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映画「レディ・プレイヤー1」感想ネタバレあり!日本人なら誰でも知ってる「あのキャラ」と「あのキャラ」が激突!!日本文化へのリスペクトが半端ないVRの世界観!!そして最後のメッセージは、「ゲームは、ほどほどに。現実世界こそ素晴らしい」

映画「レディ・プレイヤー1」の試写会が当たったので見てまいりました。

 

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2時間20分とやや長尺ながら、最初から最後までずっと緊張感とスピード感を持って見ることができました!

 

さらに、日本人なら誰もが誇らしい気持ちになることができる、いろんな仕掛けが組み込まれていて。

 

実に痛快!な映画でした。

 

二重構造

 

物語の半分は「オアシス」という名の仮想空間=VR上のゲーム。

 

そこで描かれる人物はVR上のアバターにつき、全編がCG。

 

アバターは好きに設定できるので、極端な話、日本人男性が白人金髪美女に設定してもいいわけで。

 

だからVR上で知り合っても現実でのその人が一体どんな人なのか、想像すらできません。

 

物語の残り半分で描かれるのは、現実世界。

 

近未来の荒廃した世界で、人々が、ゲームに逃げ込まざるを得ないような、希望のない世界。

 

そこで、業界2位の卑劣なIOI社が何としてもオアシス運営の権利を得たいがため、優秀なプレイヤーである主人公をリアルに殺そう、と目論むストーリー。

 

幾ら何でもゲーム企業が人殺しまで…。とは思いますが、現実世界側の頽廃具合を丁寧に描いてるので、この辺りも受け入れることができます。

 

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物語は…

 

五年間、誰1人クリアならず

 

近未来、現実生活に絶望した人々は、仮想空間のゲーム「オアシス」に没頭しています。

 

「オアシス」創始者ハリデーが亡くなって5年、彼が遺言として残した

 

「オアシスの中に隠した三つの謎を解いたものにオアシスの全てを譲る」

 

について、まだ第1ステージさえ解かれてはいません。

 

第1ステージ

 

第1ステージ、それはカーレース。

 

ゴールインできさえすればいいのですが。

 

そのレースとは、以下の動画の通り。

 

youtu.be

 

アバター名「アルテミス」と呼ばれる女性が乗ってるバイクは映画「アキラ」で金田が乗るバイク。

 

主人公「パーシバル」が乗るクルマはもちろん「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でマーティが乗るデロリアン。

 

その他、テレビ版「バットマン」に出てくるバットモービルや、エンパイヤ・ステートビルから飛び降りて行く手を遮るのはもちろんキングコング。

 

線路上で大暴れするTレックスはもちろん「ジュラシックパーク」から抜け出て来たものでしょう。

 

ゲームの中のアバターなので、なんでも好きなキャラになれる、という設定上、実在する有名キャラや有名な乗り物を登場させ、物語にリアリティを持たせています。

 

バットマンが他の惑星の山をのぼっていたり。

 

チラッと見えただけですが、「コブラ」もいたように思いました。

 

キティちゃんも歩いていました。

 

動画にあるように、ゲーム上で死んでしまったら、そのアバターの持つコインが散布され、近くにいたアバターがそれを拾うことができます。

 

アバターが死ぬと、それを操作していた現実の人間は、(もちろん実際に死ぬことはありませんが)1からもう一度アバターを作り直し、経験値やコインを獲得しなければならず。

 

だからゲーム上といえど、なるべく死なないように気をつけなければなりません。

 

乗っているマシンも壊れれば修理が必要、もちろん修理にもコインが必要。コインがなければ修理もできないわけです。

 

 

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さて、冒頭のカーレース。もう5年間、毎日開催されていて、誰1人クリアしていないという難易度。

 

動画ではゴール直前まで主人公は迫っていますが…。

 

結局、ラスボスであるキングコングの方が早くゴール前にたどり着くのでゲートをくぐることはできません。

 

つまり、第一ステージは、どんなに速いスピードで疾走し、どんなに短い時間で全ての障害物をクリアしたとしても。

 

ラスボス・キングコングには勝てないようプログラミングされているのです。

 

主人公はこのことに気づくのに5年かかりました。

 

ただし、全人類でこのことに気づいたのは、まだ主人公だけ。

 

ではどうすればいいのか?

 

クリアなんか、そもそもできないのか?

 

主人公は悩みます。

 

そして、ゲームの世界の中にある「ハリデーのアーカイブ」に足を運びます。そこは、オアシス創始者ハリデーについての全ての記録が収められている図書館。

 

そんなところを訪れるアバターは他にいません。他のゲーム参加者はただ闇雲にゲームを楽しむだけ。

 

でも主人公はこの図書館に通い詰め、ハリデーの人生に触れ、彼の考え方を追体験し。

 

ハリデーならどう考えるか。

 

ハリデーにとって幸福とは。

 

ハリデーがおかした人生最大の失敗とは何か。

 

を勉強して行くうちに…。

 

全く違うアプローチからゲームに挑むと…。

 

あっという間にゴールしてしまいます!

 

現実世界

 

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一方、現実世界においては、彼はパーシバルみたいに颯爽とデロリアンを運転するような人物ではなく。

 

小汚い集合住宅で、しかも叔母さんに育てられながら、叔母さんのゲス彼氏の暴力に耐えて暮らしている少年。

 

でもゲーム上では、ステージ1を最初にクリアした人物として一躍時の人に。大量のコインもゲット、滅多に買えないレアアイテムも購入できます。

 

このように、現実世界とVRの世界が交互に描かれる世界観は、かつての「アバター」を彷彿とさせます。

 

第2ステージ

 

二番目の鍵、

 

作者が作品を嫌悪する

 

という謎の言葉。

 

パーシバルはそれが、映画「シャイニング」のことであると気づくと、オアシスの中にあった映画「シャイニング」の世界の中に入り込んでしまい。

 

映画のシーンに入り込んで、あの恐怖のシーンを経験する、という鳥肌もののシーンがあります。

 

この「IT/イット "それ"が見えたら終わり」の記事でも触れましたが。

 

www.rundietrunner.com

 

「シャイニング」の原作者のスティーヴン・キングは、巨匠・キューブリックが撮った映画「シャイニング」を見て激怒した、というのは有名な話です。

 

映画「シャイニング」はホラー映画としては最高傑作の呼び声も高い作品ですが。

 

原作者のキングは自分の原作を徹底的に変えられたこの作品が許せませんでした。

 

特に物語のキモである「父の愛」の割愛には我慢ができなかったようです。

 

悪霊に体を乗っ取られながら、必死にその悪霊と戦い、愛する妻子を守ろうとする父親の姿が全く描かれていなかったからです。

 

キングの怒りは凄まじく、裁判所に訴えようとしていましたが、キングが信頼している人物が必死に彼を止めたので、裁判沙汰にはならなかったそうです。

 

これがキューブリック版シャイニング。キング原作とはやや違う物語ですが、恐怖映画としては一級品。

後日、キューブリック版に耐えかねて、キング自身が監督し映像化した、原作に忠実なキング版シャイニング。

映画「シャイニング」に隠されていたのは、誰もが持つ初恋の記憶。

 

おぞましい悪霊ゾンビたちの中にたった1人いる美女は、彼が愛したただ1人の女性。

 

ハリデーのアーカイブでハリデーを知り尽くしていたパーシバルだからこそたどり着けた鍵。

 

現実界でも危機また危機!!

 

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ゲーム世界がエキサイティングであることは当たり前なんですが、問題は現実世界。

 

VRへの逃避は、現実世界が退屈すぎるからのはずで。

 

しかし、映画の本質って、現実世界を描くことのはず。

 

VRだけに主眼を置いた物語なら、それはゲームでいいはずで。

 

だから映画は、現実世界もエキサイティングにする必要があり。

 

オアシスに次ぐ業界2番手「IOI社」は、優良プレイヤーのパーシバル=ウェイド、アルテミス=サマンサを捜索。ウェイドをこちら側に引き入れれば IOIがオアシスを手に入れ、世界最大のVR世界を好きなように改造できるはず。

 

オアシスを守りたいウェイドはこれを拒否、レジスタンスのサマンサと行動を共にすることで、現実世界においてもIOI社から命を狙われる、という事態に陥ります。

 

第3ステージ

 

こうしてVRの中でも、現実の中ででも、命がけの冒険が繰り広げられ。

 

ラストは現実世界の中で、IOI社の追っ手から逃げ回るトラックの中で、VRのオアシスに隠された最後の鍵を求めIOI社と戦う、という二重構造。

 

オアシスを守りたい、主人公の叫びは世界中のプレイヤーたちの心に響き。

 

VR上でも、現実世界でも、主人公に加勢してくれます。

 

そしてたどり着いた最後の鍵。

 

しかしながら…。

 

ハリデーのアーカイブで彼の心の中まで理解しているパーシバルは…。

 

ハリデーが人生で最も後悔していること、を理解していました。

 

そしてハリデーのアバターが仕掛けた最後の罠にさえ、気がつくのでした…

 

日本のアニメ文化へのリスペクト!! 

  

本作の最大の目玉は、オアシス創始者のハリデーがいわゆるオタクで、20世紀後半のオタク文化が大好きだったため、オアシスがかなりの部分、当時のオタク文化をリスペクトした世界である、という点です。

 

そのため、当時の世界観を語るのに欠かせない、日本のオタク文化にもかなりのリスペクトが捧げられ。

 

日本が生んだキャラクターが随所にあふれている点です。

 

最近のアメリカ映画といえば、中国が大きな出資先になっているため、「中国LOVE」的な側面が多見される状態であることは周知の通りで。

 

そんな時代にあって、日本アニメにフォーカスしてくれた世界観は誇らしいばかりで。

 

クライマックスでIOI社の社長がオアシスの中で乗り込むのは、なんと…。

 

メカゴジラ。

 

ゴジラ対メカゴジラで有名な、あのメカゴジラ。

 

 反乱軍が束になってかかっても、巨大なメカゴジラには歯が立たない中…。

 

日本人・トシロウがオアシスにイン!

 

彼が乗っているのが…

 

初代ガンダム!!

 

ここに、

 

ガンダム対メカゴジラ

 

という、とんでもない戦いが繰り広げられることになります!!

 

スピルバーグが描く、ガンダム対メカゴジラ、日本人なら誰もが驚き、汗腺開きまくりの、スピルバーグへの感謝の念でいっぱいになると思います。

 

とにかく、様々なキャラクターを1つの映画に使うには、気の遠くなるような交渉ごとが必要であったと思われ。

 

それを可能にした大きな要因は、やはり「スピルバーグが監督する」という保証だったと思います。

 

彼以外には成し遂げ得なかったと思われる、この壮大なお祭り感。

 

おそらくは、もう二度と描けない世界観が描かれた、画期的な作品です!!