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ポンコツ夫とポンコツ嫁はん。ランニングで健康維持しつつ映画やテレビ見ながら言いあらそうブログです。

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妻が、癌になった日 その5 乳癌手術のマネー額

その1はこちら。

 

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5時間後の電話

 

手術後の妻のスケジュールは、

 

 

となっていました。

 

僕とS子叔母さんが病室を出る頃は、妻はまだ手術を終えたばかりで、

 

ウン。

 

と返事するのがやっとの状態でした。

 

術後は順調に過ごしているだろうけど、

 

少しでいいから声が聴きたい。

 

水分の摂取が可能になる20:15過ぎなら、

 

短い会話くらいならできるかもしれない。

 

20:30

 

僕は妻に、電話をすることにしました。

 

電話はすぐにつながりました。

 

…モシモシ?

 

この世でいちばん聞きたい声が、僕の鼓膜を揺さぶります。

 

5時間前に病室を出た時よりは、はるかに張りがあったものの、

 

まだまだ弱弱しい声でした。

 

もしもし?どんな具合?

 

ウン。さっきちょっと吐いたら楽になった

 

吐いたん?!大丈夫?!

 

卵巣嚢腫の手術の時はもっと気持ち悪かったから。まだマシやけど。やっぱり気持ち悪くて。ほんで吐いたら楽になった

 

2年前に別の手術の際、全身麻酔の後遺症による嘔吐感がひどく、今回の手術ではそれを抑える麻酔の配合をしてもらっていました。

 

それでも吐き気はあったようです。

 

安静解除になっててよかった。トイレまで間に合わへんで、洗面所で吐いてん

 

そうなんや…心配やな。ベッドでは必ずナースコールのボタンを持っておくんやで

 

水もな、さっき看護師さんが来てくれて。飲ましてくれてん

 

そっか、よかったね。朝から何も食べてないからお腹すいたんちゃう?

 

ううん。今はまだ嘔吐感があるからお腹が空いた感じはない

 

そっか。それは不幸中の幸いやね。

 

長電話は術後の妻には負担でしょう。僕は翌日、昼食後の1時ごろ面会に行く旨を伝えて電話を切りました。

 

8月1日=術後1日目

 

8:13

 

妻からラインが届きました。

 

 

7月30日の20時以来、実に36時間ぶりの食事です。

 

ペロリや(^^)

 

どうやら食欲も戻ってきた様子。

 

さらに12時、またラインが。

 

 

お赤飯や!!

 

昼食は妻の大好きなお赤飯だったようで、喜んでいました。

 

13:30

 

今日はS子叔母さんは来ません。月末同様に、月初も忙しいので、

 

さすがに今日の付き添いはお願いしませんでした。

 

八尾市立病院は、コロナ期間中は面会ができなかったんですが、

 

現在は面会ができるようになっています。

 

ただし。

 

面会時間は15分のみ。

 

事前の電話で妻に持ってきてほしいものを聞きましたが、

 

特にない

 

との返事でした。

 

僕は病院内の1階にあるコンビニで、

 

メロンパンとフルーツ入りヨーグルトを購入し、

 

5階にある妻の病室へと向かいました。

 

 

妻は、思った以上に元気そうで。

 

とても安心しました。

 

面会時間はわずか15分です。

 

僕はコンビニで買ったメロンパンとフルーツ入りヨーグルトを病室の冷蔵庫に入れました。

 

妻とは、昨日の手術の話をしました。

 

妻は、

 

・ベッドに寝かされて、麻酔を打たれたらすぐ意識がなくなって。

 

・次に気付いたのは、病室で、僕とS子叔母さんに話しかけられた時だったそう。

 

・全身麻酔の嘔吐感で昨夜は食欲はなかった

 

・夜が明けると空腹感が襲ってきて

 

・朝食、昼食はぺろりと平らげた

 

そんな話をしました。

 

僕は、

 

・1時間15分と聞いてた手術時間が2時間を超えても呼びに来てもらえず、

 

・1階で説明するはずだった女医先生がわざわざ5階の休憩室まで説明に来てくれたこと

 

・S子叔母さんはあのあとまた仕事に戻ったこと

 

などを話しました。

 

でも15分なんてあっという間。

 

最後に、

 

朝いちばんに女医先生がここまで来てくれて。傷の具合とか見てくれて。

 

『ぜんぜん問題ないから予定通り、明日の退院許可出しときますね』

 

って言われたよ

 

と妻が言いました。

 

命がけの手術をして、たった2晩で退院だなんて…。

 

医療の進歩はすごいなあ。

 

僕はそう思いつつ、

 

後ろ髪引かれる思いで、病室を後にしました。

 

*******

 

15:00

 

妻は僕が差し入れたメロンパンをおやつに食べ。

 

 

18:00

 

出された夕食をぺろりと平らげ。

 

 

20:00

 

僕が差し入れたフルーツ入りヨーグルトを、とても大事そうに食べていました。

 

 

8月2日=退院日

 

信じられませんが、7/31に乳癌手術をして、8/2の今日にもう退院です。

 

それだけ妻の状態が良かったということで、ありがたいことです。

 

朝早くに女医先生が最終的に診察に来てくださって。

 

妻の傷の状態を確認後、退院が決まりました。

 

一応、この日の朝食までは提供されます。

 


まだ動きづらい身体で、3泊お世話になった病室をお片付け

 

遺伝子検査

 

前述しましたが、再度書きます。

 

手術中、女医先生は妻のリンパを取って病理検査に出したところ、

 

「問題なし」

 

のお墨付きをもらい、リンパの転移ナシと判断され、手術が終わったわけです。

 

でも手術中の病理検査は簡易的なもので、

 

正確な結果は術後しばらく経ってから分かります。

 

だからまだ安心はできません。

 

さらに女医先生は、

 

「オンコタイプ」

 

と呼ばれる遺伝子検査を勧めてくれました。

 

この検査をすることで、抗癌剤治療が必要かどうかが分かる検査らしいのですが、

 

その費用は約15万円。

 

うちは裕福ではありません。

 

15万円は、サイフにいつも入ってる金額、なんてわけにはいきません。

 

でも。

 

妻の命は何億円あっても買えません。

 

女医先生は費用の面でムリなら別の方法もある、とのことでしたが、

 

我々はオンコタイプを進めていただくよう、先生にお願いしました。

 

乳癌手術のマネー額

 

「高額療養費」と「自己負担限度額」

 

アメリカなんかで大きな病気にかかると破産してしまうなんて話もよく聞きます。

 

今回、妻の乳癌手術にかかった費用は、

 

保険点数で言えば

 

70,895点で、

 

1点=10円で換算するらしいので、

 

実に

 

70万8950円

 

の費用が掛かったことになります。

 

保険で3割負担として

 

21万2685円

 

の支払い義務がわれわれ夫婦にはあります。

 

で、ほとんどの方がご存じだとは思いますが、日本にはさらに、

 

高額療養費

 

という制度があります。

 

これは、

 

所得の水準と年齢によって、1か月に支払う自己負担の限度額が決められていて、

 

それを上回る医療費は「高額療養費」として、公的医療保険が支払ってくれる、という制度です。

 

69歳以下の場合は、下の表のようになります。

 

所得区分 1か月の負担の上限額 多数回該当
年収約1160万円~ 25万2600円+ 14万100円
標準報酬月額83万円以上 (医療費-84万2000円)×1%
年収約770万円~1160万円 16万7400円+ 9万3000円
標準報酬月額53万円~79万円 (医療費-55万8000円)×1%
年収約370万円~770万円 8万100円+ 4万4400円
標準報酬月額28万円~50万円 (医療費-26万7000円)×1%
~年収約370万円 5万7600円 4万4400円
標準報酬月額26万円以下
住民税非課税 3万5400円 2万4600円

 

我が家の場合は標準報酬月額28万円~50万円なので、

 

8万100円+(医療費-26万7000円)×1パーセント

 

となり、21万円強の支払いのはずが、

 

8万円強の支払いで済む計算になります。

 

これはたいへんありがたい制度で、

 

アメリカと比較にならないくらい、ここ日本では、

 

癌手術や、心臓カテーテルアブレーションなど、

 

複雑な手術が、庶民で支払うことができる値段で行われるわけです。

 

ところが…

 

実はこの制度には一点だけ、問題点があって。

 

それは、

 

月をまたいだ場合の支払いは別になる

 

という点です。

 

妻は7月30日に入院し、

 

7月31日に手術をして、

 

8月1日と、

 

8月2日を病院内で過ごしました。

 

その保険点数のぜんぶが前述の70,895点であるわけですが、

 

これが一括で高額療養費の対象になるわけじゃない。

 

7月分は7月分、

 

8月分は8月分、

 

で支払う必要があるわけです。

 

7月分

 

7月分は、手術も含まれているので60,087点、つまり60万870円。

 

これを上の表に当てはめると、

 

80,100+(600,870ー267,000)×1% }

 

=83,439

 

7月分は83,439円となります。

 

(実際には保険適用外の個室使用料が2日分12,000円分加わる)

 

8月分

 

保険点数が10,808、つまり10万8080円、

 

これは普通の保険の3割負担=32,424円のほうが、高額療養費の8万100円より安いので、高額療養費が適用されません。

 

その結果、7月と8月とを合わせた支払総額は、

 

14万6229円

 

となりました。

 

決して、高額療養費の、2月分を別々で支払う制度を批判するものではありません。

 

このおかげでとても助かりました。

 

あくまで、今回の支払いの説明をしたまでです。

 

治療は終わらない

 

乳房を残す手術をしていただいたので、今後、放射線治療は必須です。

 

これは月曜日から金曜日まで、毎日、病院に通い、

 

患部に放射線をあてる、という治療で、

 

25回連続で行うそうです。

 

つまり5週間、土日をのぞく毎日、病院に行く必要があります。

 

さらにオンコタイプの結果次第では、抗癌剤の投与が必要になる場合もあります。

 

例え髪がすべて抜け落ちようが、

 

妻の命より大事なものなどありません。

 

今日、ありがたいことに、

 

妻は、この病院を、退院させていただくことになりました。

 

でもこの病気は、まだまだ終わっていないこと。

 

これからもずっと、

 

注意深く、

 

付き合っていかなければならないこと、

 

乳癌が分かったあの日、

 

色んな理由で、もう2年以上、乳癌検診を受けていない

 

もう2度と、そんな過ちを繰り返さないよう、

 

乳癌だけじゃなく、

 

受信できるあらゆる健康診断は、

 

必ず受診するよう、

 

心に強く、刻み込まねばならないこと。

 

今回は、本当にありがたいことに、

 

早期に見つかって、

 

夫婦そろって、この病院を出ることができました。

 

今後も、お互いの身体のことを気に掛けながら、暮らしていこうと思います。

 

あなたは、癌です

 

ある日突然、その言葉は言われます。

 

言われないように、

 

言われても、

 

早期で見つかるように。

 

乳癌でも早期なら、

 

3泊4日で退院できるほど、

 

今の医療は進んでいます。

 

どうか皆さんも、

 

健康診断は必ず受診して、

 

自分の身は自分で守ってください。