(これは「第2部」です。先に第1部をお読みください)
大会終了後2日経過した現在、ランネットの「大会レポ」の大阪マラソンの採点は、42.5点。
50点満点中、ではない。
100点満点中、42.5点しかないのだ。
悪い印象は、走っていない我々にも、ヒシヒシと伝わってきました。
第1部でも少し触れた「給食パニック」ですが、
それがどのように発生していったかを再現していきましょう。
注意:「大阪マラソン2023のエイドの給食が少なかった」という記事ですが、もちろんゼロだったわけではありません。
ただ、第1ウェーブが通り過ぎたあとの第2ウェーブのランナーには、すでに給食が行き渡らない、など、ランナーの数に比べ、給食が極端に少なかった模様です
2023年2月26日
13:30:00
場所:大阪マラソン35㎞地点
合法的水着美女による、合法的なスプレーサービスを行っていた、われわれ着ぐるみJAPANのメンバー。
その足元に置かれた小さな箱。
これがすべての始まりでした。
この箱は、水着美女仮装をしていた横光姐さんが用意していた箱で、
個別包装の小さなチョコレートとブドウ糖のタブレットが入っていました。
が、量は極めて少量。
「知り合いのランナーが欲しいと言えば差し出す程度」
の量しかありませんでした。
そんな中、1人の男性ランナーが、フラフラと沿道のわれわれのもとに近づいてきます。
スプレー希望者と判断したわれわれは、
「はいスプレーね!!患部はどこ?!フトモモ?!ふくらはぎ?!はたまた股関節?!」
するとランナーはスプレーには目もむけず…
地面に置いたままの小箱(チョコレート入り)を指さし、
「これ…もらっていいですか??」
と、消え入りそうな声で囁きました。
「え?!…あ、ああ、いいですよ」
小箱を持ち上げ、ランナーに差し出しました。
「ありがとうございます」
ランナーはそういうと、個別包装のチョコレートを手に取り、その場でセロファンを開けて、
むさぼるように口に入れました。
「ブ…ブドウ糖も良ければ…」
ランナーさんのあまりの勢いに、ブドウ糖も差し出すと、
彼はそいつも一気に口に放り込みました。
「食べるものが…ぜんぜん、ないんです…なにひとつ、ないんです…」
彼はそういいました。
「えっ…そうなんですか??」
僕たちはこの時はまだ、ことの重大さにそれほどピンと来ていませんでした。
するといろんなところから小箱に手が伸びてきます。
「私もチョコください!!」
「オレにもくれ!!」
「拙者にも!!」
「わらわもチョコを所望じゃ!!」
小さな箱に入っていたチョコとブドウ糖は、あっという間になくなってしまいました。
「なんか…ランナーさんたち、おなか空いてるみたいやな」
着ぐるみJAPANメンバーは全員、自分のカバンの中に入っているお菓子類をかき集めました。
それはメンバー内で、あとでお茶うけとして食べようと思っていた、
・ブラックサンダー(チョコレート)
・ブラックサンダー 白Ver.(チョコレート)
・アルフォート
・おにぎりせんべい
・ハッピーターン
それらをかき集め、小箱になかに入れると、
走路に向かって突き出しました。
「おなか空いてるヒトぉ~?!食べ物あるよぉ~?!」
と叫んだ次の瞬間!!
わらわら…
わらわら…
わらわら…
わらわら…
食べ物は、あっという間になくなりました!!
ランナーたちは口々に、
「食べるものが何もない」
「ここに来るまで、食料は完全にゼロでした」
「エイドは水以外、完全にカラッポです」
と飢餓状態を訴えます。
フルを走るならエネルギーは持つべき。でも…。
僕はかつてランナーとしてフルマラソンを走っていたころは、ポーチに必ず
・アミノ酸×4袋
・エネルギージェル×4袋
を持っていました。
5㎞走ればアミノ酸、次の5㎞でジェル、を交互に摂取してエネルギー補充、
ハンガーノックと呼ばれる飢餓状態を回避していました。
フルマラソンに挑む以上、それくらいの備えは必要と思います。
でも確かにそれではおなかが空いて。
どんな大会でも、バナナなんかが必ずあるので、出てくるたびにバナナを食べて空腹をチャージしていました。
ところが目の前のランナーたちが言うには、この大会にはバナナの一本さえ、供給してくれないようで。
目の前の食べ物のなくなるスピードの速さに驚きました。
コロナ環境のため私設エイドを提供している一般人もほとんどないと思われ、
ランナーたちの飢餓状態が加速していったと思われます。
みっちゃん、起つ!!
「わたし…。食べ物、買ってきます!!」
シロクマ担当のみっちゃんがそう叫ぶと、
ポムポムプリンの一級建築士・ハッシー先生もカバンを手に取り、
義憤に駆られた2人が、応援場所から、最寄りのコンビニまで駆けだしていました!!
袋いっぱいに入ったお菓子の山を段ボールに入れ、2度目のコール。
「おなか空いてるヒトぉ~?!食べ物あるよぉ~?!」
この一声はどんな言葉よりランナーの注意を引きました!!
あっという間に集まるランナーたち!!
みっちゃんとハッシーが買った食料は一瞬で底をつきます!!
玉出!!サイコー!!
「アカン!!ぜんぜん足りひん!!」
ムック担当のお方さまが真っ赤な着ぐるみのまま、
激安スーパー・玉出に走ります!!
みっちゃんはシロクマの上着を脱ぎ捨て、お方さまを追走!!
ハッシー先生も続きます!!
われわれの応援ポイントからスーパー玉出・勝山店まで、
片道463メートル。
↓ストリートビューは我々が応援していた場所が起点です。
右方向に進み、「玉出」の看板を左折してください!!
意外に距離があるのがお分かりいただけると思います!!
玉出から戻ると、すぐに食料をダンボールに入れて、
実に5時間ぶりに口にする食料に、思わず笑みがこぼれるランナーさん
食料はあっという間に底をつき、
買い出し部隊はすぐに、玉出へRE:DASH!!
わらわら…
わらわら…
もうこれは…
給食パニック…。
ドクターでさえ食料を求めて…。
食料が底をつき、我先に、とダンボールに手が伸びる…。
最後の買い出し、すぐに人が集まってくる…。
みっちゃん、ハッシー先生、お方さまによる買い出し部隊は、
結局、玉出まで4往復。
最初のコンビニも含めると、5回の買い出しに行きました。
名もなきランナーの慟哭を聞け
こちらの男性の声に耳を傾けよう!!
「エイドにな、食べるモン、なぁんにも、あらへん!!全部、カラッポ!!いっさい、ない!!」
「エイドにあるのは水とアクエリアスだけや!!」
「しゃぁないから水とアクエリ飲むやろ?ほんだら寒いし、トイレに行きたくなるやろ?」
「トイレ、行ってみぃな!!ズッッッラァァ〜、って並んでる!!トイレの数もぜんぜん足らへん!!」
「どないなってんねん大阪マラソン?!こんなん初めてや!!もうムチャクチャやで!!」
かなり激しい口調で、彼は不満を僕にブチまけました。
まあ彼も、諸悪の根源は僕だと思って言っているわけではなく、
とにかく誰かにブチまけないと、気が済まなかったのでしょう。
荒れる「大会レポ」
最初に掲げたように、今回の大阪マラソンの大会レポは荒れに荒れ、100店満点中、42.5点。
コメントも荒れています。
それでも…
いい声だってあります。
今回は残念な声が多かったようですが、
この経験を生かして、
来年はもっと素晴らしい大会にしてほしい、と心から願います!!
最後に…食材調達費用
前述の通り、我々は食べ物エイドをやる予定はなかったので、
最初にみっちゃんとハッシー先生はコンビニで買ったものの、
やはり玉出が安い&食材が豊富、ということで、
食材はほとんどが玉出・勝山店で調達しました。
みっちゃんは…
最初のコンビニはみっちゃんがお金を出してくれました。が、慌てていたのでレシートを受け取らなかったみたいです。
みっちゃんの記憶では、コンビニでの支払いは、1,500円くらいだった、とのこと。
ハッシー先生は…
お方さまは…
みっちゃんのコンビニでの買い物が1,500円とした場合、
食材費合計=9,179円
でした(-∀-`; )
まさか玉出で1万円近い買い物をする日が来るなんて、
夢にも思っていませんでした…(-∀-`; )
爺ぃは…
爺ぃが去り際に、
我々夫婦にこっそりと2,000円を渡してくれたのは、
爺ぃのオトコマエなエピソードです。ありがとう、爺ぃ。
次回予告!!
『大阪マラソン外伝:山田くん(仮)の悲劇!!』
感動と混乱の中、幕を閉じた大阪マラソン!!
その34.9km関門は、15:09分に閉鎖しました!!
その関門を、わずか1分前に通過した山田くん(仮)!!
彼の身に起こった悲劇とは?!