第1話
妻:『すんぎゃん』やけどな。
夫:出たっ!ガンマGTP値1,200のオンナ!!
妻:まあムチャクチャな人やけど。ウラオモテのないエエ人やし、大好きやねん。
夫:知ってるよ。
妻:昔、アタシと、会社の先輩と、『すんぎゃん』で、赤目温泉まで旅行に行ってん。
夫:赤目温泉。対泉閣やね。こないだ、トレイル行って、お風呂だけ入ったね。
妻:そう。その時は、三人で対泉閣に泊まってん。
夫:いいねえ。あのホテル。
妻:ほんだら、ホテルに着くやいなや、『すんぎゃん』のケータイが鳴って。
夫:ウンウン。
妻:『なんか、トモダチがすぐそばまで来てるから、晩ごはんだけ一緒に食べたいって言うてる』って言い出して。
夫:ええっ?ホテルの晩ごはんなんか、人数分しかないやろうに?
妻:で、『すんぎゃん』がホテルの女将さんに掛け合ったら、あと一人分、晩ごはんを用意してくれはって。
夫:ああ、そうなん。よかった…のかな?
妻:そうやねん!アタシと先輩にしてみたら、せっかく友達と楽しい旅行やのに、知らん人間が晩ごはんだけ現れるって…どうなん?って感じやねん。
夫:それもそうやな。
妻:しかも現れたんが、男やねん。50歳くらいの。
夫:『すんぎゃん』らしいね…
妻:めっちゃ、うさん臭いねん…
夫:ガンマGTP値が1,200になるまで飲み歩いてるオンナの知り合いやからな…
妻:どれくらいうさん臭いかと言うと…
夫:ウンウン。
妻:ケータイに電話が来たら、『もしもし?』じゃなくて、『アロー?』って言うねん!!
夫:どこの国の言語?!『アロー』って?!
第2話
妻:『すんぎゃん』謎の交友関係やけどな…
夫:ウンウン。
妻:アタシと、先輩と、『すんぎゃん』で、居酒屋で飲んでたらな…
夫:…あなたもけっこう、飲んでるねえ…
妻:え?
夫:早く、続きを!
妻:また『すんぎゃん』のケータイに電話が来て…
夫:来ましたか。
妻:『トモダチが2人、すぐ近くで飲んでるから合流したいって!』て言うねん。
夫:パターンですな。
妻:で、現れた2人っていうのが。
夫:ウンウン。
妻:1人が、50歳にして総入れ歯。
夫:…。
妻:もう1人は…
夫:…。
妻:インド人。
夫:…。
妻:共通の話題がないっちゅーねん。
夫:そ、そうかもねえ…
妻:しかも『すんぎゃん』のやつ、飲みすぎて。
夫:ウンウン。
妻:「総入れ歯」と「インド人」を置いて、先に帰りやがった。
夫:ええっ?じゃあ麗子と先輩が、「総入れ歯」と「インド人」を押し付けられた格好?
妻:そう。
夫:…めっちゃ、気まずいやん…
妻:あの日の酒は、まずかったで!