走れダイエットランナー!

ポンコツ夫とポンコツ嫁はん。ランニングで健康維持しつつ映画やテレビ見ながら言いあらそうブログです。

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僕とお方さまの、"HANA-BI"旅。 再び、生きるための旅日記・3日目 【美しく、美味しく、そして優しき山形の巻】

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前回まで:

 

dietrunner.hatenablog.com

 

 


ニューミヤコホテルのコスパは最高だ。朝食350円は緊縮財政状態の身には嬉しかった。

 

 

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快晴の渡良瀬川をあとにして、8:30、山形へ向かう。3カ月前、日帰りで訪れて、必ずや再訪すると誓った山形へ。約4時間のドライブだ。

 

 

 

 

2016年7月10日。僕は人生を変える決断をせねばならなかった。ずっと努めてきた仕事を辞める決断を。しかも早急に。

 

その時に思ったことは…

 

「オスカルくん夫妻に、会いたい」

 

だった。

 

そのわずか半月前、6月26日に会ったばかりだったのだが。

 

ランナーの聖地・サロマの道の上で。

 

2度目のサロマへの挑戦も、心臓病を抱えての僕のチャレンジは、2度目の失敗で終わった。

 

一方、同じくリベンジを誓って走っていたオスカルくん。

 

しかし彼女も、複雑な病から立ち直り、わずか4ヶ月しか経っていなかった。満足に練習できていたとは言えなかった。

 

スタートしてからも調子が悪く、とても完走できるとは思えないペースで走っていたのに…

 

完走したのだ。制限時間13時間の100kmを、わずか51秒前に。

 

いったいあの日、何があったのか。なぜ、彼女は完走できたのか。

 

それを聞きたかった。それを知らずに死ぬわけにはいかなかった。

 

だから3ヶ月前、ほとんど思いつきで、僕は飛行機に飛び乗って、山形へと向かった。大阪から山形を、日帰りで旅した。

 

そして、オスカルくん夫妻から、あの日のお話を伺った。

 

魂が震えるようなお話を。

 

日帰り旅では、とてもすべてを聞き終える時間はなかった。

 

僕は再訪を誓って、山形を離れた。

 

「仕事を辞めて、心臓手術して、退院したら、必ずまた山形を訪れよう!」

 

それが、入院している間の僕のモチベーションだった。

 

 

 

 

オスカルくんこと山口馨・勇次ご夫妻が我々の訪問のために時間をあけてくれている。到着が昼頃になるため、昼食のそば屋さんで落ち合うことにした。

 


前回、山形のそばを食べて、その美味しさに魅了されたわれわれは、今回もどこか美味しいそば屋の紹介をお願いしていたのだ。

 


「昭和屋 そば琳」

 

今回、オスカルくんご夫妻が勧めてくれたこのお店に決め、ナビの目的地にセットした。

 

 


とにかく快晴!ドライブも気分爽快だ。

 

「問題です!」

 

お方さまのクイズコーナーが始まった!

 

「吉本芸人からの問題です!」

 

「はい!」

 

チュートリアル徳井義実がピンの時に演じる外国人キャラの名前をフルネームで答えよ!」

 

「ええー?!なんやったかなあ…」

 

「チック!タック!チック!タック!」

 

「なんちゃらー、なんちゃりっく、なんちゃらー、やっ!」

 

「ブブー!正解は、ヨギータ・ラガシャマラン・ジャワディーカ、でしたぁ〜!」

 

「ファック!」

 

「第2問!」

 

「はい!」

 

「『生駒の山頂から奈良側に蹴り落とすぞワレー!』でおなじみの芸人の名前をフルネームで答えよ!」

 

「アレや!アレ!『和牛』の!水田やない方や!」

 

「チック!タック!チック!タック!」

 

「なんちゃら、なんちゃ夫、やっ!」

 

「ブブー!正解は、川西賢志郎!でした!」

 

「おまえしか知らん名前のオンパレードやん!」

 

「麗子エピソード問題です!」

 

「はい!」

 

「麗子が幼稚園の時、父親の喜一が先生から怒られました。それはなぜでしょう?!」

 

「ええー?!それは知らん!聞いてない!」

 

「チック!タック!チック!タック!」

 

「幼稚園児なのに、アゴで他人を使う?!」

 

「ブブー!正解は、泥んこ遊びの日なのに、着替えを持ってこなかった、でしたぁ!」

 

「知らんがな!」

 

「パンツまでドロドロなったから、ノーパンで帰ってん!」

 

「破天荒かっ?!」

 

那須高原SAでトイレ休憩、とにかく天気が良い!

 

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そば琳さん到着直前、大きな川の河原で、100人以上の集団が、巨大な鍋を中心にパーリーを開催している。

 

芋煮だっ!

 

われわれもアホではない。ピンときた。

 

山形ケンミンはホンマに芋煮でこんなに集まるんや!すごい!

 

さて、そば琳さんに到着。古民家風の、実に趣きのあるお店の中から、オスカルくんが手を振っていた。

 

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3カ月ぶりの再会だ。

 

この3カ月の間に僕の人生は一変した。

 

仕事をやめ、心臓の手術をした。

 

生きてまた、この2人に会えた。

 

お二人はともに、昨日、届いたばかりという、サロマ湖100kmウルトラマラソンの完走Tシャツを着て来てくれていた。

 

なんでも、プリントミスがあったらしく、出来上がりが1カ月以上遅れたらしいのだ。
背中には、サロマ完走時のタイムが染め抜かれている。

 

「12:59:08」が旦那さん。

 

「12:59:09」がオスカルくん。

 

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13時間制限のレースで、残り1分を切ってゴールしたのだ。

 

今回のサロマ、僕は完走出来なかったが、この2人の頑張りを間近に見られて、深く心を動かされた。

 

馨さんをゴールさせるため、併走を決めた、サブ3の脚を持つ勇次さん。

 

レース当日。疲労のため絶不調の馨さん。

 

引っ張るはずの勇次さんが、その上を行く絶不調。わずか10km地点で、経験したことのない足の激痛に襲われる。

 

中間レストで2人を見た時、僕は確信した。ゴールは無理だと。

 

馨さんは、事前に決めていたペース配分には程遠いペースでしか走れない。でも諦めなければギリギリ間に合う、そう信じて走り続けた。

 

経験したことのない激痛にさいなまれ続けていた勇次さん。本人はこの痛み、どこかで消えると思っていたが、結局、最後まで消えなかった。

 

「リタイアしようとは思いませんでしたか?」

 

僕の問いに対し、勇次さんは熟考の末、口を開いた。

 

「馨をゴールに連れて行くなら、足の1本ぐらいくれてやる、と思っていました」

 

この3カ月前のやり取りに、われわれ夫婦は強く心を動かされた。

 

今回訪れたのは、もっといろいろあの日のことを聞きたかったからだ。

 

さて、そば琳さん。

 

メニューはほとんどそばだけだ。

 

関西人の我々には、そばという文化がない。3カ月前の山形での驚くべきそば経験のあと、大阪の八尾でいちばんと言われるそば屋さんに入ってみた。

 

一口、食べてみて…。

 

…う、うーん。

 

言いたいことはわかる!決してマズくはない。魂こめて、そばを出そうとしてくれている!そば屋さんの志しは強く感じる!

 

しかし…。

 

もはや、そば屋さんのテクニック云々ではなく、きっと、そばの実を育てる大地が、山形と大阪では、山形の方が強いのだろう。

 

根っこの違いを感じた。山形のそばは、大阪のそばより、はるかに力強く感じた。

 

そば琳さんのそばがきた。

 

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通常よりさらに細いおそばだ。

 

1本1本が細い宝石のように光っている。

 

10本ほどいっぺんに箸でつまんで、つゆつけてズルズルっ!なんてしたらバチがあたるような気がした。

 

口に含む。実に美味しい。細いのに、とても力強い。弾力があり、風味が強い。関西では味わえない味だ。

 

本当に1本ずつ食べるくらいに丁寧に食べたのに、あっという間になくなってしまった…(T . T)

 

さて、そば琳さんを出た我々に、オスカルくん夫妻は山形の名所である「御釜」を案内してくれるという。

 

 

約1時間、クルマを走らせる。かなりの山道を登る。

 

広大な駐車場を降りると…。寒い!!むちゃくちゃ寒い!

 

フリースを着ていたが、さらにダウンを取り出し羽織った。

 

一方、オスカルくんはと言えば…。

 

なんと!履いてた長ズボンを脱ぎ、半ズボンになっている!

 

もちろん上は、さっきのTシャツのまま!半袖Tシャツだっ!!

 

われわれ夫婦はここからリフトで頂上まで登るのだが、オスカルくん夫妻は軽いトレラン代わりに走っていくという。

 

リフトに乗り、約10分で頂上。

 

頂上は風を遮るものが何もなく、強風にさらされている。体感温度は零度を下回っている。

 

そんな中、半袖・半ズボンでゲラゲラ笑っているオスカルくんって…(^^;;

 

▼体感気温0度以下、強風。フリース+ダウンのお方さま、勇次さんでさえウインドブレーカーを羽織っているのに、一人、半袖、半ズボンのオスカルくんって…(^◇^;)

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たくさんの観光客が、彼女とすれ違うたびに、奇異な視線を送っている…。

 

われわれはダウンジャケットを着ているが、それでも長居は禁物の寒さだ。火口湖である御釜はハッキリ見えた。天気が悪いとまったく見えないらしい。ラッキーだった。

 

蔵王連峰にある火口湖・御釜。これだけはっきりと観れることはラッキーらしい。

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その後、山形県観光物産会館へ寄る。目的は芋煮だ。山形の味を我々に食べさたいと思い、寄ってくれたのだが、残念なことに芋煮は売り切れだった。

 

山形ケンミン、どこまで芋煮が好きやねん!!

 

いったんオスカル家へと向かった。

 

旦那さんが愛犬の散歩をしている間に、お方さまが、ドク直伝のドリル(ランニング練習前に行う、準備運動と基本動作確認)をレクチャーする。

 

オスカルくんの飲み込みが早い!1度聞いただけですぐコツを飲み込んでいた!

 

僕のクルマに全員で乗り込み、近所の居酒屋へ。こうすることで、酒が飲めない僕以外、全員が飲酒できるための措置だ。

 

「えーっと、まず、芋煮下さい」

 

「すみません、芋煮、売り切れでして…」

 

ええーーっ!!山形のすべての芋煮がすでに食べ尽くされたんちゃうん?!

 

居酒屋で2時間、今年のサロマ湖100kmウルトラマラソン、6月26日のあの日、サロマで、ワッカで、何があったのか、何を考えながら走っていたのか。間に合うと本気で考えていたのか、絶望を抱えながら走るのはどんな気分だったのか、完走を確信したのはいつなのか。

 

細かい話を聞いた。オスカルくんも、旦那さんも、真剣に思い出し、話してくれた。

 

実に興味深い物語であった。

 

いつの日が、この物語を書いてみたいと思った。

 

オスカルくん夫妻を送り届けた。再会を誓い、握手を交わした。

 

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山形国際ホテルへ。お方さまも僕も疲れ果てていたが、明日のホテルの手配がまだだ。

 

明日は福島を回りたい。その後、生シラスを食べたい。静岡の由比港あたりが有名らしい。

 

お方さまがiPhoneを使って調べる。

 

「福島から由比港まで4時間くらい。由比港で晩御飯食べて、さらに関西に近い方面に移動して、焼津あたりで宿をとろう」

 

じゃらんで調べると、けっこう宿は空いていた。藤枝駅前のホテルを抑える。

 

最後の宿の予約もできた。安心して、2人とも眠った。

 

しかしこの時、我々はすでに、この旅で最大のあやまちを犯していたことに、まだ気付いてはいなかったのであった…

 

(旅日記・4日目 前編に続く)

 

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