近鉄の鶴橋駅で降りた経験がある人なら、あの独特の匂いの印象は強烈だと思う。
関西最大のコリアンタウンである鶴橋は、駅の真下にすでに焼肉屋さんが軒を連ねているので、その店舗から焼肉の匂いが溢れるように周辺に漂い、駅の構内にこれでもかとばかりに渦巻いている。
夕食を前にしたサラリーマンにとっては強烈すぎる匂い。
▼近鉄・鶴橋駅の西出口を出たら、そこはもう鶴橋・コリアンタウン。
▼駅を降りると、どこか異次元の感覚。「千と千尋の神隠し」の主人公にでもなってしまったかのごとき、極彩色が視覚を迷わせ、飛び交う異言語は聴覚を惑わせる。
▼GW中ということもあり、観光客も多い。
▼焼肉店ひしめく中、パフェで有名なカナリヤさん。2時間待ちもザラとのこと。
▼鶴一さんを横目で見ながら、猥雑な商店街を抜けて。
駅の真下の商店街にもたくさんの焼肉屋さんはあるが、客引きも多く、どちらかといえば観光客相手、という姿勢が強い。
商店街をでて上本町方面に歩けば、落ち着いた雰囲気の焼肉屋さんが点在している。
▼海南亭は、最近解散した某国民的アイドルグループ御用達の焼肉屋さんとして有名だ。
▼今日のお店はその横にある「明月館」。キング・オブ・鶴橋、と言っても過言ではない。
▼鶴橋駅から徒歩10分弱。
▼お肉は言うに及ばず。単品料理、冷麺、なんでも美味しいとの噂。
▼メニュー。
▼さりげなくメニューに載っているユッケの文字が嬉しい(さすがにちょっと高いけど)
▼もちろん真っ先に注文はユッケ。甘いタレと新鮮な生肉の、濃厚かつあっさりな、唯一無二の旨さ。
▼焼肉屋さんの姿勢がわかる一品、もやしナムル。これがシャキシャキ美味しいか、手を抜いているかでそのお店の姿勢が一発でわかる。さすが明月館、な一品でした。
▼塩タン。お肉の新鮮さで、お皿が絵画のよう。
▼焼き上がり。コリコリ感と柔らかさを併せ持つ。
▼焼き物は3種類注文。ロースとハラミとカルビ。
▼焼き上がり、ロース。
▼カルビ。脂身もくどくなく、とろけるような味わい。
▼ハラミ。
▼肉厚のお肉も、あっという間に焼けてしまう。
▼僕は下戸につき、アルコール類は興味ないが、お店自慢のマッコリは、こんな容器に入ってきます。
▼トングも独特の形状。
美味しく食べていたが、ここでトラブル発生。
締めに頼んだ料理が20分以上、出てこない。
いくら何でもおかしい、と思い、たずねてみたところ、注文が通ってなかったことが判明。
いとこはお怒りモード。僕たちの連れはもう食べ終わっているので、このままキャンセルして出ようか、という話になったところ…
売り場責任者は別の対応をしていたため不在、すぐにその下のマネージャーが我々のテーブルにすっ飛んできて平身低頭で謝罪。
僕たちの注文とは、
いとこが「冷麺(中)」
僕とお方さま二人で「冷麺(小)」と「カルビクッパ」
であった。冷麺は時間がかかるのはわかっている。食べ終わって待っている連れのこともあり、マネージャーにどのくらいでできるか聞いたところ、
「10分から12分で!大至急で作らせます!」
と必死の返答。その誠意ある対応と、連れの
「あたしらナンボでも待ったるよ〜」
の言葉に甘え、最後の注文を待つことに。
その注文は結局、10分もせずに出てきた。
▼冷麺はクセがなく、透明感あふれる味。明月館にきたら必ず頼むべき一品。
▼カルビクッパは逆に、他の焼肉屋さんとは違う味。辛そうに見えるが辛味はほとんどなく、コチュジャンの甘みと野菜スープの甘みの深い味わい。これも、他の店にはないカルビクッパ。美味しい!
さすが一流店、と思わせたのはやはり、トラブルに対する迅速で誠意ある対応だ。もめたのはほんの少しの間だけで、そのあとは同じように楽しく過ごせた。
鶴橋最高の焼肉、の噂はダテじゃなかったです!!