロマに行こ。
どうして?
サロマを走る小説が書きたい。でもオレは、サロマの後半を走っていないから見たことがない。そして何より、ワッカが見たい。
ワッカにはまだ花は咲いてないかもしれへんで?
それでもいい。手術と退院のお祝いと、サロマ取材を兼ねてサロマに行こう!!
水都は必須
お方さまはサービス業。連休の予定がなかなか決まらず…。
何と、4月21日から6日間の連休となりました。
4月21日は水都大阪ウルトラマラソン。
水都の応援を終え、次の日の飛行機で北海道へ行くという強行軍になりますが、水都応援は必須事項です。
天才プランナー・お方さま
サロマのスタート地点への最も合理的な移動方法は何だろう…。
お方さまが導き出した最適な方法、それはクルマ移動。
鉄道や女満別への飛行機移動よりも費用も安く、短い時間でたどり着けるはず。
料金 | 所要時間 | 備考 | ||||
鉄道 | ルート | 1名片道 | 往復2名計 | |||
新千歳〜遠軽 | 8,240 | 32,960 | 4時間半 | 遠軽駅よりレンタカー代が追加 | ||
レンタカー | ルート | レンタカー代 | 高速料金+給油代 | 計 | ||
新千歳〜現地 | 16,856 | 13,000 | 29,856 | 3時間半 | 現地まで直接行ける。レンタカー代の追加なし | |
飛行機 | ルート | 1名片道 | 往復2名計 | |||
新千歳〜女満別 | 20,000 | 80,000 | 45分 | 女満別からレンタカー代が追加 |
2人で交代して運転すれば、レンタカーがベストという答えにたどり着きました!!
この目で見たい。サロマの道の、向こう側を。
こうして、この旅はスタートしました。
いわばこの旅は、僕がずっと見ていた夢に対して、決着をつける旅です。
僕も、お方さまも、ついぞ見ることのできなかった、サロマの道の向こうは…。
果たして、どんな景色が広がっているのでしょうか。
サロマを完走したランナーたちは、何を見て、何を思いながらゴールしたのでしょうか。
僕の頭の中でサロマを走る女性は、青野毬子と言います。
青野は、サロマ湖の美しい青色の、
毬子は、北海道の湖で見た毬藻の、それぞれメタファーです。
彼女はサロマを走りながら何を見るんでしょうか。どう感じながらあの道を走るのでしょうか。
その答えを知りたくて始まった今回の旅。
道連れにされるお方さまにとっては、いい迷惑かもしれませんが(^_^;)
部屋に戻ると、昨日の大暴れした水都応援と、今日の早朝からの移動、運転と…。
疲れがどっと押し寄せてきて。
早々に、眠りにつきました…。
(2日目に続く)