タイトルでディスってしまった感がありますが、僕自身、ヒートテックは愛用しています。
冬場のインナーとしては、着た直後の「冷えっと感」は皆無で、日常生活の中では暖かさも感じられます。
お値段も手頃で、何着も持っています。
しかしそれはあくまで日常生活の話。
真冬のマラソン大会。
海沿いを延々と走るコースを想像してみてください。
風を全く遮るものがないコースを、早い人でも3時間、僕で4時間半、強い、強い、真冬の寒風に吹きさらされながら走る。
どんなに寒くても、走っていると汗をかきます。
汗はインナーが吸収します。
問題はこのインナー。
吸収した汗を、肌から遠ざけてくれないと…
汗を吸収しただけなら…
ランナーは、肌の上に、水浸しの布をまといながら、
延々、3〜5時間もの間、寒風にさらされることになります。
これが汗冷えという状態です。
こんな状態では練習の成果が出せないどころか、どんどん体力が消耗し、体温が35度を下回ると低体温症という症状を起こしかねません。意識を失い、もっと危ない状態にすらなりかねません。
実際、マラソン会場で、ガタガタ震えながら意識を失いつつあるランナーさんを時々見かけることがあります。
もちろん、昨日ご紹介したポケッタブルなウインドブレーカーなどを着用し、風から身を守る、など、あらゆる手段で低体温症にならないように注意が必要です。
そういう意味では、
インナーは肌にダイレクトで接しているウエアなので、細心の注意が必要です。
冒頭のヒートテックは…
日常生活での使用を目的としたインナーです。4時間も5時間も、真冬の沿岸を走ることを想定してはいません。
ヒートテックに含まれているレーヨン。日常生活で使用するには、汗をすぐ吸収してくれる優れた素材ですが、
大量に発汗した場合、吸収が追いつかなくなります。
どれだけ速乾性を謳った化学繊維でも、乾くのに1時間は要します。
吸水状態が飽和したレーヨンは乾燥もできず、後から後から吹き出す汗は吸収すらできず、ランナーは皮膚の上に水浸しのレーヨンをまといながら走ることになります。
ファイントラックのスキンメッシュシリーズが、汗冷え対策には最も優れていると思います。
このインナーは、単独では効果を発揮しません。この上にTシャツなど、速乾性のウエアを着ることが条件です。
肌が発汗すると、
↓
スキンメッシュが水分を吸収
↓
その上部に着ているTシャツに汗を吸わせ、
↓
水分の逆流を防ぐ、
というメカニズムで、ランナーの肌を、汗からクリアな状態に保つべく作用します。
▼裏が透けて見えるほど、薄い素材のため、「コイツ大丈夫か?(^◇^;)」と不安になります。
僕自身はとても汗をかく体質のため、去年の奈良マラソンなどはこれを重ね着しました。とても薄いので、重ね着してもゴワゴワ感はありません。
汗冷え対策効果は、やはり重ね着するとアップしました。
少し高価な商品のため、まずは一枚、お試しの上、ご自分に合っていると思われたら、重ね着用の2枚目、3枚目を購入する、という方向がいいでしょう。