僕はアルコールを受け付けない、いわゆる「下戸」体質であることは以前この記事でも書きました。
でも、下戸であることは残念なことです。できたらアルコールに強い体質に生まれたかったし、酒の席でみんなと豪快に飲みながら、同じように酔って、同じように騒ぎたい、と言う想いはいつもあります。
酒を飲まずとも、酒の席で楽しく過ごすこともできますが、やはり「酒に酔った」状態の人間が持つ不思議な「幸せ力」とでも言うべきパワーは、酔っていない人間には経験できないもののように思います。
だから、かなり酔った時に酒飲み連中がよく口にする決まり文句
「いや〜、きのうの記憶がないんだよねぇ〜」
を聞いても、別に不快にもなりませんし、
「本当か?本当に記憶がないのか?では今は西暦何年だ?現在の合衆国大統領は?」
とか詰問して追い詰めようとも思いません。
心の中で、「ああ、それだけ楽しく飲んで、楽しい時間を過ごし、ちょっと飲みすぎた、と言うことが言いたいんだな」
と解釈し、ただ笑顔を返してやるだけです。
そんな言葉は、いわば決まり文句です。
「疲れて帰ってきても、子供の顔を見たら疲れも吹っ飛ぶわぁ〜」
みたいなモンです。覚せい剤じゃあるまいし、本当に体内の疲れがなくなるワケがないけど、「そう言いたくなるほど癒される」のと同じ。そう言っている人に、
「じゃあ明日も早出して残業できるね?!」
って畳み掛けるのは野暮というものです。
が!しかし!
それは前夜の飲み会が「楽しいものであった」と言う場合に限ります!!
・その人が大騒ぎをして、場がメチャクチャになり、誰かが大迷惑をこうむった
・その人が法を犯した
といった事態に発展したにもかかわらず、いけしゃあしゃあと、
「酔って記憶がないんです…てへぺろ」
などと言われようものなら!!
これを激怒せずにおられようか?!
ってモンです!!
なんて卑怯、卑劣なイイワケだ!!
もし大人になる免許が必要なら、こんなイイワケをする奴は即、免許取消で、今後20年間、もう一度小学生からやり直してもらいたい!!
嫌いじゃなかったガリガリガリクソン。僕が覚えた失望
吉本芸人・ガリガリガリクソンのことは、嫌いではありませんでした。ニートを売り物にしながら、ネタはしっかり作ってあったし、大ブレークする芸風ではないけど、ネタ番組で彼が出ていたら必ず見ていました。
某女優の件では、友達を心配する面も見せ、彼女が開けた穴を埋めようとする友人たちのことも考えてほしい、とツイートするなど、常識人としての一面も見せました。
にもかかわらず、のこの事件。
今回のガリガリガリクソンの言い分を聞いてみよう。
逮捕直後は
「お酒をけっこう飲んだせいもありますが、運転した記憶がありません。思い出すことができません」と容疑を否認しているという。
と言っていたらしいです。釈放後は
「運転した記憶が全くなくて。飲み屋さんで友達と飲んでいたんですが、その後、どうやって店を出たのか、駐車場から警察の方に保護されたというか、そういう状況になったまでの足取りは本当に覚えておりません。申し訳ありません」
と言っているらしいです。
酒があるって知らなかったからクルマで行ったのかな?
もしそうなら、「ボク、クルマだから」って断らないとダメだよね。
もし、酒を飲むって知っててクルマで行ったなら、もう社会のクズだね。酩酊して、運転して帰る気マンマンだったわけだね。
「あらびき団」での彼の言葉を使うなら、
「おお怖っ!!」
ですわ。
百歩ゆずって記憶がないとしましょう。
ではその時は、そんな状態で運転をしてはいけないということも忘れていたんでしょうか?
もしそんな状態で運転をして、誰かを轢いてしまった時、轢かれた人のご家族は、
「アラァ〜、酔ってて記憶がないの?じゃあしょうがないよね〜」
と言ってくれるとでも思っていたのでしょうか?
「酔って記憶がない」、そんなイイワケが通用するとでも思っているのでしょうか?
そんな自分の体質を鑑み、もっと違うアルコールとの付き合い方をしようとは、これまで考えてこなかったのでしょうか?
「ブラックアウト」は本当か
「記憶がない」という状態、僕は50年生きてきてまだ一度もありません。就寝中と、手術の時に麻酔で眠っていた時は別ですが。古い記憶は忘れてしまいましたし、年をとると物覚えも悪くなってきていることは確かです。
しかし、昨夜の記憶がない、といった経験は一度もありません。
酒を飲むと、そんな信じがたい経験を頻繁にすることになるのでしょうか?
「昨日は飲みすぎて、はしゃぎすぎた。思い出すのも恥ずかしいから、記憶にないってことにしておいてね」
というエクスキューズとしての
「記憶がない」ではなく、本当にその部分の記憶がなくなるなんてありうるのでしょうか。ロボトミー手術でもあるまいし。
「アルコール性記憶障害」
色々と調べてみると、「アルコール性記憶障害」「アルコール性認知症」などといった用語が見あたります。実際にアルコールと記憶喪失の間に関連性はあるのではないか、と思われます。
ただ、それは本当に、みんなの間で頻繁に起こっていることなのでしょうか?
ぼんやりとしか覚えていない…この程度なら、麻酔で半分眠った状態と同じかもしれません。
他人に教えてもらうと思い出す、これも似たようなものでしょう。半分起きて、半分寝ている状態。
アルコール性認知症、に至っては、アルコールによって脳が萎縮し、認知症を発症している状態だそうです。ここまでくるとすでに病気なので、真剣な治療が必要なレベルでしょう。
酒飲みがよく言う記憶喪失
「アルコールが海馬に悪影響を及ぼし、記憶することができない。人間は記憶することができなくても、昔の記憶はあるので、家への帰り方などはわかる。だから無事に帰宅できるが、酒場から帰宅までの記憶は一切ない」
この状態こそ、酒飲みの口からよく出る「ブラックアウト」のことかと思われます。しかしもしこの状態が頻繁に起こっているのだとしたら、一体その人の脳細胞はどんなことになっているのでしょう?肝細胞は言うに及ばず。
とても健康的な一生が送れるとは思えません。
そして、こんなことが健康な人間に頻繁に起こっているとも思えません。
もし経験したことがあるなら、アルコールとの付き合い方を根本から見直すべきだと思います。
ガリガリガリクソンになる前に…
おわりに
何度も申しますが、僕は「酒飲み」が好きですし、自分が下戸であることは残念なこと、悔しいことだと思っています。
下戸ですがアルコールの席は楽しいですし、自分が飲めたらもっと楽しいのに、といつも思っています。
しかしながら、飲みすぎて人格が変わったり、他人に迷惑をかけたり、それこそ、法を犯したりする人間は、社会にとって迷惑なだけ。
それどころか、それをアルコールのせいにするなんて言語道断。
適度に飲んで、楽しくアルコールと付き合ってほしいと願います。