無事に、初レースである「さが桜マラソン9.8kmファンラン」を完走したお方さま。
しかし、お方さまに安らぐ暇などなかったのでした。
さが桜マラソン当日の2015年4月5日は、同時に「北海道マラソン2015」のエントリー開始日でした。
佐賀から福岡に戻り、関西国際空港到着と同時に、我々夫婦は空港ロビーで待機し、エントリースタートの午後8時を待ったのでした。
その甲斐あって、夫の希望するフルマラソンのエントリーは、先着順につき、インターネットが混雑してつながらない嵐をくぐり抜け、出走権を得たのでした。
同時に…
北海道マラソンのファンラン。11.8km。これは抽選式。
さりげなく、お方さまの名前でエントリーを済ませられていたのでした…
そして、その約1ヶ月後。
道マラファンラン当選!
当選してしまったのでした。
汗がかけない体質
お方さまは、汗がほとんどかけない体質。子供の頃から、外で遊んだ経験がほとんどないため、汗腺が発達しなかったのではないかと思われます。
国内唯一の、真夏の大型マラソン大会、北海道マラソン。
いくらそのファンランとは言え、汗がかけない体質での北海道マラソン挑戦は、あまりに無謀。
実はさが桜マラソンの練習でも、蒸し暑い昼間に走って、明らかに熱中症の症状を起こし、倒れる寸前だったことがあったのです。
3月の気温でグロッキーしていては、30度を超える気温が予想される北海道マラソンを、たとえ11.8kmとは言え走破することはかなり困難です。
その日から、お方さまの暑さ対策が始まりました。
お方さまの暑さ対策その1・汗をかけるようになろう!
まずはお風呂。半身浴で上半身に汗をかけるように練習しました。
入浴剤など使ったことがなかったのですが、「汗がよく出る」タイプに入浴剤があると聞けば、いろいろ試してみました。
「バスソルト」なんて、聞いたこともなかったですが、小洒落たタイプの入浴剤。こいつもいろいろトライしてみました。
▼バスソルトの中で、いちばん汗が出て、香りなどもいちばん気に入ったのがこれ。「ハウス オブ ローゼ」コリキュアーズ バスソルト。
最初の頃はまったく汗が出ませんでしたが、毎日繰り返していると、徐々に、うっすらとですが汗をかけるようになってきました。
そして7月になり、太陽はいよいよ真夏の勢力を保ち始めました。
8月1日の大阪城の気温は、最高36度。
この日差しの中で、初めて5kmランに挑みました。
天気予報のコーナーでは、「激しい運動はお控えください」と注意されるような気温ですが、北海道マラソンを制するにはこんな日に練習するしかないのです。
お方さまの暑さ対策その2・わずか5kmでも、準備万端で!
①給水ボトルは必ず氷水!!
まず、ボトルホルダーの水ですが、ただの水道水ではダメです。30度を超える暑さの中では、冷たい水を補給することが大切。冷たい水を摂取することで体温を冷やすのです。ボトルホルダーには、詰め込めるだけ氷を詰めて、その隙間に水を入れました。
②ミネラル補給!!
ミネラルを摂取するよう塩熱サプリ。普通は5kmごとに摂取するものですが、暑さ初体験のお方さまには2.5km地点で摂取させました。
③エネルギージェルも持ちました。これはいつものハニースティンガー。
お方さまの暑さ対策その3・体外から冷却せよ!かけ水作戦
A)水道ごとに、コンビニ袋に水を満たし、頭から!
大阪城には、1kmごとに、トイレなど、なんらかの形で水道があります。
汗という形で体内から冷却できない以上、外から冷却するしかない。1kmごとにある水道で、水をかぶりながら走る予定。コンビニ袋を持ち、水道で水をくみ、頭からかぶる作戦です。
B)次の水道まで保たないかも?!
真夏の太陽の力は凄まじい。汗もかけず、その中を走るとなると、1kmごとのかけ水で追っつかない可能性もある。そこで、飲料水とは別に、かけ水用の小さなボトルを持ち、ポケットに入れました。この時、ポケットが多いこのパンツが役に立ちました!
5kmを難なく完走。
この日はキロ9分程度でしたが、なんと5kmを超え、6.5kmまで走ったお方さま。
何度か練習を重ねるうちに、水をかぶるのでなく、かけ水用ボトルで首筋などを冷却する形が一番お方さまにしっくり来ることがわかりました。
そしてそのやり方で、キロ8:30で8kmまで走れるようになりました。
道マラファンラン攻略法
北海道マラソンファンランは、11.5kmを1時間45分の制限時間です。キロ9分で突破できます。
しかし!号砲の後、ファンランナーがスタート地点を通過するまで、ロスタイムが約15分。
つまり11.5kmを1時間30分で走らねばならない計算です。
特に厳しいのは8.1kmの関門、これを通過するにはキロ7:24で突破しなければいけません。
完走は難しいかもしれない…
そして迎えた、北海道マラソン2015当日。
死闘!ファンラン!
僕はフル、お方さまはファンラン。
決して無理をせず、ダメだと思ったら走り続けなくていいから、となんども言い含めました。意固地になる性格なんで、少し不安がありました。
が、運のいいことに、気温は思ったより低く、朝で20度、最高気温25度の予想。大阪よりも空気は乾燥して気持ちよく、吹く風は涼しくさえ思いました。
そしてスタート!
最初の給水ポイントまで5.5km、お方さまによれば、ファンランの中には、すでに脱水症状に陥っているランナーも散見されたようです。 ボトルホルダーを持ったファンランナーはほとんどいなかったそうです。
いくら涼しいとは言え、太陽てりつける夏の道。それをファンランナーは甘く見ていたのでしょうか。ボトルホルダー+水かけ用のボトルを持つお方さまは、特異な存在だったようでした。
それでも、創成トンネル前で脱水でダウンするファンランナーをかわして、ポケットからボトルを出して頭と首に水をかけ、ボトルホルダーからは冷水を摂取し、汗のかけない自らを冷却しながら、一歩ずつゴールを目指すお方さま!
スタートロスタイム9分強のあと、最初の5kmをキロ7:24、次の5kmをキロ7:36で通過、制限時間1時間45分のところ、なんと1時間34分44秒でフィニッシュあそばされたのでした!!
▼ファンランゴール直前地点。ラン友応援団と。
▼打ち上げにて。ラン友総帥から熱い祝福。
サブ4、サブ3ランナーの皆さんには、噴飯ものの物語ですが!!
自らの健康のために走り始め、最も不得手とする夏の太陽の下、11kmのランに挑んだ、アホアホランナーがいたことを、頭の片隅に置いていただけたら幸いです^_^