ラストの意味がわかったとき、思わず
ハッ!!
と息を飲みました!!
答えはファーストシーンから提示されていたのに!!
最後まで、全く気づかなかった!!
見事、としか言えない展開!!
そして柴咲コウ、橋本愛という二大女優が花を添えた、実に素晴らしい回でした!!
「彼女に言おうと思う」
冒頭、聡史と呼ばれた男性は、騒々しいバーの中で1人、悩みを抱えて酒を飲んでいる。やたらノリのいい男・翔に
「やっぱり彼女に言おうと思う…」
と言うと翔は、
「かえって彼女を傷つける」
と忠告。
その帰り道、聡史はクルマにはねられ…。
意識不明の重体
dele.LIFEでは、山田孝之演じる坂上圭司がいつもと違い、よそ行きの服を着ている。そこでパソコンが鳴り…。
72時間依頼者のパソコンが操作されていない場合、データ消去
の警告音。依頼主は冒頭の聡史。
菅田将暉演じる真柴佑太郎は聡史の死亡確認のため自宅へ。
そこで、赤いワンピースが印象的な、橋本愛演じる百合子と出会い、同級生の聡史を探していると伝えると…。
彼女が連れていってくれた先は、病院。
聡史はチューブに繋がれ、意識不明の重体。
三日前に事故にあって。意識が戻らない。小学校の同級生なんでしょ、声かけてあげて。
百合子に促されるまま、聡史に話しかける佑太郎。
涙にくれる聡史の母親が、百合子に感謝しながらも、体を休めるために今日は帰って、と依頼。
百合子は佑太郎とともに病院を出る。
聡史は小学校時代の同級生、と説明した佑太郎のウソを、百合子は見抜いていた。
dele.LIFEって会社の人?クレカの明細から分かった。仕事内容もググった。データ消去の依頼ならキャンセルします。私は彼の婚約者、彼は事故の前、キャンセルするっていってた
幼馴染で婚約者。
人生でいちばん大切だった人が突然、事故で植物状態…。
彼女はこの現実を受け入れられず。
今、1人はしんどい
と、佑太郎から離れようとしない。
圭司の過去
一方、圭司は柴咲コウ演じる明奈と会っていた。どうやら2人は元・恋人。明奈が実習生として赴任した先で高校生の圭司と出会ったと言う過去が明かされる。
圭司が車椅子に乗っているのは16年前の病気が原因、であることも判明。
百合子と聡史
このカフェは中二の時、聡史と初デートした店。
高校も。聡史の学力ならもっといい学校行けるのに、私と同じ学校に行った。
本当に真柴くんがいればよかった。私と聡史の共通の友達がいなくて
誰もいなかったの?
1人だけ。翔くん、小学校から大学まで一緒だったけど。私と聡史がいるときは、なんか遠慮してた
最強だもんね、幼馴染で恋人なんて
驚愕の事実
百合子のためにもデータの中身が知りたい佑太郎は、翔とコンタクトが取れないか圭司に連絡。圭司はSNSから翔を割り出し連絡を取ると、今すぐバーに来るなら会える、との返事。
百合子をバッティングセンターに残し、翔のいるバーへ行く佑太郎。
聡史は俺の目の前でクルマにはねられたんです
お見舞いには?
行こうと思うんですけど、怖くて…。
今から婚約者の百合子さんと病院へ行きませんか?
百合子さんが婚約者?聡史の、ですか?誰がそんなことを?
誰がって…。違うの?…はあ?!
悲しいウソ
百合子は夜の公園で佑太郎を待っていた。
ここにはどんな思い出が?
社会人になってからは、ここでよく会ってた。仕事の愚痴を言い合って。
それもウソ?
…えっ。
今、翔さんと会ってきた。百合子さんと聡史は婚約なんかしてないって。百合子さんの婚約者は別にいるって。
百合子は聡史が幼い頃から好きだったのに、どうしても恋人だけはなれなかったのだった。
交際を申し込まれた同僚のことを聡史に話すと「今度こそ頑張れよ」と背中を押され。その人と真剣に付き合い、好きになったけど、聡史ほどは好きになれなかった。
婚約のこと、聡史に言ったんだよね?
最後にここで会ったとき。そしたらいきなり私をぎゅっと抱きしめたの。『遅いよ、バカヤロウ』って思ったけど、すごく幸せだった。でも耳元で言ったの、「おめでとう」って。
結局、聡史にとって私ってなんだったろうって。それが知りたかった
聡史のことならなんでもわかってると思っていたのに…。
視聴者の頭のなか
冒頭で聡史は翔に
やっぱり彼女に言おうと思う
と言っています。
聡史も実は百合子を愛している、そのことを百合子に伝えたかったのでは?
誰もがそう思ったのではないでしょうか。
「遅いよ、バカヤロウ…」
そのとき、百合子のケータイに、聡史の母親から電話が。
聡史が急変?!
最悪の結果を予想して向かうと、逆で、聡史は持ち直してきたのだった。
同じく連絡を受けて、翔も病室に。
母の呼びかけに、うっすらと目を開け、頷く聡史。
よかった(泣)
百合子は泣きながら聡史に触れるが…。
百合子よりも大きな声で号泣し、聡史の手を握る人物が。
それは、翔だった。
そして聡史も、翔の手をしっかりと握り返すのだった。
翔こそ、幼い頃から聡史と愛し合ってきた人物なのだった。
冒頭で、
彼女に言おうと思う
と聡史が翔に言っていたのは、百合子の気持ちがわかっているからこそ、翔と愛し合っているという事実を彼女に伝えてあげたかった聡史の優しさなのだった。
視聴者は、男性同士という状況に、聡史と翔という関係には思い及ばず。
聡史も百合子を愛しているはず、という固定観念にミスリードされ。
意外なラストに息を飲む…。
そして
(伝えるのが)遅いよ、バカヤロウ
と呟く百合子の涙に…。
この世でいちばん切ない恋物語を見るのでした。
圭司と明奈は…
そして、圭司の元カノ・明奈は…。
私からデータ削除の依頼が来たら、もう他人だと思って
の一言を残し、圭司の元を去る。
練りに練られた脚本
3日間、昏睡状態が続いた聡史に、翔は会いに来ていません。理由は怖かったから。
でもこの日、佑太郎は聡史に話しかけています。
17年ぶりに会いに来てくれたんでしょ、こんな奇跡ってないから。必ず聞こえてるから
三日目にして初めて、昏睡状態の聡史に話しかけた男性の声に、もしかしたら聡史は翔の声を聞いたのかも知れず。
聡史が目覚めたのは、きっとそういう理由。
また、佑太郎は14歳の妹を亡くした経験を語りますが、次回の被害者の女性は14歳。
小粒ながら、練りに練られた脚本を、ずっと笑顔で切ない恋人を演じる橋本愛の名演が心を打つ、素晴らしい回でした!!