テーマ=絆の再生
最終回のテーマは「仲直り、絆の再生」でした。
VS吉田さん
映画館で思わぬ形で吉田さんとあってしまい、吉田さんに彼氏がいたことがわかり、逃げるようにその場をさってしまった吉田さん。
仲村さんはその姿を誤解し、
「写真学校が忙しい、と言ってたのはウソで、本当は自分たちより彼氏との時間を優先したかっただけなんだ」
と思ってしまいます。
そしてなんとなく疎遠になりかけていた頃、北代さんが間に入ってくれて、吉田さんと再会。
映画館から逃げたのは、ダミアン君がグイグイ来たからで、実は子供が苦手な吉田さんは対処に困って逃げ出しただけだったのでした。
そして自分のことを「友だち」と言ってくれる吉田さんに、仲村さんは友情を再確認し、誤解は氷解するのでした。
VSダミアン
一方、そのダミアンとは…。
「特撮反対派」のご両親から特撮物からの卒業を強制させられていて。
子供には勝てない「大人パワー」に対処すべく、仲村さんに両親を説得してほしい、と頼みこんで来ます。
しかし、他人の家の問題に顔を突っ込めないのも、また大人としてのあるべき姿。
しかも仲村さんは、自分の親との問題さえ解決できていない身分。ダミアン家の問題に首を突っ込めるわけがありません。
この申し出を断る仲村さんにダミアンは、
結局、仲村さんはうちの親と一緒じゃないか。仲村さんの嘘つき!
と言い放ち、彼女の元を去ってしまいます。
VHSのメタファー=「再生」
絆が再生できた吉田さんが仲村さんのために、家からかついで来てくれた、VHSのデッキ。
(そういえば我が家にも、もうVHSのデッキはないなあ。結婚式の様子とか、VHSのテープで保存しているのに…。あのデッキ、捨てるべきじゃなかったなあ…)
そのデッキで仲村さんが再生したのは…。
幼少期、観ていた「エマージェイソン」のビデオの最終巻。
高校時代、もう特撮物を観ていなかった頃、近所のビデオ屋さんがくれたビデオ。
ワゴンで300円で売ってたのを、「高校の卒業祝い」と言ってビデオ屋さんがくれた物。
当時の仲村家にさえ、すでにデッキはなかったけど…。
吉田さんがくれたデッキでそのビデオを再生した時、仲村さんは思い出すのでした。
高校を卒業したあの日も、部室のデッキでそれを再生したことを。
そして幼い頃に見たエマージェイソンの最終回を見て、高校生の自分が涙を流したことを。
「『好き』って、なくなっちゃうものなのかな?」
とビデオ屋のおじさんは言いました。仲村さんが、ビデオのプレゼントを断ろうとした時です。
エマージェイソンの最終回
エマージェイソンの最終回は、高校生の仲村さんが見ても
こんなつらい終わり方やったっけ…
と引いてしまうほど、悲劇的色彩が強い最終回。
悪の博士に作られたエマージェイソンは、生みの親を倒したあと、深い傷を負ってしまいます。
もう自分を治せる博士もいないので、暴走してしまう前に皆の元を去る、というエマージェイソン。
必死に引き止める子供たちに、人間の記憶がいかにひ弱いか、を説くエマージェイソン。
でも、
僕たちは、思い出せるよ!!
と叫ぶ少年の声を耳にして
みんなを好きな気持ちは、消えてなくなるわけじゃない…。
ということに気づきます。
ビデオ屋のおじさんの、
『好き』って、なくなっちゃうものなのかな?
という言葉は、幼い頃に見たけどずっと忘れていた、エマージェイソンのこの言葉であったことを、初めてこの時、彼女は思い出すのでした。
だから、また。
きっと僕らは、また会おう。
なんという詩的で美しい言葉でしょう。ドラマの回想シーン、しかも子供向け番組の回想シーンに使われる台詞としてはもったいないくらいに、美しいほど詩的な言葉…。
誰もいない部室で一人、涙を流しながら、仲村さんはエマージェイソンとまた会うことができたのでした。
続・VSダミアン
やがて彼女はダミアンを同じ言葉で説得、力を貸すので強くなるよう説得するのでした。
VSお母ちゃん
そして最後はお母ちゃん。
放送が終わったジュウショウワンのフィギュアはもうワゴンで安売りされています。
幼い頃、自分はエマージェイソンのフィギュアが欲しかった。
でもお母ちゃんは、娘に可愛いぬいぐるみをプレゼントしてあげたかった。
「そんなものはいらない」と自分が母に言った時、母も自分の好きなものを否定され、母なりに傷ついていたことに思い至り。
それでも素直に「ごめんなさい」が言えない彼女は…。
あの頃、母が自分にプレゼントしたがっていた、可愛いぬいぐるみを、
彼女自身は絶対に買わないであろう、女の子らしいうさぎのぬいぐるみを買って、
母にプレゼントするのでした。
お母ちゃんは、もちろん、もうぬいぐるみなど欲しい年齢ではありません。
でも、その人形に込められた思いを感じ取って。
「ありがとう」と言って受け取るのでした。
小ネタ満載の最終回
最終回ということで、エマージェイソンとゲンカ将軍を演じられたスーツアクター、岡元次郎さんを、仲村さんの高校時代の先生役としてちょい役で出演させたり、
最後の書店のシーンでは仮面ライダーV3の宮内洋さんをちょい役で使ったり。
特撮とは関係ないけど、ビデオ屋のおじさんは海原はるか師匠。いつも髪をふりみだす芸は封印し、とても味のある人物を好演されていました。
この記事でも紹介した通り、カミナリのたくみ君も忘れずに声だけで出演させたり。
作り手はきっと、特撮だけではく、お笑いもお好きな人たちなんでしょうね。
だから僕らはまた会おう
だから、僕らはまた会おう
というエマージェイソンの言葉が、どうか叶いますように!!
シーズン2を期待しています!!