(本来は、お方さまは犬も猫も大好きな血筋です。以下の話は、身寄りのなかった兄妹が、自分たちの身を守るために取った行動だと解釈していただければ幸いです)
妻:小学校の、めっちゃ低学年の頃やけどな。
夫:ウンウン。
妻:学校からの帰り道、必ず現れる犬がおってん。
夫:犬?野良犬?
妻:ううん。「コンドル」って会社で飼ってる犬。めっちゃ大きい敷地の会社で、トラックとかいっぱい停まってたから、運送会社かなあ。今で言えば。その敷地内で飼われてるんやけど。
夫:ウンウン。
妻:放し飼いやねん。リードとかついてないから、帰宅途中のアタシのこと狙って、敷地から出てきて!アタシの前を通せんぼするねん!!
夫:え!麗子をピンポイントで狙うの?
妻:それは知らん、他にも狙われてた子ぉがおったんかは知らん!ただ、アタシが通ったら敷地から出てきて、アタシの行く手をふさぐねん!!
夫:ええー。小1くらい?
妻:うん、それくらい。
夫:それは怖いね!
妻:朝は、まだ「コンドル」がの門が開いてないから、朝はいないねん。帰りになると出てくるねん!めっちゃ怖いねん!!
夫:まだ子供やからなあ!
妻:「遠回りして帰る」って知恵もまだない頃やから。毎日、そこがイヤでイヤで!怖くて怖くて!
夫:「コンドル」に文句を言えばいいねんけど、そんな知恵もないよなあ。
妻:うん。それで兄ちゃんのシューイチに言うてん。
夫:出た!シューイチ!乗り物を乗り回す悪党!!
妻:「『コンドル』の犬が、帰り道でアタシに吠えて道を開けてくれへん。怖い」ってシューイチに相談したら…
夫:ウンウン。どうした?あの悪党兄貴は?
妻:次の日、「コンドル」まで行って。
夫:行きましたか。
妻:門の前に立って、犬を手招きして。
夫:手招きましたか。
妻:犬が出てきたら…
夫:ウンウン。
妻:自分のベルトをズボンから引き抜いて…
夫:ま、まさか…
妻:「二度とうちの妹に吠えるな!!」って言うて、ベルトでめっちゃシバいとった!!
夫:シューイチ!!やるときはやるな!!