9日目
で物資=ポテトチップス(10袋分)
高見が寝床から居間に足を踏み入れると同時に「おはよう」よりも先に、ポテチ見て
「マジかよ…」
そして無言で鉢嶺とハグ、と言う一連の流れが笑いました。
川へ
脇田、高見、鉢嶺は当然のように川へ漁に出る準備。脇田が針金で釣り針を作った、と紹介がある中、鉢嶺が
モリ持って行こう、モリ。
とつぶやき、彼女の左手に確かにミツマタになっているモリが確認できます。
このモリがのちほど大活躍することに。
2時間半経過
まったくアタリもない模様。彼女たちは転々とポイントを変えます。
ついに何匹も魚が泳いでいるポイントを発見。
魚影は大きく、素早く。とても素人が作った釣り針に引っかかるようには見えません。
彼女たちは竿を捨て、網で追い込んで取る作戦に変更。
ジャージをたくし上げ、そのジャージさえ濡らしながら、靴のまま川の中に入り魚を追います。
小屋の7人は
先週は7人が意地悪く3人の悪口を言っているという対照的な編集で、善と悪の構図をクッキリとわかりやすく編集していましたが。
神部、西野に心境の変化が現れてきた、という流れになっています。
高見「2人で死のう」
岩の下に潜り込んだ魚は、脇田がどんなに手を伸ばし網を送り込んでも魚影を見ることができず。
寒さと疲労に折れかけた脇田の心に高見が呟く言葉が
もう死のう。2人で死のう。
これは2人で、たとえ全身ずぶ濡れになろうが魚を追い詰めよう、という高見の心意気。
6時間経過
3人とも「脇がやばい」と言っているので、上着の脇にまで水が入ってる模様。つまり上半身もずぶ濡れ。
さらにこの日は風が強かったようで。
濡れた体が冷たく強い風が吹きさらされ、低体温症になる危険すらあるようでした。
この日は最大の敵・寒さと戦いながらの魚とりとなります。
6時間半経過
さらにポイントを変え、たくさん魚が泳いでいるポイントを発見。
鉢嶺がモリでつく作戦に変更。
川の間の流木に片足をかけ、もう片足を川のヘリに突っ張り体を支え。
まるで柔軟体操をしているかのような態勢を維持したまま、モリをさしますが失敗。
7時間経過
モリで追い詰めた魚は川ベリの浅瀬へ、魚体ぶんの深さがないので魚はピチャピチャと跳ねている状態。鉢嶺はモリを捨て、素手で掴もうとしますが…。
無情にも魚はその手をすり抜け再び川へ。
思わずカメラマンが
ああ…惜しい
というつぶやきが収められてしまっているほど、ギリギリの攻防でした。
この後も、鉢嶺が岩と岩の間に足をかけ柔軟な体を折り曲げて魚をモリでつきます。
何度も何度も、突いてはのがし、突いてはのがし…。
川面を吹き抜ける強風は彼女たちの体温と、前向きな心さえ冷たく冷却し。
心が折れそう…。
と全員がつぶやきます。
それでも鉢嶺を中心に3人は諦めずに魚を追い込み。
小さな岩の隙間にまで追い詰めます。
そこで鉢嶺は何度も魚を突きますが、滑らかな魚体はモリのマタをすり抜け突くことができません。
高見が魚の出口を塞ぎ、脇田は逆方向から魚を監視、
何度も何度も、鉢嶺がつく中
その時はとつぜん訪れます!!
何度も巻き戻して見ましたが直前からずっとノーカットでした。
あの直前まで、鉢嶺が左手に持っていた網は、もちろんカラで。右手に持ったモリで何度も岩の下をついていますが当たらず。
モリの先端もカメラに映っています。もちろん先端の尖ったミツマタになったモリ。
絶対に次は逃さん
と何度も口にして。
モリを順手から逆手に持ち替えた瞬間、
モリを「突く」というより左へ「運ぶ」といったほうがいいような動きと完全にシンクロした網の動き、
次の瞬間、網を高々と上げ、
獲った!
鉢嶺はすぐ横にいた高見と手を合わせようとするけれど、
それを見た高見は感激のあまり泣き崩れ、岩場から立ち去り
狂喜する鉢嶺が1人、取り残される状態。
直後、モリに突き刺さっている魚がカメラの前にドアップになります!!
それは全長30センチはあろうかという立派なヤマメ。
3人はしばらく川岸で抱き合い。
カメラマンはその様子を舐めるように映しています。
その場にいたカメラマンも、本当は3人を抱きしめたかったのではないかなと思わせるほど近い場所から彼女たちを撮り続け。
視聴者は、カメラマンの涙も見えた気がしました。
泣いて感激していた人物はきっと3人だけじゃなかったんだ、と思わせる絵面でした。
魂の勝利
もちろん、どんなに大きくても、たった一匹のヤマメで10人が満腹になるはずはなく。
たった一匹、獲れたからといって10kg体重が増えるわけでもなく。
こんな一匹は、何の足しにもならない一匹です。
しかしそれは、魚チームの精神的な勝利の象徴。
6日目、このチームにいたはずの落合は
風邪ひくだけ
絶対、獲れない
ババア元気やな
と影で魚チームを徹底的に攻撃。このあたりから魚チーム、特に脇田がハブられる空気が構築されていきました。
たった一匹では意味のない勝利かもしれませんが。
それは見るものの魂に訴えかける勝利でした。
体重:9日目 夜
NO. | 氏名 | 年齢 | 初日の体重 | 9日目夜 | 初日との差 |
1 | 池田裕子 | 31 | 52.6 | 52.3 | ▲ 0.3 |
2 | 落合真彩 | 20 | 52.6 | 50.7 | ▲ 1.9 |
3 | 胡桃そら | 21 | 45.1 | 43.9 | ▲ 1.2 |
4 | 神部美咲 | 24 | 53.4 | 53.1 | ▲ 0.3 |
5 | 高野桃子 | 24 | 47.1 | 46.2 | ▲ 0.9 |
6 | 高見奈央 | 22 | 48.5 | 47.4 | ▲ 1.1 |
7 | 遠山茜子 | 21 | 46.3 | 44.6 | ▲ 1.7 |
8 | 西野未姫 | 19 | 51.1 | 50 | ▲ 1.1 |
9 | 鉢嶺杏奈 | 29 | 47.8 | 47.6 | ▲ 0.2 |
10 | 脇田恵子 | 26 | 44.6 | 44.9 | 0.3 |
合計 | 489.1 | 480.7 | ▲ 8.4 |
ナスD
前々回は、「まず手を水につけて体温を冷やしてから、岩の下に手を差し込むと魚は簡単に手づかみできる」ということをカメラの前で実践し、1時間で9匹のヤマメをゲットしたナスDですが。
今回は「コケは食べられる」ことをレクチャーしてくれます。
コケは世界で約2万種あります。日本で約1800種あります。
(カメラマン:毒…。毒とか大丈夫なんですか?)
本当は微生物がいるんで洗ったほうがいいんですけど、
というと、カメラマンの目の前で、ちょっと土を落としただけのコケを、ムシャムシャと食べていました!!
腐ったペットボトルを飲み干した時に匹敵する衝撃映像!!
思わずカメラマンも、
ええっ…。
と言葉を失っています。
本当はこれ生で行くんじゃなくて、茹でたり揚げたり焼いたりしたら美味しいと思います。
栄養分あるのかっていう話に関しては、葉緑素、脂肪酸、油分が含まれています。
(カメラマン:だいぶ土ある…。)
世界にあるこういうコケ類の中で、毒性があるものってないんですよ。だからイケるんですよ。
というと、また、土がいっぱいついたままのコケを口いっぱいに頬張っていました。思わずカメラマンも、
ええっ?!
とうなったほど。
最終日前夜
ナスDが1名ずつ心境をインタビュー。
胡桃そら
もっと楽しむ派だと思ってたんですよ。意外と都会の女なんだなということに気づかされました。港区出身なんで。
遠山茜子
東京で出会った友達とかよりか超深い話してると思うんですよ、この10日間で。10日前に会った友達とは思わないです
西野未姫
良かったことが多いのかもしれないです。メンタルが鍛えられたっていうのと、人間って極限になるとちょっと頭おかしくなるんだなっていうのを学びました
高野桃子
いやメチャクチャ大変でした。思ってたのより数百倍大変だった。
脇田恵子
こういう環境に来ないと出来ない事ばかりさせてもらえたのであとちょっと楽しませてもらいます
(ナスD:これ全部食べられますからね。コケ全部ね)
本当ですか?
高見奈央
楽しかったですね私は。めったに出来ない経験をさせてもらったので。目標をみんなで達成したいと思ってるので。今スゴい厳しい状況なんですけどどちらにせよ自分は頑張りたいなと思います。
鉢嶺杏奈
魚が獲れた事。本当に 諦めずにやることが大事って聞きますけど今回初めて自分で心の底から諦めずに頑張って良かったって思った。29歳まで生きてきて初めて思ったかも。こんなにしっかり。自分に勝った気がする。
(ナスD:ものすごく熱く語ってますけど、魚一匹獲った話してますよね?今。昨日イチロー選手引退したの知ってます?)
ウソでしょう?!ウソ?!本当に?!
(ナスD:それと同じくらいの熱さで話してますよ)
だっせえ私。
(ナスD:オッさんみたいになってる、9日経って。鉢嶺さんオッさんになってる)
神部美咲
ちゃんとやっぱりテレビだし、メイクとかもちゃんとしなきゃなとか思ってたんですけど、もう無理でしたね。思い通りにならなさすぎる10日間でしたね。
池田裕子
私本当に普段、結構な潔癖で。爪に泥が入ったままものを手づかみで食べるとかもってのほかだったんですけど、そういうの本当に気にならなくなって?(挑戦して)良かったのは良かったと思います。
落合真彩
なんか吹っ切れちゃいましたね、色々と。
すぐ実践の脇田
このあと、脇田はナスDから与えられたヒントを元に、高見とコケを採取。
オリーブオイルで揚げて食べていました。
この、もらったヒントをすぐに実践するという彼女の姿勢も、編集する側にとっては印象がいいと思われ。
彼女がプロレスで言うところのベビーフェイス(正義の味方)として編集される理由もよくわかる気がしました。
最終日=10日目
で物資=なし(最終日のため)
コケを食べようと言う脇田。
例によって誰も同意しません。
ここでついに脇田がブチギレ。
諦めて帰る準備だけしとけばいいよ!!
と最後の最後でついにブチギレ。
影響力の強い西野が皆を扇動し、コケを素揚げにして食べ
最後は全員トイレを我慢し、コケを食べ、脇田の地獄スープを飲み。
最後は全員が前向きチームに!!
と言う編集でした。
まあ、なんとかそう表したい番組の気持ちもわかりますが、本当にそう思った視聴者はいないんじゃないかな、と言う印象でした。
最終体重測定
NO. | 氏名 | 年齢 | 初日の体重 | 最終日 | 初日との差 |
1 | 池田裕子 | 31 | 52.6 | 53.5 | 0.9 |
2 | 落合真彩 | 20 | 52.6 | 51.4 | ▲ 1.2 |
3 | 胡桃そら | 21 | 45.1 | 45.6 | 0.5 |
4 | 神部美咲 | 24 | 53.4 | 53.6 | 0.2 |
5 | 高野桃子 | 24 | 47.1 | 46.8 | ▲ 0.3 |
6 | 高見奈央 | 22 | 48.5 | 50.1 | 1.6 |
7 | 遠山茜子 | 21 | 46.3 | 45.9 | ▲ 0.4 |
8 | 西野未姫 | 19 | 51.1 | 51.1 | 0.0 |
9 | 鉢嶺杏奈 | 29 | 47.8 | 49.3 | 1.5 |
10 | 脇田恵子 | 26 | 44.6 | 47.1 | 2.5 |
合計 | 489.1 | 494.4 | 5.3 |
と言うわけで10kg増は未達。
1人1kgずつ増やせば達成という企画ですが、1kg以上増やすことができたのはやはりこの3人だけ。
スタッフが彼女たちに格別な思いを持ったとしても不思議ではないことがよくわかります。
うちへ帰ろう
最後はスタッフからホットの缶コーヒーを差し入れしてもらい、全員が笑顔で飲んで終わり、と言う物語でした。
思ったこと
やはりサバイバル未経験のチャレンジャーが揃うと、ディスカバリーチャンネルのTHE NAKEDやTHE ISLANDと同じように、激しい憎しみあいが発生してしまうと言うことをいみじくも証明してしまった企画となってしまいました。
出演してらした皆さんは、5日目の西野がリタイアするかどうか、のあたりから、もう周囲の目なども気にしなくなっていた様子でした。
そのため、カメラの前で他者を貶めるような言葉を平然と吐いていました。それがオンエアされた場合、自分が世間からどう見られるか、などと考える心の余裕がなくなっていたものと思われ。
だからこそ、人間の素の部分を垣間見ることができ。
最後は体重のことなどもうどうでもよく。
ピークは魚チームが魚をゲットするあの瞬間。
他の7人から貶められていた彼女たちが、初めて生きた魚を捕まえることができたあの瞬間でした。
全ての編集は、あの瞬間で全視聴者がカタルシスを得るために組み立てられていたように感じました。
逆に言うと、プロレスで言えばヒール(悪役)となってしまったメンバーたちは、まさかあそこまで赤裸々に、あそこまで憎々しく自分たちがオンエアされるとは思ってもいなかったのではないでしょうか。
彼女たちのSNSは少し炎上中と言ってもいい状態で。
今後、彼女たちがテレビに出ても、よほどのことがない限り、ここでの印象を拭い去ることはできないと思われます。
同じ企画はもうできない
そのため、かなり面白かった企画ではありますが、同じような企画はもうできないと思われます。
なぜなら、これを見た人なら、自分が脇田的な立ち位置、高見や鉢嶺的な立ち位置にいなければ、どんな編集をされるか、
カメラの前で他者の悪口を言ったら、絶対に編集でカットしたりはしない
と言うことが分かったし、
ベビーフェイス側を悪く言ったらSNSがどれだけ荒れるかも分かったので、
わざとでもベビーフェイス側に立とうとするはずで。
もう赤裸々な人間性を見ることはできないと思われるからです。
そう言う意味で唯一無二の番組でした。
面白かったです、ありがとうございました。
そして10名の挑戦者の皆さん、お疲れ様でした。
閑話休題 それはさておき。
5日目の「さよなら西野未姫SP」で、脇田のパンツが紛失していましたよね。
ナレーションで、
ガッツマン・脇田のパンツがなくなったようだが、実はこのあと、意外な場所で発見される!!
と言ってたけど…。
結局、あのパンツっ問題って解決しましたっけ?
僕が見落としたかなあ、どこで見つかったかと言うタネあかし的な描写はなかったように思います。
もしかしたら、あまりに陰湿な行為で、さすがに放送できない、と最終判断が下されたのではないかな…。
パンツ紛失事件の前後の内容から、そんな風にも思ってしまいます…。