僕が京都で学生時代を過ごしていたのは、もう30年も前の話だ。
同志社大学に通っていたのだが、安い下宿を探して、京都大学のそばの近衛通り付近に下宿していた。
下宿を初めてすぐに、友人が訪ねてきてくれた。当時は今ほどコンビニもなく、東山丸太町の角に一軒あるだけだった。僕の下宿から歩いて10分ほどかかったが、それでも当時は「便利なものができたなあ!」と思っていたものだった。
友人が来てくれたのが夜の9時頃で、二人でそのコンビニまで歩き、食べ物や飲み物を調達した。
歩いて帰る道すがら…
『野菜カレーの店』と書かれた看板を発見した。
「野菜カレーだってよ!食ってみようぜ!」と福島県出身の友人は叫んだ。
残念ながらその時は野菜カレーは売り切れで、僕はドライカレー(当時はこのメニューもありました)、友人はビーフカレーを食べた。その美味しさに、僕も友人も魅入られた。
それが僕と「ビィヤント」さんとの出会いだった。
【カレー専門店 ビィヤント】
京都ならではの、うなぎの寝床的な店の作り。入り口はとても狭く、細長い奥行きが特徴の店内。カウンター席のみで、椅子は10席あるかないか。
現在、ライスはターメリックで黄色く着色されていて、これがまた食欲をそそるのだけど、僕が初めて入った頃は確か白ご飯だった。
ビーフカレー、チキンカレー、ベジタブルカレー、シーフードカレー、の4種類がある。ビーフのみは甘口、中辛、辛口を選ぶことができる。学生時代に、
「ここの辛口って、めっちゃ辛いね!」
とおばちゃんに言ったら、
「辛さは私のその日の気分次第や!」
とおっしゃってたことを今でも覚えている。ちなみにそのおばちゃんは先日お邪魔した際もカウンターにいらっしゃった。
僕はいつもシーフードを選ぶ。お方さまはベジタブルカレーをチョイス。
このお店で絶対に外せないのがカツのトッピングだ。
カツは目の前であげてくれる。パン粉が細かいので油をそれほど吸わず、カラッと揚がっている。それが薄めのお肉を覆うので、ミラノ風カツレツのように、サクッとした歯ごたえになる。
そのカラリ、サクサク状のカツが、シャバシャバ系のカレーとあわさって、他にはない味わいとなる。
▼シーフードカレーにカツをトッピング
▼ベジタブルカレーにカツをトッピング。大きな冬瓜が柔らかく、カレーのエキスを吸って美味しい。
カレーの味は、スパイスを複雑に効かせた、という種類のものではないが、実に独特の味だ。
大阪からなので、年に2〜3回しか食べにこれないので、来たら必ずテイクアウトも買って帰ることにしている。
▲定休日と営業時間が変更になっています!
定休日は土曜日になっています!
営業時間は22時まで、ラストオーダーは21:45です!