おいで!おいで!作戦!!の巻
やはり4メートルの緊急車両用通路を隔ててランナーに声をかけなければならない名古屋ウィメンズマラソンの応援は難しい。
明らかに足が攣り、引きずって歩いているランナーに、「エアサロあるよ!」と声をかけても、4メートルの隔たりは、それを超えてくるにはかなり抵抗がある距離。
そのために対策の一つとして準備したのが、
「画用紙プラカード作戦」
だった。
少しでも遠くから、「あ、あそこに行けばいよかんが食べられるんだ!」ということを認識していれば、ランナー側も近づきやすいだろう、と考えたのだ。
このプラカード作戦で、ランナーの集客率はかなりアップして、乾いたランナーの口をいよかんの水分と甘みと酸味で潤おすことができた。
しかし、最終的に最も効果的だったのが、お方さまが実行した、「おいでおいで作戦」による一本釣り方法だ。
他の大会に比べ、ランナーの集まりは良くない。
通り過ぎるランナーは、我々が用意しているいよかんやエアサロをガン見している。必要としているのだ。しかし、4メートルの距離を超えていく羞恥心が邪魔をして、欲しいのに近づくことを躊躇し、走り去ってしまう。
そこでお方さまは、もう「全体に対する声かけ」をやめて、「個人への声かけ」へとシフトチェンジした。
サルの帽子をかぶったランナーがいよかんをガン見してると…
「そこの!サルの帽子かぶった子!!おいでおいで!!いよかん美味しいからおいで!!」
と、その子だけに声をかける。
するとその子は、とたんに笑顔になり、こちらに近づいて、嬉しそうにいよかんにありついていた。
この方法で、Tシャツに自分の名前を印刷していたランナーには、
「○○子ちゃん!いよかん冷たくて美味しいからおいで!」
パンダ仮装で足を引きずったランナーには、
「パンダ!足痛いやろ!エアサロで冷やし!こっちおいで!!」
と、一本釣りをすると、ほぼ100%の確率で釣り上げていた。
もちろん、人間の心理として、一人がやってくると、つられて他のランナーも寄ってくる。
昨日はこの作戦がいちばん功を奏していた。
午後4時・女神たちの食欲の巻
さて、応援ミッションを終えたわれわれ夫婦は、毎年、ルーティン的に行っている行事へと向かった。
名鉄百貨店9階レストラン街。ここの「矢場とん」さんでわらじトンカツを食べるのだ。
レストラン街に到着。並み居るお店の外には、行列のお客さん用の椅子が並んでいる。お昼時はどの店も行列ができるので、それ用の椅子だ。
しかし時間は午後4時。さすがに行列は皆無だった。
が…
なんと、「矢場とん」さんだけ、長蛇の列!!
待ってる女性の多くは…
皆、同じ色の袋を携えていた。間違いなく、名古屋ウィメンズマラソン完走者に贈られる、フェニッシャーズグッズ一式が入っていると思われる袋だった。
「名古屋メシ」=「矢場とん」
この方程式を求めてやってくるランナーさんたちで溢れていた。
外国人も多かったので、海外サイトでもオススメしているのかもしれない。
僕たちの斜め前のテーブル、女性1名、男性2名。
女性はすごく美人で、スレンダー。
わらじトンカツの定食を食べていた女性が、男性よりも早く食べ終えていた。そして、店員さんを呼んだ。
「ご飯おかわり、多めでお願いします」
大の男より早く食べ終えたばかりか、大盛りご飯のおかわりをご所望なさったこの女性。
椅子の横には…
あの、フィニッシャーズグッズの袋があった。
お腹、空いてたんだね。
ナイスランでした。
と、僕は心の中で、最後の声援を贈った。