ついに最終回を迎えた「陸王」。
最終回は、正直なところ、ツッコミどころが満載で。
「あんな状況、ありえへんやろ!!」
って何度も画面にツッコミましたが!!
それでも、作り手たちの熱い思いが伝わってくるのがわかりました!!
わかっていても手に汗握り、熱い場面には作り手の思惑通り熱くなってしまう、すばらしい最終回だったと思います。
御園とアトランティス
フェリックス社長の御園は、アトランティスの小原部長と会食、こはぜ屋買収交渉が決裂した報告をします。
その席で、御園は、仮にこはぜ屋買収が成功していたとしても、アトランティスと組む気はなかった、と小原を突き放し、袂を分かちます。
視聴者に御園の真意を計らせないため、わざと小原と御園の密談シーンを挿入していたドラマ版陸王の、ひとつの種明かしがされました。
御園は小原のような腹黒い人間ではなく、正しい選球眼でビジネスを進める人間である、という彼の人格が、この場面で明らかとなります。
城戸監督の一喝!!
先週、みんなで必死に作り上げた、最後の陸王。
それを届けに行った村野と大地でしたが…。
城戸監督に一喝されます。
RⅡを進めたのは村野さんじゃないですか。これ以上、あなたたちの自己満足には付き合っていられない!!
城戸監督、まことに正論です。大会に集中したい時期に、これ以上、茂木に雑音を聞かせたくない。
悪役、丸くなりすぎ(^_^;)
最初はあんなにイヤな奴だった、銀行員の大橋が、いつのまにか「イイ奴化」していましたが…。
なんと、大橋の上司・家長支店長までもが…。
シルクレイの特許に興味を持ちそうな企業にアタリをつけてくれていました。
やはり、テレビドラマということで、こう行った演出が好かれるのでしょうか。
家長支店長くらいは、ずっとイヤな奴でいて欲しかった気もしました!!
御園からの逆提案
「後悔するのは、あなたの方だ!!」と先週、宮沢社長に啖呵を切られながら、シルクレイを諦めきれない御園社長。
彼のビジネスに対するまっすぐな目線は小原と袂を分かったことでわれわれ視聴者にも伝わっていました。
彼の新しい提案。
①設備投資に3億円の融資。
②返済期限は5年。
③3年はフェリックスから十分な受注を保証。
④最後の2年は保証しない。
⑤5年で返済ができなければ、子会社化。
ケンカ別れした会社にもう一回…。(^_^;)バツ、悪かったやろうなあ…。
全員一致
フェリックスからのこの提案に対し、宮沢社長は
「本当の『負け』とは、挑戦することをやめた時だ!!」
との意気込みで受諾したい旨、全員に伝えます。そして全員一致で、この融資を受けることに。
交通費だけで約36万円…(^_^;)
茂木が出る「豊橋国際マラソン」に応援に行きたいこはぜ屋の面々。
宮沢社長は、茂木がRⅡを履くと知りながら、皆を豊橋に連れて行くことを約束します。
ざっと、埼玉県の行田市から、愛知県の豊橋市まで行く交通費を計算してみました。
片道約12,000円…。往復24,000円…。
あのとき、画面に映っていたこはぜ屋の面々は、社長を入れて11人。さらに、玄さん、飯山、村野、などを入れると、最低でも15人。
24,000円×15人=360,000円…。
自分の会社の製品が使われてもいないのに、会社のお金をそんなに使っていいんですか、社長?!(^_^;)
圧巻の市川右團次
監督の目を盗み、陸王を茂木に届ける村野。市川右團次、圧巻の演技が胸に迫ります!!
もともとみんな、お前に履いてもらうためにこの一足を作ったわけじゃないんだ。ただ、持ってくれているだけでいいから、と。
お前がRⅡで走ることを知りながら、それでもみんなお前のことを、茂木裕人を応援したいと言ってくれた。その陸王は、そういう連中の、気持ちそのものだ。だからオレは…。
すまん茂木…!!どうしてもコレを、お前に届けないワケにはいかなかった…!!
大地の成長
ドラマ版陸王の最大の特徴の一つが、社長の息子・大地の成長を丁寧に描いている点です。原作には、大地はそれほどは登場しません。
今旬の山崎賢人を配役したので、丁寧に描くことで見る人を喜ばせることができると踏んでの演出でしょう。
大地の成長物語として見る陸王は、また違った面で見ごたえがあります。
ひねくれた子供だった彼が、徐々に社会人として、人間として成長し。
こはぜ屋にとって、なくてはならない人材にまで成長し。
ついには、第一志望だったメトロ電気の中途採用の最終面接にまでこぎつけます。
瀬古さん、まさかのマラソン関係者じゃない配役…(^_^;)
茂木の決意
竹内涼真、抑えた演技の中に感情を爆発させ、本音をぶちまけるシーン。ついに、茂木が何を履くのか、視聴者が知ることになります!!
今のこはぜ屋さんは、2年前のオレなんです。こはぜ屋さんは今、生きるか死ぬかの厳しい状況の中で、必死に這い上がろうともがいている。
もしオレが陸王を履かなかったら、それはオレが苦しい時に、背を向けて行った連中と同じですよ。俺は自分が信じたものを、信じた人たちを、ずっと信じていたいんです。
このシューズを履かなかったらそういう自分自身も、裏切ることになる!!
お方さまの"余計な"ヒトコト。
あんなヒモ、もらってもなぁ…。素人が編んだ靴紐なんか、危なっかしくて靴に通されへんし…。「お守りに、持っておいて!!」って言われても、レース用の短パンにポケットなんか、ないしなぁ…。
お前は「感動する」とか、ないんかっ??!!
豊橋国際マラソン
契約を破ってまで陸王を履いた茂木。それを見た佐山はスタート前に茂木にクレームを入れようと飛び出しますが、城戸監督に止められます。
あいつらは損得勘定抜きで、命けずって走ってるんだ、
その邪魔をするなぁぁ!!
城戸監督、渾身の一言。さしもの佐山もその迫力にたじろぎます!!
日曜日なのに、スーツな2人!!
レース運び
茂木は上り坂まで体力を温存し、先頭集団に追いつくという冷静なレース運び。
対する毛塚は給水を飛ばしてまで先頭に追いつこうとし、次の給水を取り損ねてピンチに立たされます。
そんな毛塚に、自分のドリンクを渡す茂木!!
なんてスポーツマンシップ溢れる行為なんだ!!
「なぜ一般の給水がないんだ?」
とか、ツッコミたくはなるけど!!
純粋に感動しよう!!
そして、いつしか2人が並んで、笑顔を浮かべながら走るこのシーン!!
憎み合い、いがみ合いながら、心のどこかで認め合っていた2人の、正直な感情が現れた、素晴らしいシーンです!!
映像だからできる、美しいシーンですね!!
お方さまの"余計な"ヒトコト。
試合中なに笑ってるねん!!
(妻に)お前は黙っとけ!!
レース後半、俳優陣、魂の演技!!
レース後半、自分と同じ箇所を痛めてリタイアする先頭ランナーを見て、動揺する茂木。
そして同じくらいに動揺する右團次さんのセリフ回しは、完全に歌舞伎のそれでした!!
動揺する茂木の隙をつき、毛塚が速度を上げ、反応できない茂木!!
そこにこだまする、宮沢の応援!!
その声に蘇る、茂木の闘志!!
全身全霊を込めた、俳優陣のパワーを感じました!!
ラストはもちろん、僅差で茂木が勝利し、因縁の対決を制します。
2人はガッチリと握手をして、これまでのわだかまりを水に流します。
優勝インタビュー
優勝インタビューの冒頭で、チームメイトのおかげ、とはいうものの、そのほとんどをこはぜ屋さんへの感謝の気持ちを述べる茂木。
そこは監督にもっと感謝すべきだろ!!
「この優勝を、こはぜ屋に捧げます」と茂木が言ったところで…。
無人のこはぜ屋の電話が鳴り響きます…。
留守電ぐらいつけとけ〜ー!!(笑)
エピローグ
アトランティスの小原部長は、どんどんサポート選手が減少していく責任を本社から追及され、左遷の通告を受けます。
彼の金魚のフンだった佐山からも見限られ。
一方、メトロ電気に合格した大地はこはぜ屋で働きたい、と父に言うものの、大きな世界を見てこい、と父に送り出されます。
埼玉中央銀行の家長と大橋は、3億円の融資で増設したこはぜ屋の新工場に驚き、宮沢に敬意を表し。
フェリックスが新しいダイワ食品のスポンサーになり。
平瀬はダイワ食品陸上部のコーチ。
こはぜ屋は順調に売り上げを伸ばし、社員も20人から60人に。
茂木は新しいデザインの陸王を履いて、オリンピック選考会のスタートを切る…。
と言うところで終わりました。
上にも書きましたが、悪役だったはずの銀行の支店長やその部下、ライバルの毛塚、などがどんどん丸くなっていき、主人公と心を通わせる仲になって行ったのが、やや意外でした。
本当の悪役はアトランティスの小原ただ1人になってしまって。佐山にまで去られてしまって、ちょっとかわいそうでした。
それらも全て、日本人の心情に沿うように、考え抜かれたドラマの展開だったのだと思います。やはりラストは、胸が熱くなりました。
本当に楽しませてもらった3ヶ月でした。ありがとうございました!!
PS
こはぜ屋謹製のランニング足袋シューズ、つまりは陸王の現物を5人にプレゼントだそうです!!
サイズがなんと、26.5cm×2足、28.0×3足だそうですが…(^_^;)レディースは一切なし。
大晦日まで受付だそうです!!