妻:(待合室のない駅で電車を待ちながら)あぁ〜…。暑い…。クラクラする〜…
夫:暑いなあ。
妻:あんたは…。ほんまに暑いの?
夫:暑いに決まってるやん。
妻:でもなんか…。元気やん?
夫:元気、ではないけど。麗子より、暑さには強いかなあ。
妻:35度もあるねんで…。立ってるだけで脱水症状なるねんで…。
夫:お前は暑さに極端に弱いからなあ。水分摂取とか注意してや。
妻:頭が…。キューっと、締め付けられるような…。そんな感じにとか、ならへんの?
夫:ならへんなあ…。
妻:(夫の二の腕に触れて見る)ウワッ…。
夫:??何さ?
妻:…。濡れてるやん…。
夫:うん?汗で、やろ?
妻:うん、そうやろうけど…。ただ立ってるだけで、汗をかくん?
夫:もちろんやで。デブは代謝がいいからな。
妻:(しげしげと触りながら)粘膜やん…。まるで…。
夫:粘膜ちゃうわ!!
妻:立ってるだけで皮膚が汗まみれ…。そら、涼しいやろな…。
夫:涼しくないよ!!暑いに決まってるやん!!
妻:だまらっしゃい!!あんたらデブは汗がかけないアタシらの苦しみがわかるわけないわ!!カエルがなぜ、乾燥した陸地でも生きていける??!!皮膚が、粘膜で覆われてるからやろ??!!
夫:そ、そうなん?
妻:もしも、カエルを捕まえて、すこぶる吸水性の良いキッチンペーパーで丁寧に身体中の粘膜を拭き取ってみぃや??!!ほんで、鳥取砂丘にでも放り出してみぃや?!あっという間に乾燥して死んでしまうで??!!
夫:鳥取砂丘じゃなくても…
妻:それがアタシらや!!キッチンペーパーで丁寧に磨かれたカエルが!!
夫:人をカエルみたいに言うなよ…。
妻:アタシら、汗がかけない人間から見たら、年がら年中、皮膚が汗まみれのアンタらはカエルじゃ!!うらやましい!!
夫:これは「ホメられてる」のか…。「バカにされてる」のか…。