お方さまは若い頃から視力がたいへん良く。メガネのお世話になったことなどなかったのですが、
数年前から手元の字が見えにくくなり、緊急避難的に、某格安メガネチェーンで老眼鏡を購入しました。
ところが、これがそれほど役立っていなかったようで。仕事でやむなく使用する際も、ストックの中の細かい文字などをスムースに判別したいのに、
かけて、外して、を繰り返さなければならない老眼鏡は、スムースに仕事を進めるにはあまり効率のいいアイテムではないようで。
「遠近両用」が必要かも、とお方さまは常々、思っていたのでした。
メガネ問題は信頼できる「あの店」で!!
さて、メガネ問題になれば、相談する場所は、関西では一択です。
そう、当ブログでも何度も紹介させていただいている「眼'Z」さん。
とにかく関西ナンバーワンのメガネ屋さんです!!
(このビルの3階。なんの看板もありません!!)
13日木曜日、予約を取って。
久しぶりに眼'Zさんに向かいました。
緊急事態宣言が解除され、初めて出向いた心斎橋の変わりように圧倒されながら…。
井上氏から、遠近両用メガネについて、とてもためになるお話を聞かせていただいたのでご紹介します。
『中近』両用メガネ!!
不勉強ながら知りませんでした!!「中近両用メガネ」の存在を。
お客様を接客する、という、3メートルから30センチ程度の距離なら、「遠近」というより
「中近」が良いかもしれません。
<メリット>
遠くは見えないけど歪みが少ない。そして手元の視野が広い。
<デメリット>
クルマの運転とかマラソンの応援とか、遠くを見ることができない。あくまで「3メートルから30センチ」です。
遠近は
<メリット>
「エンドレスから30センチまで」。要は、ずっと遠くが見える。
<デメリット>
何枚もレンズを重ねるのでどうしても歪みが出るので、視野に歪みができる。使ってて気持ちが悪くなる。手元の視野が狭い。
最近は「近近」もあります。「パソコンから手元」を見るのに便利なメガネ。
「遠近」「中近」「近近」。最近はこの3種類があると思っていてください。
こういう説明がなされたあと…。
井上氏の視力検査が始まりました。
こだわりの視力検査
眼'Zさんの、お仕事上の極秘ノウハウに触れてしまうと思われるので、詳細を記すことはできませんが。
一般のメガネ屋さんでは、およそ経験したことのないような、詳細な視力検査が、30分ほど時間をかけて行われます。
と言っても、被験者の負担になるようなことは一切なく。ただ椅子に座り、何種類かのメガネをかけて、井上氏の質問に答えるだけなんですが。
利き腕、と同じ「利き目」がどちらかを判定する検査に始まって。
それこそ、自分の目について知らなかった、いろんな検査をしていただきます。
こうして、利き目がわかり、さらにものを見るときの、お方さまのクセなど、いろんなことが検査によってわかってきました。
こうしてわかったことは、
①
視力は1.2あるので、普通、そんな人はメガネは必要ない。でも目は筋肉で動いているので、午前中はいいけど夕方以降はピントが衰えてくる可能性がある。それに備えた弱いメガネを作る程度かな、と思います。
②
ものを見る際に、何種類かの「悪い癖」を持っている人もいますが、奥さんの場合はそんな癖も見当たらない。
③
よって、
A)弱い乱視用のメガネで輪郭をはっきりさせて、
B)手元を見る力の衰えを、ご年齢に沿った度数で改善して見ましょう。
プロの淀みなき手際
井上氏は手元のボックスに無数にあるレンズの中から一瞬の躊躇も見せず1組のレンズを取り出し、メガネにはめ込み
これで手元のスマホを見てください。
うわっ!!すごくはっきり見える!!
でも遠くは?…。見えないですよね。これは中近、近くを見るものだから。
では今度、遠近にしてみますね。このレンズを入れて…。はい、ちょっとアゴを引いた感じで。遠くを見てください。
あっ…。これだと遠くが見える…。
で、今度はアゴを上げて、手元を見てください。
見えます。
アゴをさげると…。
見えない。
この首の上下運動が、遠近の場合、最初は難しい。練習しないといけない。首を左右に振って見てください…。グラングランって揺れる感覚、ないですか?
あります。
「近くの視野」遠近=狭い 中近=広い
ちょっと歩いて見ましょう。
かなり歩くの難しいですね。思った以上に、近くが見える範囲が狭い。
ではもう一度、中近のレンズに代えましょう。これで手元を見てください。広くないですか?
すごく広いです!!
これが中近です。
その代わり遠くは3メートル先までを見るためのもの。でも揺れが少ないし、何より近くの視野がたいへん広い。
ただクルマの運転、スポーツ観戦、などには不向きです。
ビジネスユースなら断然、「中近」!!
私も仕事で使いたいだけだし。こっちがいいかな。
「遠近」を買いに来ましたが「中近」の存在を知り、こちらにしました。
この後、乱視用のレンズのある/なしをテストしたり、遠近のメリット/デメリット、中近のメリット/デメリット、の詳細な説明をしてくださいました。
やはりどんなに「揺れない」を標榜している遠近でも、かけて見ると最初は揺れて見えるのは仕方がないようで。
そういう意味でも、最近は中近がよく売れている、
とのことでした。
プロ眼鏡屋のぶっちゃけ①なぜ業界は「中近」の存在をアピールしない??
ここで私は1つの疑問が湧きました。
しかし、中近、というレンズの存在を、わたくしども夫婦は不勉強ながら知りませんでした。そんなに便利なレンズなら、なぜもっと、メガネ業界さんは、その存在をアピールしないのでしょう。
すると井上氏は、苦笑いをしながら…。
本音を吐露してくれました。
それはやっぱり、メガネを売りたいからでしょう。
と、言いますと?
まずは遠近を売るんです。みなさん、遠近しか知らないから。遠近をください、ってくるから。そしてお客さんから、
「遠近を買って持ってるけど、揺れて見にくいなあ」
というお声が返ってきたら、
「実は中近ってレンズもあって…。」
とセールストークにつなげる。
「遠い時用はもう持ってらっしゃる。じゃあ今度は、もう少し近い時用、でこっちも作られたらどうですか?」
ってアプローチで中近のレンズを紹介する。そうするとお客さんは、
「あ、見やすい!!」
ってなって中近も買う、って流れになるんでしょう。これで2本目も売れる。
なるほど!!
私はそんなあこぎなマネはしたくないから、最初からこうやって中近の存在をお客様にお知らせして、お好きな方を選んでもらっています。
プロの淀みなき手際②フレーム選び
次はどんなフレームにするか?
井上氏はお方さまと面識があります。10本以上、候補を選んでくれていましたが、結局、決めたのは第一候補のデザインでした。
こちら。
井上氏の知り合いの工場で作っているMADE IN JAPAN のフレームだそうで、他の候補の外国製フレームに比べ、掛け心地が安定している、とお方さまの弁でした。
また樹脂の技術向上でフレームがかなり細く、軽量化にも成功し、MADE IN JAPANの面目躍如と行ったフレームです。
レンズはどうするのか?
井上氏は以前から「レンズは高級すぎるものを選ぶな」とユーザーにアドバイスしてくれています。度数が変わる可能性もある、傷がつく恐れもある、etc.etc。いろんな理由でレンズは途中で買い換える可能性がるから。
その中で、今回、井上氏が選んだレンズがこちら。
東海光学
東海光学さんはレンズ業界第4位のメーカー。
業界3大メーカー、ニコン、ホヤ、セイコーはいずれも外国で作っているレンズがほとんどですが、東海光学さんはMADE IN JAPANです。
やはり表面コーティングは日本製の方が強力。仕事用だと傷がつきやすいことを考慮すると、日本製レンズにこだわりたいですね
気になるお値段。
こだわった視力検査。
こだわった日本製フレーム。
こだわった日本製レンズ。
購入計画の段階で我々夫婦は5万円程度だろう、と腹をくくっておりました。
遠近(結果的に中近にしましたが)というレンズの特殊性などを考えるとこれくらいが相場か、と。
ところが…。
フレーム、レンズ合わせて26000円の消費税28,080になります。
半分、とまでは言いませんが、想定外の嬉しい価格で収まりました。
遠近のメガネが欲しいな…。と思っているあなたにこの記事が参考になれば幸いです。
注!!
井上さんがお一人で運営されているお店です。必ず事前に電話でアポを取ってからお店に行くようにしてください(╹◡╹)
「眼'Z(ガンズ)」
所在地: 〒542-0081 大阪府大阪市中央区南船場4丁目10−20 グランドメゾン西心斎橋308号
電話: 06-6251-5504