こちらの記事でもご紹介しましたが、
バチェラー・オブ・シューフィッターとしてのお方さまの座右の銘は、
「良い靴とはフィットした靴のことである」
です。
上級シューフィッターとワラーチ
去年の6月にルナサンダルを購入すると、すっかり出番がなくなってしまった、お方さまの手作りワラーチ。
ルナサンダルはかかとのベルトの一部がゴムになっているので、脱着が極めて楽。
手作りワラーチは、脱着のたびに紐を結びなおさねばならず、けっこう面倒。
さしもの上級シーフィッターも、ルナサンダルのヘビーユーザーに。いつしかワラーチは履かなくなりました。
脱着が楽なワラーチの紐
最近になって、「ワラーチの紐を、100均のヘアーゴムにすると脱着が楽」という情報を仕入れ、久しぶりに、はかなくなったワラーチにヘアーゴムを通してみたお方さま。
紐全体がゴムなら、確かに脱着は楽。
ゴム紐のデメリット
しかし、全てがゴムだと、ゴムの特性がはき心地の邪魔をします。ゴムの伸縮性が災いし、足が固定されないのです。
特に問題と感じたのが、「前滑り問題」。
鼻緒部分もゴムなので、走った時など、前足部で着地したら、鼻緒のゴムも前に伸びて、足がワラーチの上で前滑りをしてしまいます。
これは靴のフィッティングでも、最大の問題点の一つです。甲や母子球部分でフィットできていない靴は、靴の中で足が前滑りを起こします。これはフィッティングの最大の敵の一つ。前滑りを起こす靴は、フィットした靴ではありません。
また、「かかと」と「甲」の部分もゴムのため、かかとを上げた際にサンダルがついてこない、「浮いた」状態になります。
高フィット+楽な脱着の結び方?
真田紐で結んでいた際のフィット感に比べたら、ゴム紐によるフィット感は緩くなってしまいます。
一方で、ゴム紐によるワンタッチ脱着、という考え方は素晴らしい発想。
この、
真田紐のフィット感とゴム紐のワンタッチ脱着の良さを併せ持つ結び方はないだろうか
との考え方から、お方さまは自分なりの結び方を考えるようになりました。
試行錯誤の日々
鼻緒部分だけを真田紐にして、残りをゴムにすると…
鼻緒の前滑りは無くなりましたが、かかと部分がついてこない、など問題点も多く、これは失敗です。
さらなる問題点
この時、気づいたこととして、
横滑り問題
に気づきました。
これは実は、ルナサンダルでも感じていたことです。
横滑り問題とは
ルナにせよ、ワラーチにせよ、
鼻緒から伸びているベルトが一本のため、左右へのブレがある
という問題があったのでした。
意外な糸口
この問題の解決は、例の200円ワラーチを作った際に閃きました!!
実はあの200円ワラーチは、想像以上に優れた履物なのでした!!
ビーチサンダルは鼻緒が「ハ」の字に別れているので、左右が安定し、履いてても横のブレが全くないのでした。
つまりワラーチの紐も、一本ではなく、鼻緒から2本、左右に出せば、左右への安定感が増すはずです。
こうして考え方がまとまりました。
「鼻緒から『ハ』の字に紐を出し、部分的にゴムを使って脱着を楽にする」
こうすることで、フィット感が抜群で、かつ、脱着も楽、というワラーチが出来上がるはずだ!!
様々な試行錯誤を繰り返し、ついに見つけました!!
もっともフィット感が安定し、かつ、ワンタッチで脱ぎ/履きができる紐の締め方!!
詳細は、次回アップしますね!!