縁がなかった鯛焼きウルトラ
2015年6月23日。
第一回の鯛焼きウルトラが行われたその日は、僕が初めてサロマ湖100kmウルトラマラソンに参加した日でもありました。
鯛焼きウルトラピクニック。
関西素人ランナー界の中では知らない人がいないと言っても過言ではない、超有名人・たもんさんこと大本さんは、いつも鯛焼きのお面をかぶっていることで知られています。
この格好で、フルマラソンならサブ3、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンなども軽々と走破。
佐渡島一周200kmのウルトラを走った翌日、新潟県でママチャリを購入し、その足で大阪の自宅までママチャリをこいで帰って来たという伝説の持ち主。
「気は優しくて力持ち」を絵に描いたような方で、とても優しいお人柄で、出会ったみんながファンになる、そんな人物像。
個人で開催するウルトラマラソン、大企業がスポンサーについてくれるはずもなく、でもたもんファンのネットワークが可能にした大会なのでした。
最大の特徴が、リタイア禁止。
その代わり、走ることに飽きたら、電車に乗ろうが、バスに乗ろうが、自転車を借りようが、コースを外れて近道しようが、なんでもOK!!
もちろん、僕も参加したかったけど、サロマの当日と被ってしまうと流石に無理でした。
心臓手術と被ってしまった第2回…
第2回鯛焼きウルトラピクニックは、2016年9月4日に行われました。
その数日前、僕は会社を退職し、心臓手術に専念することにしました。手術は9月13日。
第2回も参加することは叶わず。
「鯛焼きウルトラとは縁がないな」
と思っていた、その時…
たもんさんから、一通の手紙が届きました。中を開けると…
博さん こんばんは!
先ほど博さんの投稿を見て、もうもう自分にはお世話になった博さんの病状がショックで…。でも一番大変な博さんが頑張っておられる中、できればラン友もたくさん参加するイベントに、一緒に走るのが無理でも、気持ちだけでも一緒に参加できたらと思い…。姉が病気のときに励ましてくださった博さん。また無事に手術を終えられて一緒に走られることを楽しみにしています!もちろん、走る、いや、歩いて参加でも大丈夫ですので!!一緒に、これからも…よろしくお願いします タモン拝
というお手紙とともに、僕は参加表明さえしていない、第2回鯛焼きウルトラピクニックのゼッケンとプログラムとミサンガが入っていました!!
もう僕は嬉しくて嬉しくて、手紙を読みながら涙が止まりませんでした。
手術で入院しているときは、このミサンガとゼッケンをお守りがわりに病室において手術に臨みました。
第3回、恩返しをしよう!!
そして、第3回鯛焼きウルトラピクニックは、従来までの大阪市内の開催とは打って変わって、なんとしまなみ海道で開催するとのこと!
数年前まで、しまなみ海道でウルトラマラソンが行われていたけれども、諸事情で終了してしまった、ということは知っていました。
何人もの友達がしまなみ海道のウルトラがどれほど素晴らしい大会だったか、を熱く語る場面にも遭遇したことがあります。
たもんさんはそれを復活させたいんだ…
いかにも心優しいたもんさんらしいチャレンジ。
去年、僕の心臓手術をおもんばかって、僕の心だけ連れて、一緒に走ってくれたたもんさん。
何としても恩返しをしなければいけない。
お方さまもなんとか都合をつけて、仕事が休めるようになりました!
フルーツ準備と当日の寝坊と(^◇^;)
4月19日の天気予報は真夏の暑さ。フルーツエイドは必須エイドの様相を呈してきました。加えて氷も水も必需品。
ランナーの数は80名。数は少ないものの、エイドに寄る人は多いはず。全ランナーの半分がエイドに寄ると仮定して、水都大阪の時の1.5倍の量を準備することにしました。
新鮮なフルーツが安いVEGEVEGEさんという八百屋さんにて。
河内晩柑(熊本県産のグレープフルーツ)を24個。
清美オレンジ(みかんとオレンジの交配で生まれた柑橘)30個。
キウイ10個。
アメリカ産レッドグローブ(皮ごと食べられるぶどう)5房
を購入。
痛まないよう、当日まで我が家の冷蔵庫を独占状態…(^◇^;)
そして前日夜!慣れてきて手際の良くなったお方さまは、あっという間に大量のフルーツのカッティングを終わらせました!
この作業を終了し、床についたのが19日の午前1:30。
目覚ましセットは3:00。
起床、3:50。(^◇^;)
大急ぎでクルマに飛び乗り、いざ!しまなみ海道へ!!
ゲオ因島店前エイド
事前に、コース地図などから、因島(いんのしま)の一部でエイドが途切れてランナーが辛くなりそうな地点を把握していたので、カーナビにはその地点をロックオン!
「ゲオ因島店」へ!!
ちょうどゲオの斜め前が更地になっていたので、そこで車を停めてミニエイドセット!
フルーツエイドは思いの外、ランナーさんから好評をいただき…
2011年の神戸マラソン以来の再会となる友人と、伯方島で会い、
▼真木さん(左端)。医者から「もう二度と走れません」と宣告されながら、特殊な膝の手術で、フルマラソンどころか、60kmのウルトラの距離まで走れるまでに復活。
▼伯方島エイドの誘惑…(^◇^;)
▼この鯛めしは、プロの方がお造りになられたそうです!
伯方島から大島へ向かい、次のエイドポイントを探しました。
大島海岸線エイド
バラ公園前でエイドをされている、たもんさんの奥さんからのアドバイスで、その先の海岸線でのエイドを決意。
ここでもランナーさんは、フルーツエイドを喜んでいただきました!
走り去るランナーたちのロマン
エイドは楽しく、やりがいもあって、素晴らしい経験ができました!
たもんさんに恩返しもできて、やってよかったと心から思いました!!
ただ…
エイドをやって痛感したことは…
遠く、遠く、からやってきて…
そして、旅を続けるため、走り去って行くランナーの後ろ姿は…
胸が熱くなるくらいにカッコよく…
ロマンに満ち溢れた姿でした。
もう一度、あちら側になりたいな、と心から思いました。
さあ!また練習しよう!