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心房細動を、ちゃんと治そう。心臓カテーテルアブレーション手術。入院日記・5日目 2016年9月16日金曜日

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前回まで:

 

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【入院5日目】


同室の斉藤のジーサン、今日が退院だ。ジーサンは、実はメインの病気は糖尿病で、それによる入院歴、手術歴はかなりあるみたいで、当院ではお馴染みの存在のようだ。

ただ、この病棟は循環器系の病棟で、今回の斉爺ィは、脚のどこかの血管の、ほぼ90%が塞がっていたのを、手術で100%開通させたらしい。


でもまた次の手術が来月ある。なんてタフなジーサンや…。


やはり糖尿病はこわい。自分で自分のカラダをまったくコントロールできなくなるみたいだ。


昨夜は深夜にナースさんと口論してた斉爺ィ。原因は耳が遠いせいだったが。


朝から斉爺ィの奥さんが病室を訪れていた。カーテンの向こうから会話が聞こえてくる。


奥さん:アンタ。来たで。


斉爺:…。


奥さん:アンタ。


斉爺ィ:…。


奥さん:アンタて。


斉爺ィ:あっ。来てくれたんか。


奥さん:アンタまた、補聴器入れてへんやろ!今すぐ入れ!


斉爺ィ:(ドタバタ)…ハ、ハイ!入れました!


奥さん:よー聞こえるやろ!


斉爺ィ:(即答!)聞こえますわ〜!やっぱり!


補聴器入れたら聞こえるんかぁ〜い!!とツッコミたかったで!斉爺ぃ!ゆんべ、どんだけガマンした思てるねん!!(^^;;

 

(ほんで嫁はんには敬語かーい!!)


斉爺ィは10時頃、支払いを済ませて帰宅した。


さよなら、斉爺ィ。達者で暮らしてくれ。

 

▼斉爺ィ退院後のベッド。

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さて。支払いと言えば…。


僕は先月末で退職している。同時に社会保険も失っている。この手術は事前に分かっていたが、保険の任意継続の手続きは、退社後からしかスタートできない。手続きの完了はもちろん1日や2日でできるものではない。保険証は入院前に届いてはいたが、高額療養費の限度額適用認定証は保険が適用されてからしか申請はできない。


僕の場合、この段階ではまだ限度額適用認定を受けていなかった。


実は健康保険そのものも、国民健康保険にするか、任意継続にするか、そのほかの選択肢にするか、で家族の間で話し合いがあった。急いでいたので任意継続を選んだが、状況によっては、一時、健康保険に加入していない、というエアポケット的なタイミングが発生する恐れがあった。


もしその場合、つまり、まったく健康保険に加入していない場合、この心臓カテーテルアブレーション手術+1週間の入院費は、いくらになるのだろう?


最低で、約280万円。


手術中、先生がどんな薬品を使うか、とか、どんな器具を使うか、などは、その場の状況次第で変わるため、事前に正確な金額はわからない。ただ、最低でも280万円は必要だ。


任意継続で保険医加入の手続きを進めている。3割負担。約80万円。


もちろん限度額適用認定の申請中で、それが通れば、10万円以内になる。


280万円が10万円でおさまるのだ。


日本では、保険に加入していない人なんて、ほとんどいないだろう。逃亡者くらいや、とお方さまは言う。よくアメリカの医療ドラマで保険が問題になることがあるが、こう言うことなんだろうな。


こんな側面ひとつ取ってみても、健康って大事だなあ、と実感している。

 

▼実際の見積書。限度額適用認定が通っていなかったので、本来はこの金額を支払わねばならなかった。実際には、近く認定が降りるため、認定後に再度しはらいに来る、と言う誓約書を交わした。

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明日が退院のため、きょうはたくさんの検査をした。


仰向けに寝て、左腕を出し、けっこう強い力で二の腕を5分ものあいだ締め付け、一気にそれを離し、その後の血圧を測る、といった検査。


通常よりも長時間の心電図検査では、係の女性が、


「…あれ?…出てけえへんな…。あれ?…」


とつぶやいた後、「ちょっと待ってくださいね」と言って退室。


ちょっとカンベンしてよ〜!心臓手術受けた直後、心電図で何か問題が発見されたらメッチャこわいやん!


と、心の中で泣きそうになっていた。(結局、戻ってきた係員さんが再開後、問題なく終了した。


検査の間、休憩室で、ほぼ1週間ぶりに許可されたジュースを飲んでいたら、突然、見慣れた顔が!


あの「枚方キング」こと、F島さんがお見舞いにきてくれた!!


池井戸潤作「陸王」を手土産に!これ、読みたかってん!!ありがとう、F島さん!!


今年の4月24日。水都大阪ウルトラマラニックでの、F島さんの自由過ぎる走り!仮設エイドの半数は、F島さんの知り合いみたいだった。この人の人柄に、周囲がついてくるんだ。


聞けば、小学生のPTA、高校のPTAを掛け持ちして、地域のみんなのために走り回ってるみたいだ。だから、僕みたいなヤツのためにもお見舞いにきてくれる。


みんながF島さんが好きな理由がわかる気がした。

 

▼休憩室にとつぜん現れたF島さん!忙しいのに、お見舞いありがとう!メッチャ嬉しかった!!

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2時間で終わると聞いてた検査が、結局、昼も挟んで半日以上かかった。手渡されたプリントには、僕の動脈の硬さについて記述があった。


それによると、推定血管年齢(baPWV)は実年相応、と書かれてあったが、足の血管の詰まり(ABI)は「正常範囲を外れている」となっていた。


えー!あした退院予定やのに!こんな結果出て大丈夫なん?!

 

小心者の僕はそんなことで不安になった。でも、心のどこかで…。

 

もう少し、この病院にいたい、と言う気持ちがあったのかもしれない。

 

八尾市立病院は、とても綺麗で、居心地が良い。それ以上に、スタッフさんがとても親切で、気が休まる。

 

食事ひとつとって見ても、患者への思いやりが感じられる。メニュー、量、経費など、極めて限定される中で、少しでも美味しいものを出そう、と言う気持ちが汲み取れる。

 

また、今日は4日ぶりに入浴許可が出た!あの大きいお風呂に入れる!すぐに予約を入れた。

 

手術直後の心臓を抱えての入浴は少し緊張した。

 

▼7階西病棟のお風呂。民宿の温泉なみのゆったりさ!

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夕方ごろ、渡部先生が部屋に来てくれた。


「検査、いろいろお疲れ様でした」


来たっ!まさか、「退院延期」とか言うつもりじゃないやろな?!


「検査結果見ても、ぜんぜん問題ないんで、予定どおりあした退院でけっこうですよ」


「えっ…。先生、なんか、足の血管の詰まり具合がハンパない、的な結果やったんじゃないんですか…?」


「あぁ、あれねえ。一回の検査じゃああれはよくわからないから。今後も外来の中で何回か診ていくんで、なんども同じ結果だったらまた考えましょう」


そ、そうなのか。よかったぁ…


いよいよ明日、退院だ。

 

 

【入院日記6日目 退院日に続く】

↓ ↓ ↓

 

 

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