ランナーの間でワラーチというサンダルが流行ったのは、このサイトのおかげではないかと思います。
木村さんが、ご自身で培ったワラーチ作りのノウハウをこちらで公開していただいたおかげで、ワラーチってすべて東急ハンズに売ってる材料で、2,000円〜3,000円程度で作れる、ということが広く知れ渡りました。
僕もお方さまも、すぐに作って見ました。
足指、足底筋などをフルに使って歩ける、素晴らしい履物だ、ということで上級シューフィッターのお方さまもこのはき心地を絶賛。
しかし、やがてゴムのワンタッチで脱ぎ/履きできるルナサンダルが登場すると、ワラーチは紐の結びが手間がかかるため、やがて履かなくなりました。
そこで今回、ワラーチを使って、
・ルナサンダルと同じくらい簡単に脱ぎ/履きが可能で、
・フィット感抜群の紐の結び方
を考えて見ました。
・用意するもの
ワラーチのソール
真田紐(3m)
①真田紐の先端を山形にカットし、セロテープを巻く
②まず前の穴の裏から真田紐を通す
③内側の穴を通し、かかと方向へ。
④かかと周辺の紐を折り返し約15センチほど余らせる
⑤余らせた部分を結ぶ
⑥外側の穴に通し、内側と同じ要領で前へ
⑦前の穴に通し、下で結ぶ。
⑧足首にヘアーゴムを装着。
⑨出来上がり。
足首部分がゴムなので、紐を結びなおさなくても、ワンタッチで脱ぎ/履きが可能です!!
しかも「ハ」の字に紐が通っているためフィット感が抜群に向上しています。
補足説明
鼻緒から「ハ」の字に伸びた紐の効用
その①
たいていのワラーチ紐の結び方は、
このように鼻緒から一本しか紐が伸びていません。これはルナサンダルでも同様。
2本、ハの字に紐を通すことで、左右へのブレがなくなり、足のフィット感が抜群に向上します。
その②
母指が背屈時に浮き出る腱「長母指伸筋」の真上を紐が通っているため、背屈時にソールが母指に沿って付いてきます。すなわち足底とソールがぴったりとフィットしている状態です。
かかとで余らせた15cmの紐の効用
その①
ここを結び直すことで紐のテンションを調節します。強すぎたら緩め、緩くなったら強めます。
その②
万一、鼻緒下で紐が切れてしまった場合、ここの余りを伸ばすことで再度、結びなおしが可能になります。
実験画像 赤マジックの位置で紐が切れたとします
15cmの余り部分をほどきます
これだけの余りがありますので、再度の結び直しが可能です。
なぜ真田紐が良いのか
実験段階では普通の靴紐を使っていました。
真田紐より細く、結びやすいため、普通の靴紐の方が使いやすいかもしれません。
しかし、あまりにフィット感がよすぎるため、半日使用していたら、紐が足に食い込み、けっこう痛くなってきました(^◇^;)
通勤だけで使うようなら、普通の靴紐で作っても問題ないと思います。一日中履くなら、靴紐よりも表面積の広い真田紐で結んだ方が、圧が分散されて食い込みが少ないです。
ゴム部分、ルナサンダルはかかと部をゴムにしていたが…
これも実験して見ました。ルナサンダルのような強力なゴムではないため、かかと部分をヘアーゴムだと、背屈時にサンダルのかかとがついてこないという現象が起きました。そのため、ゴム部分は足首前に回すことで、かかと部分もついてくるようにしました。
以上、上級シューフィッターによる、フィット感を高めつつワラーチを簡単に脱ぎ/履きできる紐の結びの考察でした。
是非一度、お試しください!!!