「あなたは誰ですかぁ〜〜!!」事件
村岡の100kmコースで言う所の、30kmすぎ地点でわれわれは最初のエイドを構えました。
クルマも停めやすく、さらにコース最大の難所の入り口に当たる場所と見えて、応援者たちも多くいました。
何しろ、ここから登りが8kmも続く…と、隣で応援中の「村岡経験者」のお兄さんに教えてもらいました。
僕がいた場所は、ちょうど登り始めて100メートルくらいの場所。ランナーは、平坦な道を走って来て、直角に曲がると、この登り口になります。
この直角に曲がる前の、平坦な部分でも応援している人はたくさんいました。
遥かなる、山の呼び声
応援を初めて1時間くらい経った頃でしょうか。
!!!博っさーん!!!
遠くで、僕の名を呼ぶ声を聞いたように思いました。
周囲を見渡すと、平坦部分で応援している人が、こちらに向かって手を振っているように見えました。
しかしこの時は、かなりの数のランナーたちが行き来していた時間帯。たぶん、通り過ぎているランナーたちに手を振っているんだろう、と思いました。
この応援している人たちが、まさか僕に手を振っているとは思いにくい状況でした。なぜなら、ここで応援していることは誰にも伝えていませんでしたので、知り合いがいるとは思えなかったからです。
そういうわけで、500メートルほど手前で応援しているこの人たちのことはあえて無視して、僕たちは応援を続けました。
ところが…。
上の記事にも書いたのですが、いちばん応援したいてっちゃんがこの30kmすぎ地点になかなか現れず、ヤキモキしていた時、先ほどと同じ声が、先ほどよりも大きな声で歓喜の雄叫びをあげました!!
「てっちゃん来たぁ!!てっちゃん来たぁ!!博っさん!!てっちゃん来ましたぁぁぁ!!」
500メートル手前なのに、その声ははっきりと聞こえました!!しかも、今度は明らかに僕の方を向き、てっちゃんが来た方向を指差してくれていました!!
やっぱり、さっき僕に声をかけてくれてるのか?と思ったのは正しかったんだ!!
この時僕は確信しました!!
依然して、歓喜に満ちたオーラで、全身を使って僕にてっちゃんの到着を示してくれているその人影に、僕は叫びました!!
「あなたは誰ですかぁぁぁ〜〜!!」
「しのけんでぇぇぇす!!!」
この500メートル離れた場所で、地声でやり取りする2人に、周囲で応援している他の人たちからクスクス笑いが漏れていました(^_^;)
そうです!!
「しのけんさん」という僕の友人が、同じようにこの場所で応援していらっしゃったんでした!!
一体なぜ、こんなに離れた場所なのに、しのけんさんはすぐに僕だとわかったのか…(^_^;)
それはいまだに謎です…。
とにかく、早くから僕に気づき、手を振ってアピールしてくだすっていたのに、最初の方、気づかずに黙殺してしまったしのけんさん!!
本当に申しわけありませんでした!!(^_^;)
そしててっちゃんの到着を教えてくださって、本当にありがとうございました!!
なんで??!!ワラーチランナー率が高い!!
NHKの「グレートレース」なんかを見ていても、上位入賞者のほとんどがHOKAを履いている、なんてレースもありました。
いまや長距離ランニングシューズの流行は、明らかに厚底ゼロドロップ。
好き/嫌いは別れるかもしれませんが、デザイン的にもカッコよく、実績もある厚底シューズで、少しでも過酷な環境を乗り切ろう、と思うのが人情ではないでしょうか。
ところが、日本一の累積標高を誇るこの大会で目立ったのは、流行りの厚底ではなく、ワラーチでした。
正確な数を数えたわけではありませんが、とにかく目についたことは確かです。
明らかに、他の大会よりもワラーチ利用者は多かったと思われます。
トルデジアンやUTMBの上位入賞者に、薄いゴム一枚のサンダルを履いた人がいましたか?(^_^;)
彼らにそう伝えたかったですが…
たぶん、彼らはそんなことはどうでもよくて…
舗装路のウルトラマラソンなのに、2550メートルを登り、下りするこの大会に参加しよう、と思ってしまう精神構造を持つ人たちは…
きっと、速く走るとか、そんなことよりも、人間らしく、原始に帰って動き続けたいという、へそ曲がりな人たちが集結しているせいだと思われます!!
どうしてそんな人たちが集まるか、というと…
きっと、
「山が呼んでいる」
からなのではないでしょうか!!