妻:エルちゃんのこと覚えてる?
夫:忘れるわけないやん!!!
注:エルちゃんとは、4年前、天国に旅立った、お方さまの愛犬。享年15歳だったシェルティ(コリーによく似た牧羊犬)
妻:めっちゃ頭のいい、行儀もいい、良い子やったなあ。
夫:そうやったなあ。ほんまに賢い子やったわ。
妻:あの子でも、初めてあんたを見たときは吠えてたよな。
夫:うん。牙むき出して吠えられた!!!『不審人物、発見しました!!!』って犬語で言うてたわ。
妻:でも頭がいいから、すぐアンタのことも家族やってわかってくれたな。
夫:うんうん。すぐに馴染んでくれた。あの頃はオレもまだデブやったなあ。
妻:アンタが遊びに来たら、エルちゃん、いっつもアンタの手ぇ舐めてたな。
夫:うん。オレが家に入るやん?ほんだらエルちゃん、『いらっしゃい!どうぞこっちへ!』みたいな空気だして。オレはエルちゃんの前に座って、エルの顔の前に手ェ置いて。ほんだら、その手の甲を、ずーーーーーーーっと、舐め続けてた。
妻:ほんまに、ずーーーーーーーっと舐めてたなあ…。30分以上舐めてた。
夫:うん。手の甲がふやけるまで舐めてた。賢い子ぉやのに、あの行動だけは不思議やった。オレが、「はい、もう終わり」って言って、手をどけようとしたら、エルちゃんが怒って、『動かすな!』って感じで前足でオレの手をロックした。
妻:あの行動やけど、いとこのH子が言うには…
夫:うんうん。
妻:『デブやから、良いダシが出てた』らしいで。『たぶん、豚骨味の』やって。
夫:…。エルちゃん、オレで豚骨ラーメンを食べてたんや…
▼エルちゃん(実物)