僕は「言葉」というものがとても好きです。
あまり日常会話には使用しない言葉をあえて使用して、
日常会話をより楽しいものとすることが好き。
例えば
「あたかも」
「よしんば」
「なかんずく」
などを会話に織り交ぜて使うと、聞く側は
「なかんずくって(笑)」
必ずそこで引っかかります。会話の流れそのものは止まりますが、印象深い会話となり、その角度からの面白さを狙っています。
逆の例。
逆に嫌いな会話が…。
「ありきたりな言い回し」をする会話。
その最も顕著な例の一つが、
「こんな〇〇を知っちゃうと、もう他の〇〇に戻れない」
というアレ。
あの言葉、嫌いです。
完全に、あのテンプレがありきで。
「ここの餃子、食べてしまうと、もう他の餃子は食べられない!!」
とか平気でいう人いますが。
絶対ウソですよね!!絶対、他の餃子もこれから食べますよね!!
要は目の前のものを褒めたい、目の前のコレが最高だ、と伝えたいのですが、
テンプレに頼ってる時点でもう心がこもってなくて。
適当なその態度が嫌いです。
お方さまの逆襲
ところが。
先日、お方さまが、この私の「嫌い」を覆す言い方をしたのでご紹介します。
それは2人で動物園に行った時のこと。
猿の檻の前で、猿たちを観ていました。
その檻の猿たちはとても元気で。
声を上げて檻の中を飛び回っていました。
お方さまはしばらく無言で、その猿たちをじっと眺めています。
猿の檻は臭いので私は早く立ち去りたいのですが。
お方さまは何か、その猿たちがツボったと見え。
猿の前から動きません。
10分くらい、猿たちを観ていたでしょうか。
お方さまは最後に、
こうつぶやいたのでした。
「こんな猿、見たら…。もう他の猿、見られへんな…」
…。
他の猿、て…。